滋賀県議会 > 2007-12-13 >
平成19年12月定例会(第26号〜第31号)−12月13日-05号

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  1. 滋賀県議会 2007-12-13
    平成19年12月定例会(第26号〜第31号)−12月13日-05号


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    平成19年12月定例会(第26号〜第31号)−12月13日-05号平成19年12月定例会(第26号〜第31号)  平成19年12月滋賀県議会定例会会議録(第30号)                                       平成19年12月13日(木曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第5号                                         平成19年12月13日(木)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第139号から議第169号まで(平成19年度滋賀県一般会計補正予算(第4号)ほか30件)(質疑、質問)            ─────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ─────────────────────────────── 会議に出席した議員(47名)    1番   川  島  隆  二  君   2番   奥  村  芳  正  君    3番   生  田  邦  夫  君   4番   野  田  藤  雄  君    5番   西  村   久  子 さん   6番   中  谷  哲  夫  君    7番   成  田  政  隆  君   8番   九  里     学  君    9番   柴  田  智 恵 美 さん   10番   木  沢  成  人  君
       11番   清  水  鉄  次  君   12番   佐  橋  武  司  君    13番   節  木  三 千 代 さん   14番   西  川     仁  君    15番   角  川     誠  君   16番   沢  田  享  子 さん    17番   江  畑  弥 八 郎  君   18番   今  江  政  彦  君    19番   西  川  敏  輝  君   20番   辻     孝 太 郎  君    21番   西  沢  桂  一  君   22番   田  中  章  五  君    23番   粉  川  清  美 さん   24番   石  田  祐  介  君    25番   宇  賀     武  君   26番   福  本  庄 三 郎  君    27番   蔦  田  恵  子 さん   28番   山  田  和  廣  君    29番   山  田  尚  夫  君   30番   辻        貢  君    31番   佐  野  高  典  君   32番   家  森  茂  樹  君    33番   吉  田  清  一  君   34番   辻  村     克  君    35番   世  古     正  君   36番   三  浦  治  雄  君    37番   中  村  善 一 郎  君   38番   上  野  幸  夫  君    39番   梅  村     正  君   40番   山  田     実  君    41番   西  川  勝  彦  君   43番   大  井     豊  君    44番   谷     康  彦  君   45番   中  沢  啓  子 さん    46番   出  原  逸  三  君   47番   青  木  愛  子 さん    48番   森     茂  樹  君            ─────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)            ─────────────────────────────── 会議に出席した説明員              知事              嘉  田  由 紀 子 さん              教育委員会委員長        高  橋  啓  子 さん              選挙管理委員会委員長代理    坊  野  善  宏  君              人事委員会委員長        市  木  重  夫  君              公安委員会委員長        宮  川  孝  昭  君              代表監査委員          宮  村  統  雄  君              副知事             澤  田  史  朗  君              政策調整部長          橋  本  俊  和  君              総務部長            谷  口  日 出 夫  君              県民文化生活部長        中  村  順  一  君              琵琶湖環境部長         山  仲  善  彰  君              健康福祉部長          馬  淵  義  博  君              商工観光労働部長        沢  井  進  一  君              農政水産部長          但  馬  甚  一  君              土木交通部長          吉  岡     淳  君              会計管理者           加  藤  晴  吾  君              企業庁長            小  川  義  隆  君              病院事業庁長          川  尻  嘉  徳  君              教育長             斎  藤  俊  信  君              警察本部長           安  森  智  司  君            ─────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員              事務局長            塩  見  和  夫              議事調査課長          南     史  朗              議事調査課課長補佐       上  田  勝  彦            ───────────────────────────────   午前10時21分 開議 ○議長(出原逸三君) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(出原逸三君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  選挙管理委員会委員長伊藤正明君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員坊野善宏君が出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(出原逸三君) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第139号から議第169号まで(平成19年度滋賀県一般会計補正予算(第4号)ほか30件)(質疑、質問) ○議長(出原逸三君) 日程第1、議第139号から議第169号までの各議案に対する一般の質疑ならびに質問を続行いたします。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、5番西村久子さんの発言を許します。 ◆5番(西村久子さん) (登壇、拍手)皆さんおはようございます。湖政会の西村久子です。よろしくお願いいたします。今期定例会、3日間にわたりまして、堅田高校の皆さんが熱心に、そして秩序正しく傍聴していただきました。私たちの毎日の暮らしの中で起こる、さまざまな事象に関心を持つということは、住みよいまちづくりに向けて、とても大切なことです。私は今回、琵琶湖の抱える問題を取り上げました。滋賀県といえば琵琶湖、母なる琵琶湖の抱える課題で、将来を担っていただく若い皆さんと話題を共有できることに緊張感を感じながら、質問に入らせていただきたいと思います。  一括方式でお尋ねをさせていただきます。理事者の皆さんには誠意ある御答弁を、よろしくお願い申し上げます。  琵琶湖の抱える問題解決に向けて。  天皇皇后両陛下の御臨席のもとに、第27回全国豊かな海づくり大会びわ湖大会は成功裏に終了いたしました。大会当日、湖上での漁船による見事なパレード、琵琶湖にもこれほどのすばらしい営みが続いていたと、涙が出るほどの感動でした。ともに成功を喜び、関係各位の御苦労に心から敬意を表するものでございます。  大会テーマは、「この湖(うみ)を 守る約束 未来のために」、また、「山から海まで環境保全に取り組み、豊かな海を将来的に育てます」を基本理念として、水質の問題や生態系の変化など、危機的状況にある琵琶湖の現状を理解し、どのようにして、もとの豊かで美しい琵琶湖の姿を取り戻していけばよいか、関係する多くの人々に問題を提起し、行動を求められているように受け取りました。湖を直轄する滋賀県民こそ、悲鳴を上げる琵琶湖の状況をよく知り、情報を共有した上で互いに知恵を出し合って、一人一人の実践によって、誇れる琵琶湖を取り戻さねばと思います。  それでは、まず、今日深刻化が報道されております、湖底の低酸素化について、琵琶湖環境部長にお尋ねいたします。  状況については、先日の代表質問で詳しくお答えいただきました。発生のメカニズムや弊害について、まだ定かでないとしながらも、暖冬により上下の循環がおくれたことによるものと考えておられるようであります。10月22日が定期観測の日のようですが、冷たく冷えた水が底層におりる循環の起こるのは、上層部の水温が底層の水温より低いことが一つの要件に思えます。  市販されている海洋深層水のメカニズム説明に、地球上をめぐる海流が、北極海の氷に冷やされてフィンランド沖の海溝に滝のように深海に潜り込み、二、三千年の時を経て浮かび上がった水と説明されていました。深海に達した海水が再び表層近く浮かび上がるのには気の遠くなるような年月を要することになります。  また、過去、石けん運動の際、琵琶湖に入った一滴の水は、20年たたないと瀬田川から流れ出ていかないといった話も聞いておりました。すごくゆっくりとした動きです。ということは、ささいな汚れも、一たん流し込んでしまったら、非常に長い年月をかけないと入れかわることはできず、次々と汚染を増幅させてしまうことになります。昭和30年ないし40年ころまでは、川の水を汚したら罰が当たる、また、川におしっこしたらおちんちんはれるよと言い伝えられてきたことは、本当であったと思い知ることができます。みんながそれを守る必要性、対策を練る上で一番大切な、啓発すべきことではないでしょうか。  素人推理で話してしまいました低酸素化、どんな原因が考えられるのでしょうか。原因がわかれば、対応策は挙げられると思います。どのような改善策が考えられていますか、お尋ねいたします。  代表質問の答弁で、湖盆全体が一様に低酸素濃度ではないこと、その後、低下の傾向はなく、以前の定点観測で低い値を示した地点でも、その後自然回復しており、湖底の低酸素化による影響については、一部では危機感をあおるような報道もあるようだが、魚類など移動性が高い生物には現時点ではたちまち影響があらわれるものでないと楽観した見方をしてこられました。  しかし、ごく最近の新聞各紙やテレビ報道で、湖の北部深層部で、イサザ、スジエビなど数万匹が死んだ可能性があり、生態系や水質への深刻な影響が心配されるとした、県琵琶湖・環境科学研究センターの潜水ロボット淡探の撮影した、湖底の魚の死骸が公表されております。現に低酸素の苦しい状況から逃げられるはずの移動性の高い魚が死んでいる。観測された低酸素地は、調査地点の一部であるのにです。決して安閑としてよい状況でなく、危機感を持って調査研究、対応策の実施を検討されるべきものと思います。むしろ、県民に実態を知らせ、一人一人にできる琵琶湖の水質浄化に向けての取り組み実践を訴えるべきと考えます。温暖化によるものか、水質悪化による有害プランクトンの増殖か、はたまた地震の前兆か、見えないところで不気味な変動が起こりつつあることは確かであり、人々の心構えが最も大切だと思っております。  地球温暖化によって山に雪が降らなくなった。それを無理やり降らせることもできないし、また、台風を起こして水を攪拌することもできない。さりとて、琵琶湖に、金魚鉢の水循環装置の大型をつけることも莫大な費用がかかる。そこで、一つの提案をしたいと思います。  琵琶湖岸の田んぼは、その必要とする水を琵琶湖の逆水によって賄っております。土地改良区ごとに琵琶湖の水中に大型の管を入れ、ポンプによって水を吸い上げ、かんがいしております。それら吸水管の陸地からの距離は水深によってそれぞれですが、浅いところでは相当に遠く、深いところでは、すぐ近い距離にそれぞれ設置されています。こうした土地改良の施設も次第に老朽化し、だんだんと更新の時期を迎えることとなります。この更新時に、多額の経費を必要とすることとなりますが、湖の深い位置で取水する仕組みを講ずれば、強制的な水の循環を起こすことができるのではないでしょうか。  夏場、稲には低い水温の方が食味のよい米を生産することができ、両得となります。また、逆水ポンプ稼働でない季節であるなら、低酸素地にいかりをおろした形の、風力による循環式の装置をつければ、水の攪拌は可能であると考えますが、どうでしょう。突拍子もない笑い話であるかもしれませんが、石油やガソリンのない時代、風や水の力に頼って海辺の暮らしがあった知恵を検討するのも一考と思います。  伏流水の復活について、土木交通部長にお尋ねいたします。  一級河川の愛知川は、現在、河川改修を進めていただいているところでございますが、昔より暮らしの知恵として、その河川の伏流水を上手に集落内に引き込み、日常生活に役立ててきた「湯」と呼ばれる井堰があります。しかし、近年、水位が低下し、以前のように伏流水が潤沢に流れなくなって、暮らしとともにあった役目を果たせなくなり、特に消防用水等に利用が困難で、不安をあおっている状況にあります。  知事は、近江の生活文化としてカバタあるいは川となどを高く評価されていますが、もったいないことに、現在、水量がなく、使うに使えない状況にあります。その恩恵に浴してきた人々は、ぜひ豊かな水の暮らしを取り戻したいと願っておられますが、そこで、まず、1番、伏流水の枯渇の原因はどこにあるとお考えか、2番目、伏流水再生の必要性を認識されますか。再生させたいとの願いに、どうすればよいのか、所見を求めるものです。  次に、ヨシの復活について、琵琶湖環境部長にお尋ねします。  河川、湖の岸辺にはヨシが自生しています。かつては柳も多く見られました。土地基盤整備がなされ、田舟で行き来していた水郷がなくなると、そうした植物が一斉に姿を消してしまいました。しかし、これらの果たしてきた役割が、自然界の中でいかに大きな働きをしていたのか、琵琶湖の固有種である魚の繁殖に欠かせないものであったことを、多くの人に知っていただきたいと思います。  ヨシぶき屋根やすだれなどに活用される以外、何の価値もないように見えるヨシは、水を浄化し、酸素を水中に取り込み、生態系を豊かにする貴重な存在と言われています。また、一定以上の幅のヨシ帯は、ブラックバスなど肉食性の外来魚から、その湖にもともと生息している小魚が身を守るために逃げ込める隠れ場であり、野鳥も多く生息します。低湿地にあってヨシほどふえて困るものはないと思ってきたが、なくなったものを復活させようと思うと、いかに多くの時間と経費の要ることか。湖周道路沿いのヨシの増殖現場を見ながら、つくづく感じているところでございます。  昔の暮らしとして、春にヨシに火をつけて焼き、新しい勢いのよいヨシが伸びる。夏、茂り過ぎたヨシを束にして結わえ、風通しをよくする。刈り取ったものは束にし、漬けとして沼に沈め、漁礁とする。暮れには漬け上げをし、川魚はお正月のぜんをにぎわした。どんなにしても絶やせなかったヨシでございますが、今、どんな方法でヨシ群の再生に努力されているのか、どんなところで増殖しようとされているのか、それら増殖の方法と効果についてお尋ねいたします。  ヨシ群落が魚の産卵場所や隠れ家になったりすると聞くと、なるほどと思います。5月、田植えのころ、雨が降ると、魚が一斉に濁った川を上ってきます。ヨシやマコモの間を身をくねらせてへる姿を季節の風物詩として見てきました。それからすると、魚の産卵は、琵琶湖に流入する大小河川になります。そのあたりにヨシがいっぱいあれば、魚にとっては好都合でしょう。波の荒い琵琶湖より、内湖や川にヨシがあればということになれば、ヨシの生育に適するところイコール魚の産卵にもよい場所と言えると思います。  とすると、苦労して育てたヨシ苗を、不適当と思われる波の荒い琵琶湖畔に一気に植え込むことはロスが多いのではないでしょうか。もともと強靱な繁殖力のあるヨシのことですから、緩やかな入り江から次第にその勢力を伸ばしてくるものと予測しますが、どうでしょう。成長する魚が外来魚にやられないよう、もっと有害外来魚駆除に力を入れるべきだと思います。  そこで、外来魚駆除について、農政水産部長にお尋ねいたします。  県では、有害外来魚ゼロ作戦事業として、外来魚の捕獲事業を実施されていますが、この事業の効果を、生息量と捕獲量、その他、琵琶湖在来種の今日的状況から見て、どのように評価されているか、お示しください。  湖畔に住みながら、常食であったフナやガンゾ、モロコ、イサザ、エビなど、なかなかお目にかかれない状況であります。全国豊かな海づくり大会で天皇陛下より、今日的外来魚の実態に心を痛めていただくお言葉がありました。多くの人々が関心を持ち、趣旨を理解して、外来魚撲滅に向けて努力しなければと思います。  有害外来魚駆除の技術開発についてお尋ねいたします。  大きな琵琶湖という器から外来魚をつかんで取り出す。気の遠くなる話ですが、どんなに数が減っても絶やすことはできないでしょう。捕獲し続ける必要を感じます。でも、田畑の作物でフェロモンである種の雌だけ捕獲するように、科学的な応用ができないでしょか。遺伝子組み換えもこんな方面で活用できたらと思います。有害外来魚に限り、ふ化しない卵で次第に絶滅に追い込むなり、集めて捕獲する等、新たな技術について所見をお聞かせください。  なお、この後、水上バイク問題等、質問に取り上げましたので、あわせて現状政策の効果について、琵琶湖環境部長にお尋ねいたします。  外来魚リリース禁止の取り組みについてお尋ねします。  琵琶湖には多くの釣り客が各地より訪れて、大きさや量を競う大会も行われています。あるグループでは、琵琶湖の環境美化にごみを拾い上げたり、協力的に奉仕作業をしてから釣りを楽しんでおられます。多くの人々が琵琶湖の環境に関心を持って行動を起こしていただくことは大変意義あることと思います。しかし、釣り上げた外来魚はどうなっているのでしょう。実態をお知らせください。  以前、釣り愛好会の大会に参加したことがありますが、そのまま水に返す人が半分ぐらいおられました。リリース禁止の条例もできましたが、状況は余り変わっていないようであります。しっかりと釣り人に理解いただき、協力願うにはどうすればよいか。  その1つ、琵琶湖への進入口であるバスボート保管施設等の対応についてお尋ねいたします。  2サイクルエンジン猶予期間延長と、それに伴い、陸域にある保管施設や水上バイク、バスボート保管施設と協定を結んでいますが、利用者の管理の面で不適切な保管施設との協定を結んでいるのではありませんか。協定に基づいて保管施設利用者の350メートルまで徐行の航行規制やリリース禁止など、条例遵守はどのように担保されているのでしょうか。当然、保管施設は利用者に対してリリース禁止を遵守させる責務を有すると考えるのですが、保管施設は利用者が釣った外来魚の回収を行われているのか。また、回収施設を持っておられるのか、お尋ねいたします。  次に、琵琶湖のレジャー利用の今後の方向について、琵琶湖環境部長にお尋ねいたします。  私の住む彦根市は、湖岸延長15.7キロメートル、松原水泳場から新海浜水泳場まで、そのほとんどが、道路と琵琶湖が接する極めて至便な場所であり、民家もまた同じ位置に住まいしております。夏冬構わず、ひどいときには道路に切れ目ない駐車の列であったり、騒音の苦情や、はたまた、そうした難儀に業を煮やした、恐らく地元住民のしわざと思われますが、一晩の間に臨海の松林に入れないよう、ダンプで堆積させたと見られる土砂の山が五、六十カ所を超えて並ぶなど、さまざまな問題を繰り返してきました。水泳場遊泳区域付近への水上バイクの接近など危険行為防止の呼びかけも、毎年のように地元住民が当番制で監視を続けております。  静かで、危険でなく、水を汚さず、環境を傷めず、壊さず、そして琵琶湖を多くの人に楽しんでいただきたい。そんな願いのもと、毎年、地域の連合自治会の要望が続いております。湖岸のどこからでも車両が乗り入れる状況を利用者が自粛するようにマナーアップすべきと考えますが、いかがでしょうか。
     次、琵琶湖レジャー利用税について、知事にお尋ねいたします。  知事は平成19年9月定例会において、レジャー利用税について、徴税における全体捕捉性──公平性の課題と、徴税見込み額の比較を行った結果、コストの方が高くなるという見通しとなり、現状ではレジャー利用税導入は困難との見解を唐突に示されましたが、知事は平成18年9月定例会、レジャー利用税に関する答弁で、「レジャー利用と琵琶湖との望ましい関係をどう構築していくかという基本的な課題のもと、レジャー利用税を含め、利用者の望ましい費用負担のあり方について、多くの県民の皆さんに関心を持っていただきながら、幅広く議論していきたいと考えております。具体的には、今年度の琵琶湖レジャー利用適正化審議会において基本計画の見直しの議論をいただいていることから、そこでの議論を踏まえながら、来年度、琵琶湖レジャー利用適正化審議会の中に、関係の専門家などから成る部会を設置したいと考えております」とお答えになっておられます。  こうした経緯もあり、また、知事は利用税導入の検討をマニフェストで約束されていましたが、本当にどこまで検討したのか、その具体的な手続と検討結果を公表するべしと考えますが、いかがでしょうか。  琵琶湖の適正利用への政策展開について、続けて知事に質問いたします。  今の琵琶湖レジャー利用の中で、特に水上バイクについては、琵琶湖水への汚濁の負荷、騒音問題、水上安全問題、行政コストの負担といった問題があるということは、多くの県民の共通認識であり、条例を最初から守るつもりのない人が横着を決め込んでいるものと思える現況を考えると、実効性に大きな疑問を持つレジャー利用適正化条例の早期の改正が必要であると思います。ヨットやカヌーなどの、石油エネルギーを使わない、水質負荷や騒音がほとんどない船については利用可能とすること、また、なりわいとしての漁業者の漁船は例外的に認める必要があるでしょうが、温暖化問題への対応という面からも、石油をばらまくレジャーについては縮小すべきと考えますが、いかがでしょうか。条例改正につき、一刻も早い取り組みが望まれます。  無秩序なレジャー利用を厳しく規制し、静かな琵琶湖を取り戻すというマニフェストの本来の目的に沿った施策の展開が必要ではないかと、悩める琵琶湖を見ながら、つくづく思います。  嘉田知事の就任の平成18年7月県議会定例会知事提案説明において、「実現に向けて重要なのは、できるかできないかではなく、やるかやらないかです。やるかやらないかという主体的な意思と、その意思を実現するための合理的で共感的な戦略。真っすぐに、そしてしなやかに、私自身、県政に取り組ませていただきたいと考えております」との決意の披瀝がありました。何よりも、だれよりも琵琶湖に詳しい知識と愛情を注がれる知事に、県民の大きな期待と将来の琵琶湖がかかっています。問題も抵抗もさらに厳しいとは存じますが、決意新たに臨まれることを願い、御所見を伺うものでございます。よろしくお願いいたします。 ○議長(出原逸三君) 5番西村久子さんの質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)皆さんおはようございます。堅田高校の皆さん、ようこそ議会にお越しくださいました。皆さんの目の前に広がる琵琶湖で今どのようなことが起きているか、西村議員の御質問がございました。その中で、レジャー利用税について、2点の御質問にお答えさせていただきます。  レジャー利用税について、どこまで検討したのか、その具体的な手続と検討結果を公表すべきと考えるが、いかがかとの御質問でございます。  琵琶湖レジャー利用税につきましては、特に環境への負荷が大きいと考えられるエンジンつきプレジャーボートについて一定の費用負担をお願いし、その収入を琵琶湖の保全活動に役立てたいと考え、マニフェストに盛り込んだものでございます。  これまで琵琶湖レジャー利用税を含め、利用者の望ましい費用負担のあり方については、徴収対象の把握、徴収システムおよび徴収コストなど、諸外国の事例などを含めて、さまざまな角度から検討を進めてきたところでございます。琵琶湖レジャー利用税導入の課題の中でも、プレジャーボート、特に水上オートバイが広大な琵琶湖のほとんどどこからでも発着できるという問題については、課税客体の把握が困難という、税制度の根幹にかかわる課題を抱えております。この解決には、法制度、施設面など種々の環境整備が必要となることから、相当の期間を要するものと思っております。また、ボートの登録など、県独自で、自治体独自で対応できない、国との関係もございます。  そのような中で、現状では税方式で負担を求めていくことは技術的にも難しい状況にありまして、このことを9月議会でお知らせさせていただいたところでございます。したがって、今のところ、必ずしも税方式にこだわらず、利用者の望ましい費用負担のあり方という原点に帰り、幅広い視点から、海外における先進事例の調査を行うとともに、徴収対象の把握や発着場所の特定化の可能性等について、琵琶湖の実態に即した具体的な検討を行っているところでございます。  これまでの検討内容の全体につきましては、11月16日、琵琶湖レジャー利用適正化審議会において、公開の場で説明し、議論していただいたところでございます。また、これに先立ちまして、11月9日の県議会常任委員会には私も出席して報告をさせていただいたところでございます。  穏やかな琵琶湖を取り戻し、レジャー利用秩序の徹底に向けて、今後とも一層の努力を行っていきたいと考えております。  2点目の御質問ですが、無秩序なレジャー利用を厳しく規制し、静かな琵琶湖を取り戻し、条例に実効性を持たせるため、早期の条例改正への取り組みが必要ではないかとの御質問でございます。  琵琶湖でレジャーを楽しんでいただく場合は、まず、琵琶湖の自然の持つ奥深さに対する畏敬の念を忘れずに、その価値を認識していただきたいと考えております。400万年の自然の歴史を持ち、今の形になってもう40万年、人が住み始めて2万年、悠久の歴史の中にある琵琶湖でございます。そのような背景を考えながら、具体的には、地域住民の皆さんの生活環境に影響を及ぼさないことはもちろん、生態系や水質への影響を最小限にとどめ、そして何よりも人命の事故などない安全なレジャーを楽しんでいただくことが基本でございます。  こうした観点から、琵琶湖レジャー利用適正化条例では、プレジャーボートの利用に対して、騒音から人々の生活環境を守るために、航行規制水域を定め、違反行為の取り締まりを実施するとともに、水質への負荷の軽減を図るために、従来型の2サイクルエンジンの使用禁止を来年4月から本格的に実施することとしております。  一方、水上安全条例を定め、水上オートバイの利用に対しましては、琵琶湖水上オートバイ安全講習の受講を義務づけるとともに、プレジャーボートの危険行為に対して警察とともに厳しく取り締まるなど、湖上における安全性の確保に努めているところでございますが、議員御指摘のように、プレジャーボートの利用者の中には、一部、こうした条例の規定を守らず、悪質な行為を繰り返す不心得な者がいることも事実でございます。  このような問題のある行為に対しましては、これらの制度に基づいて、県、警察が一体となり、合同取り締まりや指導、監視を継続して実施してきておりますが、今後とも、航行規制水域の拡大などを含め、制度の実効性を高めるとともに、制度のあり方についても改善を検討していくところでございます。  私たちにとってだけではなく、次の世代にとっても、かけがえのない琵琶湖、その本来の価値「もったい」を壊してはいけません。強い意志で、そして、皆さんの御協力のもと、レジャー利用適正化の執行に向けて努力をさせていただきたいと考えております。 ◎琵琶湖環境部長(山仲善彰君) (登壇)琵琶湖の抱える問題についての御質問のうち、4点についてお答えいたします。  まず、琵琶湖北湖の深層部の低酸素状態についての御質問にお答えいたします。  ことし、湖心部の底層の酸素濃度が低い値を示した原因は、直接には、暖冬により上下が循環する時期がおくれ、循環する期間も短かったことによるものと考えております。しかし、全循環が起こるメカニズムは、まだ不明な点が多いことから、実態を把握するため、調査地点と調査回数をふやして詳細な調査を行っているところです。これらの結果を解析するとともに、海外の湖沼の事例の研究など、知見を収集し、メカニズム解明に取り組むこととしており、琵琶湖・環境科学研究センターの課題の主要なものと位置づけております。その結果については、県民の皆さんに逐次わかりやすくお伝えしていきたいと考えております。  さて、12月3日から6日にかけて、琵琶湖・環境科学研究センターが実施した、北湖の水深約90メートル付近の湖底の調査において撮影した1,900枚の画像のうち、イサザと思われる魚が58個体写っており、このうち42個体が異常と見られ、また、エビ類にも同様の異常が見られたため、12月7日に、この調査によって得られた情報を県として公表したところでございます。  なお、湖底での魚の大量死や低酸素化の影響などの報道も見受けられますが、魚の死亡数につきましては、取材を受けた研究員が、その原因を低酸素化によるものと仮定した上で、その影響が及んでいる範囲を想定して推計したものです。公表の際には、漁業者にも問い合わせておりますが、異常情報は寄せられていないことを確認しており、県として、今回の現象がどの程度に範囲に及んでいるのか、また、低酸素化との関係がどうなのかなど、現時点では明らかな判断をいたしておりません。  このため、琵琶湖・環境科学研究センターでは、原因の把握に向けて、取得したすべてのデータの解析を行うとともに、昨日には、調査船に装備している撮影カメラと採取器によって湖底の撮影および魚の採取を行ったところであり、1月には底引き網による底生生物の採取など、追加調査を実施する予定であり、それらの結果を踏まえて見解を早急にまとめ、公表したいと考えております。  次に、低酸素化への対応策についてですが、これまでも申し上げていますとおり、琵琶湖の深層に酸素を供給する全循環のメカニズムにはまだ不明な点が多いことから、現時点で対応策をお示しすることはできませんが、深層での酸素の消費は、表層で増殖したプランクトンが深層に沈降して分解することよって生ずることから、基本的な対策としましては、県民挙げての富栄養化の防止の一層の推進にあると考えており、温暖化対策とあわせてこれまで進めてきた負荷削減の取り組みを一層進めてまいりたいと考えております。  次に、ヨシ群落の再生についての御質問にお答えいたします。  琵琶湖のヨシ群落は、御指摘いただきましたように、湖国の風景の重要な要素となっているのみならず、野鳥を初めとする、さまざまな野生生物の生息場所としての役割を果たしており、コイやフナなどの魚類の産卵や繁殖の場所としての重要な役割も担っております。また、湖岸の侵食防止や湖辺の水質保全にも役立つなど多面的な機能を果たしております。  しかしながら、琵琶湖のヨシ群落は、干拓、埋め立て、湖岸堤の整備等の結果、昭和30年代と比べて著しく減少し、その面積は現在では半減している状況であります。  このため、県といたしましては、ヨシ群落が持つさまざまな機能に着目して、平成4年にヨシ群落保全条例を制定し、かつてのヨシ群落の復活を目指して、ヨシを守る、ヨシを育てる、ヨシを活用するという3つの柱で、総合的なヨシ群落の保全、再生の取り組みを進めてきたところであります。  ヨシ群落の再生の場所、方法といたしましては、コンクリート、矢板等の人工湖岸や、魚類の繁殖が見込まれる湖岸において、土どめ工や保護さくによってヨシが生育できる地盤を造成し、県内産のヨシ苗を植栽しております。条例制定後これまでに、水産部局では、長浜市安養寺、草津市下笠等において、フナ等の産卵生態や産卵期の琵琶湖の水位操作にも配慮して、18.0ヘクタール、また、河川部局では、守山市木浜等において2.3ヘクタールを植栽しており、ヨシが順調に生育していることを確認しております。  また、水産部局が造成したヨシ群落では、フナ類の産卵状況を調査し、1ヘクタール当たり約1億粒以上のフナ類の産卵を確認するなど、魚類の産卵・繁殖場として機能していることを確認しております。  私どもの琵琶湖環境部では、かつて豊かなヨシ群落が広がっていた長浜市川道、南浜等におきまして、環境の変化により次第にヨシ群落がやせ衰えてきていることから、そだと間伐材等でつくった消波堤や木ぐいの突堤を設置し、地盤となる砂の移動を抑制して、ヨシが持っている、みずから伸びる力を引き出すという自然再生の手法でヨシ群落の復活を図っております。この事業は、専門家やNPO、各種団体等で構成した再生協議会で検討していただき、平成17年度から6年間の計画で実施しております。その成果が明らかになるには、いま少し時間が必要なため、ヨシ群落の成長をモニタリングしながら進めております。  これらの事業を通じてヨシ群落の再生に向けた取り組みを進めていきたいと考えております。  次に、釣り上げた外来魚の処理等についてお答えいたします。  まず、釣り上げた外来魚の処理としては、大きく分けて3つのパターンがあります。1つは、県の設置した外来魚回収ボックスや回収生けすにより県が回収を行っているものです。昨年度は約35トンの回収を行いました。2つ目としては、釣り人が独自に持ち帰って処分されているものがございます。3つ目には、残念なことではありますが、釣り人によってリリースされているものも、いまだにあります。こういった方に対しましては、県として引き続き、ノーリリースに御協力いただけるよう積極的に働きかけを進めているところであります。  次に、保管施設における外来魚の回収についてでございます。  現在、プレジャーボートの利用の適正化の推進に関する協定については、県内のマリーナなどの保管施設48施設と協定を締結しております。この協定は、環境対策型エンジンへの転換促進策の一環として実施しているものであり、保管施設には、外来魚の回収までは義務づけておりません。このため、これらの施設の多くでは外来魚回収施設などは設置されておりません。ただし、保管施設は釣り人と接する機会が多いことから、リリース禁止に関するパンフレット等によって釣り人への働きかけを積極的に行うよう、協力を求めているところでございます。  最後に、湖岸の車両乗り入れ対策についてお答えいたします。  琵琶湖岸には、直接車両の進入が可能な場所が約300カ所確認されており、このうち、マリーナ等が管理している場所が75カ所、漁港、船だまりなどが約50カ所、その他の約170カ所は自由に進入できる状況となっております。琵琶湖は元来、自由な使用が原則でございますが、自由に進入することが可能な地域でも、利用者に対するマナーアップの働きかけを中心に進めてきており、今後もその取り組みを一層促進したいと考えております。  具体的な取り組みといたしましては、毎年マナーアップキャンペーンを実施するとともに、年間を通じて約60名の琵琶湖レジャー利用監視員が活動しており、こうした取り組みによって、琵琶湖やその周辺水域の利用者に琵琶湖ルールの遵守、湖岸の適正利用、ごみの持ち帰りといったマナーアップの呼びかけを行っております。今後の状況を見て、マリーナだけでは対応できない箇所については、県として必要に応じて管理する方向で進めていきたいと考えております。 ◎農政水産部長(但馬甚一君) (登壇)外来魚駆除についての御質問のうち、まず、外来魚駆除事業の効果の評価についてお答えいたします。  オオクチバスやブルーギルといった外来魚は、その食害によりまして琵琶湖の水産資源を大きく減少させるとともに、生態系に大きなひずみを生じさせる原因となっております。このため、平成14年度から外来魚の駆除事業を強化し、翌年度からは有害外来魚ゼロ作戦事業として、一層積極的な事業展開に努めてきたところでございます。  この事業では、平成14年度から18年度までの間に、毎年408トンから521トンの外来魚を駆除してまいりました。さらにオオクチバスの稚魚を、たも網すくいで、毎年317万尾から1,430万尾駆除しておりまして、これは親魚となる4歳魚に換算いたしますと、47トンから211トンに相当いたします。こうした駆除事業の結果、平成14年春に約3,000トンと推定しておりました外来魚の生息量は、駆除量と捕獲魚の体長組成から資源学的に解析しましたところ、ことしの春には約1,600トンまで減少していると推定しております。  また、在来種の状況についてでありますが、例えばスジエビの漁獲量は、ブルーギルの影響が顕著になってきた平成5年以前は600トン以上ありましたが、駆除事業を強化する前年の平成13年には167トンと、大きく減少いたしました。しかし、近年では増加に転じ、平成17年統計では285トンとなっております。スジエビは、生後1年という短い期間で繁殖できるため、外来魚の減少に伴い、いち早く資源が回復に転じてきたものと考えております。  また、最近、漁業者の方々からも、ニゴロブナやホンモロコ、イサザもとれ出したと、うれしい話を伺っており、今後、在来種の漁獲量は順次回復していくものと期待しているところでございます。  次に、新たな外来魚駆除技術についてであります。  オオクチバスの生態の特徴である大型の雄ほど縄張りを持ちやすく、卵や、ふ化した稚魚を一定期間保護するという性質を利用しまして、大型の雄に避妊手術を施すことで他の雄の繁殖への参加を抑制し、産んだ卵を無効にできることを水産試験場で確認しております。しかしながら、このような手法や、議員御指摘の遺伝子組み換えなどの新たな技術は、外来魚の生息量が一定水準以下にまで減少した時点で効果があらわれること、また、天然水域での利用は、なお技術的にも難しいことなど、慎重に行う必要があろうと思います。  したがいまして、現時点では、外来魚駆除を推進し、生息量を減少させることが重要であると考えております。こうしたことから、外来魚の効率的な駆除方法として、遮光かご網やビームトロール網による捕獲技術を開発いたしまして、駆除現場に導入してまいりました。さらに、最近では外来魚は冬季に暖かい水に集まることがわかってまいりましたので、現在、温排水が琵琶湖へ流入する水域を調査フィールドといたしまして、外来魚を集めて駆除する技術の確立に努めております。  今後も、現在実施中の駆除事業に着実に取り組んでいきますとともに、効率的な駆除技術の開発を進め、在来魚介類のにぎわう琵琶湖を取り戻して、水産業の振興に努めてまいりたいと考えております。 ◎土木交通部長(吉岡淳君) (登壇)次に、愛知川の伏流水について、御質問にお答えいたします。  まず、1点目の愛知川伏流水の枯渇の原因でございます。  愛知川につきましては、河川改修工事を進めるに当たっては、近隣集落が伏流水を取水しておられる井(ゆ)に対しまして影響がないように、みお筋を下げずに、掘削を行わずに、河道の拡幅によりまして河川の断面を確保するようにしております。また、この工事によります影響把握のため、月1回の井の水道調査を実施しております。例えば、伏流水を取水している井の一つに湯の花井がございますが、これの調査結果について、工事着手前の平成14年度から工事後の平成18年度までの湧水量を年度平均で見ますと、ほとんど変化がございませず、改良工事の影響は見られておりません。なお、調査結果を月ごとに見ますと、水量にばらつきがございます。4月から6月の雨量が少なかった平成17年6月については湧水量が最も少ないという結果となっております。  このように、伏流水の湧水量は気象にも大きく左右されますし、愛知川のように水利用が発達した川では、その利用状況も伏流水の水量に大きく影響しているものと推測されます。そういう意味で、これが枯渇の原因と特定することは困難であろうと考えております。  次に、2点目の伏流水の再生についてでございますが、河川の環境を形成する要素として、伏流水を含めた流水量の重要性を認識しているところでございます。将来にわたり動植物の生息・生育環境が保全されること、このような環境の保全とあわせて、健全な河川水の利用および治水をセットで考えることが、河川管理者としてのこれからの方向であろうと考えております。  愛知川につきましては、今後も継続的に調査を続けながら方向性を探ってまいりたいと考えております。 ◆5番(西村久子さん) (登壇)御答弁ありがとうございました。それでは、若干の感想を述べながら、最後に、知事に再質問をさせていただきたいと思います。  琵琶湖の湖底の低酸素化ですけれども、今、御答弁いただきました。よく理解させていただいたところでございます。でも、毎日のように、どこかがそれを取り上げている状況が現実でございます。人に危機感をあおるというのではなくて、関心を持ってもらえる機会として、それを利用し、県民の一人一人が何ができるか、琵琶湖にとってどういうことができるかといったようなところまで結びつけていくことが、ひいてはこういった問題の解消に向けても大きな力を発揮するものと思っております。御苦労なことでございますけれども、今後とも研究に力を入れていただき、また、御努力いただくことをお願いいたしたいと思います。  外来魚についてお話をさせていただきたいと思います。  我々の知らないところでたくさんの方が苦労して、いろいろな条例を決めていただきました。ちまたにブラックバスあるいはブルーギルがいっぱいとれるようになって、子供たちが、とれるとれると喜んでいたのもつかの間で、本当に自分たちが大事にしてきた小さな魚が周りから姿を消してしまった。何とかもう一度もとに戻したい。そんな願いのもとに、いろいろな取り組みが今日行われております。最後の一匹まで釣り上げたい、そんな思いなのですけれども、そのリリース禁止の部分におきまして、マリーナ、いわゆる琵琶湖に入る人たちが釣り上げたものはやはり入り口でもう一度、帰ってくる船から回収するというのは、いかにも有効な手段だと思うのです。それを徹底することも、効果を上げる上で大事なことではないか、そのように思っているところでございます。  琵琶湖から外来魚を減らし続けるためには、この釣り客の協力はぜひとも必要であると思う。進入口、いわゆる入り口で、その日釣った外来魚を回収することは、駆除に向け有効な方法であることは間違いないと思っておりますし、ブラックバスやブルーギル、皆さんは釣れるから遊びに来られるのです。船に乗って、ボートを浮かべて楽しんでおられるのです。だったら、釣った外来魚はしっかりと琵琶湖から持ち出してほしい。それが願いなのです。それも、管理業者に量を割り当てて回収するくらいの責務を負っていただきたいと私は思っているのですけれども、ただいまのお答えによりますと、条例の内容はそのようにはなっていないということでございました。  琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例には第5条に、関係事業者の責務として、レジャー活動に伴う琵琶湖の環境への負荷の低減を図るため、レジャー利用者に対する情報の提供その他の必要な措置を講ずるように努めなければならない。そこまではわかるのです。その次に、関係事業者の責務として、県が実施する琵琶湖におけるレジャー活動に伴う環境への負荷の低減に関する施策に協力しなければならないとなっております。協力しなければならない、その部分に該当するのではないかと私は思うのですけれども、残念ながら、答弁からうかがうと、そうした責務のかけられない条例であることを問題として私は指摘しておきたいと思います。  次に、レジャー利用税あるいは適正利用への施策展開について、これは知事に再質問させていただきたいと思います。  レジャー利用税については、さきの9月定例会で質問された、その答弁におきまして現時点では困難ということで、いともあっさりと、あきらめてしまわれたのか、そのような思いで聞かせていただいておりましたので、今回再び取り上げさせていただいたところでございます。  琵琶湖に遊びに来られる方は、ほとんどが他府県の方でありますし、私たちがどこに遊びに行っても、車をとめたら駐車料金を、あるいは施設に入れば、その入場料を、そして何々を使えば利用料をと払っていますし、それは至極当然なことであると思っております。その場所が琵琶湖であっても、該当しないというのはどういうことなのだろうか。税であっても利用料であっても応分の負担は当然あってもよいと思うのです。  先日来、各方面から、また議会でも、財政構造改革プログラムについて非難ごうごうです。弱者切り捨て、マニフェスト違反、絶対許せないとみんな言いたいし、私も言いたい思いは同じです。でも、ないそでは振れないというのも現実ではないかと思うのです。そんな場合に、嘉田知事が一番重要と位置づけた次世代育成医療費助成の削減とか、不安きわまりない琵琶湖の状況を調査する重要な研究費の削減、さらには、マニフェストをみずから否定せざるを得ないような現実は、知事にとって心張り裂ける思いであろうと思います。  ならば、財を生み出す──お金を生み出す、そういう努力をお願いしたいし、選挙の前から、この税について、湖面利用税といったもののような話はありました。絶対無理だという話も聞いてまいりました。しかし、琵琶湖レジャー利用税は、知事が提示されたマニフェスト、琵琶湖レジャー利用適正化審議会なり部会に諮問されていると思うのですけれども、広大な琵琶湖で納税者の特定が困難であるか、それから、徴税コストの低減だとか、レジャー利用と琵琶湖との望ましい関係をどう構築するかと多種多様な課題のあることは承知しますが、知事御自身は出されていないのであろうか、そのように思います。  新幹線新駅問題について、知事みずから、到底覆すことが困難とみんな思った、その課題に、解決に向け先頭に立って奮闘されてまいりました。マニフェストに提示することは、即、みずからの主張を実現することへの本人の努力、参画、そういった努力がなくてはなし得ないことだと思います。御自身がどれほどかかわってこられたのか、お伺いしたいと思いますし、これからもかかわってやっていただきたいと願うものです。  嘉田知事には頑張っていただきたい。何よりも、応援した多くの県民がいるし、そして、有能な県の職員さんが多数おいででございます。総務省や、また、頼れるすべての機関の指導を得ながら、提案を求められて成就させていただくことを期待するものです。利用税、あわせて政策展開について再度所見を求めて、質問を終わります。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)レジャー利用税あるいはそれを取り囲みます琵琶湖レジャー利用のあり方、負担のあり方についての覚悟に対する所見という御質問でございます。  私がそもそもこの利用税という名称で提案をさせていただきましたのは、先ほど申し上げましたように、琵琶湖が大変価値を持っている。それは、経済価値だけではなくて、自然の価値、文化の価値を持っている。その価値を行政として維持していくためには、何らかのコストが必要である。そのコストについては、琵琶湖の価値を享受する皆さんに何らかの負担をしていただくのが現代社会での筋道であるだろうという思いから、このレジャー利用税を提案させていただいたところでございます。  特に、諸外国──ヨーロッパ、アメリカの湖沼を研究してきた立場から、多くのアメリカ、ヨーロッパの湖では、個別の方法ではありますが、レジャー利用をする上での受益者負担がきっちりと法制化されている地域が大変多くございます。そのような海外の事例を学びながら、琵琶湖に対しても何らかの利用者の負担の仕組みができないかと考えたのが、このマニフェストでの提案でございます。  ただ、これまでの経過の中で、税ということになりますと、利用そのものを根本からお金によって保障することになります。逆に、利用料ということになりますと、利用そのものというよりは、一回一回の行為に対する負担ということになります。そのようなところから、利用税という仕組みの意味、また、実は日本の場合にプレジャーボートの管理が──登録が自治体でできないというような事情もございます。それと、先ほど来申し上げておりますアクセスポイントの数の多さ。そのところから、今、検討して、かなり困難であると考えているところでございますが、もともと申し上げておりますマニフェストでの本来の政策目標であります、静かな琵琶湖を取り戻し、そして、利用料という観点から受益者の負担をいただくという方向については、今後とも強い意思を持って検討していきたいと考えております。 ○議長(出原逸三君) 以上で、5番西村久子さんの質問を終了いたします。  次に、28番山田和廣君の発言を許します。 ◆28番(山田和廣君) (登壇、拍手)皆さんおはようございます。自由民主党・湖翔クラブの山田和廣でございます。ただいま議長から発言のお許しをいただきましたので、発言通告に従いまして質問をさせていただきます。  まず、質問に先立ちまして、先月の10日から11日にかけて開催されました第27回全国豊かな海づくり大会におきまして、天皇皇后両陛下の御臨席を賜り、盛会のうちに大会を終えられたことに対しまして、漁業関係者を初め、県民の皆様、関係者の皆様の御尽力に敬意を表するところでございます。両陛下には13年ぶりに御来県いただき、本大会の後、11月13日まで、環境や産業などを御視察いただき、県民を初め、関係者にこの上ない励ましのお言葉をいただいたことは、本県の議員として喜びにたえないところであります。今後は、さらに活力あふれた湖国づくりに一層精進したいと心を新たにしたところであります。  少し前置きが長くなりましたが、それでは質問に入らせていただきます。  さきの臨時会において報第11号としまして、滋賀県基本構想の策定状況について報告がございました。この基本構想は、県行政の総合的な推進のための指針であり、本県の今後の進むべき姿を明らかにした、非常に重要なものであります。ところが、現在の本県の財政状況は、平成10年度以来、たび重なる財政構造改革を行ってきたにもかかわらず、依然として巨額の財源不足が生じてきております。さらにまた、国の歳出・歳入一体改革で地方の一般歳出の削減方針が示され、地方税や地方交付税を合わせた地方の一般財源が抑制されるなど、今後も大変厳しい状況が続くのではないかと考えられているところであります。現在と同様の県行政を続ければ、平成20年度で約400億円、平成21年度で約460億円、そして平成22年度に約450億円の財源不足額を生じることが予想されるとお聞きしておりますが、事態はまことに憂慮すべき状況であると心配いたしております。  さて、今回、一般質問に関し発言通告をいたしました、公共事業に係る入札残の取り扱いにつきましては、このような本県の財政事情をかんがみて、事業の徹底的な見直しによる縮小、廃止もやむを得ないものもありますが、実は、隠れた部分で知恵を働かすことがもっとあるのではないかという一例を申し上げたかったからであります。  本県においても、国庫補助を受けながら多くの事業を実施していただいているところでありますが、この補助事業においては、国から交付決定を受けた金額は何が何でも全額執行するという風潮があるようでございまして、入札執行により、その残額が生じましても、経費の削減に努めることなく100%執行を図るべく追加発注をしているとお聞きしております。国庫補助金を返すことへの抵抗なり、予算執行の関係で国の方から執行してほしいとの要請があってのことと推測しておりますが、本来、最初に入札を行いました発注で、当初の事業目的が達成されているわけでありまして、入札残額分で追加発注を行わず、補正予算を編成して歳出予算を減額する、あるいは執行残額として繰越財源とする、このいずれかの手法をとることで、残ったこの予算は次年度以降の余裕財源として活用できるのではないかと考えるところであります。  国庫補助事業と申しましても、100%補助でなく半分程度の県単独費をつぎ込んでいるところでありますことから、これこそが、知事が常々申されているところの「もったいない」に当たるところではないかと考えるところであります。  そこで、まず、国庫補助事業における100%執行に対する考え方なり、現状を、土木交通部長にお聞きするものであります。 ○議長(出原逸三君) 28番山田和廣君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎土木交通部長(吉岡淳君) (登壇)国庫補助事業における100%執行に対する考え方、現状はどうかという御質問でございますが、公共事業につきましては、毎年度、限られた補助事業予算の制約の中で、緊急度、優先度等を見きわめ、効果的な事業執行に努めているところでございます。各工事の発注におきまして入札残額が生じた場合には、事業効果の早期の発現を図るべく、後年度実施することといたしておりました工事を前倒しして執行することとしております。 ◆28番(山田和廣君) (登壇)次に、土木交通部の昨年度の入札による発注金額の合計はどれくらいになるのか、入札による落札率と差額合計はどれくらいの金額になるのか、土木交通部長にお尋ねいたします。 ◎土木交通部長(吉岡淳君) 昨年度の入札によります発注金額の合計はどのくらいになるのか、入札による落札率と差額合計はどのくらいの金額になるのかとのお問い合わせでございます。  所管事業における昨年度の入札によります発注金額、落札率につきましては、これは集計の都合上、土木交通部および琵琶湖環境部下水道課の発注に係るものについてお答えをさせていただきたいわけでございますが、そのうちの250万円以上の土木工事の状況についてお答えをさせていただきます。  入札発注に係る予定価格の合計につきましては約262億7,000万円、これに係ります当初契約金額の合計は約215億5,000万円でございまして、その差額は約47億2,000万円、落札率は約82%でございます。 ◆28番(山田和廣君) (登壇)ありがとうございます。今、部長から御答弁をいただきました金額に関しましては、下水道課と琵琶湖環境部、土木交通部、その3つということでございまして、47億円の残額があるということでございます。しかし、他の各部局も合わせますと、相当な金額になると思われます。  私は、この金額に関しましては、補助率の、部長答弁のように、100%執行の場合、すべてが必要のない事業までやっているとは申しませんし、むしろ事業の前倒しを行うことで早期完成が図れる事業もあると思います。県民サービスにつながるわけでございます。また、事業のグレード等、先ほどそのような答弁はなかったわけですが、地域によれば、やはりグレードのアップ、より快適で安全な県民生活を送る、そのような整備というメリットがあると思うのですが、ここなのです。しかしながら、必ずしもそうとは言い切れない事業もあるのではないでしょうか。  仮にそうだとすると、まさに補助裏の県支出分として執行した予算は、知事の言われる「もったいない」の一言に尽きると思われます。いかがでしょう、知事。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)補助事業の100%執行の場合、事業の前倒しによる早期完成あるいはグレードを上げることによるメリットもあるが、必ずしもそうでもない事業もあるのではないか、補助裏の県支出分として執行した予算は「もったいない」の一言に尽きる。今は少しでも歳出削減に努めるべきではないかとの御質問でございます。  この財政難の中で、財源を生み出す方法の御提案をいただきましたこと、大変ありがたく思います。そのような中で、先ほどの土木交通部長の答弁にもありましたが、国庫補助事業の執行に当たりましては、その優先度、必要性を大変厳しく見きわめながら事業執行しているところでございます。また、入札方法につきましても、高どまりにならないような形での入札方法をこれまで研究、検討、実施してきたところでございます。  そのような中で、入札残高が生じた場合、地元の必要に応じて出されてきております、緊急度の高い工事につきまして前倒しをして執行していただいているところでございます。  事実、限られた予算の中で、県民の皆さんから要望のある事業のすべてに現在おこたえできておりません。大変強い要望をいただいている事業箇所についても進度調整を図っているのが現状でございます。そうした中で、地域の皆さんに少しでも早く事業の効果を実感していただけるよう、事業の進捗を図っているところでございます。  このような場合、議員が御指摘の、「もったいない」と言えるような、事業のグレードを上げて執行するということはない。そのようなことがあった場合、私自身もしっかりと見きわめていきたいと考えているところでございます。 ◆28番(山田和廣君) (登壇)今、知事の答弁をいただきましたが、私は先ほどの質問では、「もったいない」の一言ということで知事に質問したのですが、ちょっと答弁の方が、数多くの答弁をいただきまして、歳出削減等も、今、答弁でいただいたようでございますが、私が知事に一言言いたいのは、今回の財政構造改革プログラムでの削減について、大変苦労されております。そのような中で、官僚の答弁ではなく、やはりあの苦しい選挙を戦い抜き、今、知事の立場におられて、そこで財政構造改革に取り組んだ。そのような中、本当に「もったいない」という気持ちの中の答弁とは少し離れているように思いましたので、官僚の答弁になっていたように思いますので、今のうわさを少し申し添え、知事にもう一言質問させていただきます。
     新たな財政構造改革プログラムを見てみますと、イメージとして、昔の悪代官が城を建てるという名目で民百姓から厳しい年貢を取り立て、あとは知らないと言っているように思う。また、新たな財政構造改革のもう一つ私に入っているうわさのイメージでございますが、子供がかつおぶしを削っているようで、だしもとらずに、ただ削るばかり。そのようなうわさも入ってきております。  そこで、知事は新たな財政構造改革プログラムの策定の中で、人の力、自然の力、地と知の力の発揮を未来を拓く戦略として政策展開を図ることとしていると言っておられますが、具体的に、これは代表質問から昨日の一般質問の答弁で何回もお聞きしておりますが、この3つの戦略について、具体的にわかりやすく御説明をお願い申し上げます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)悪代官が民百姓から税を集め城をつくるというイメージをお話しくださいましたが、今回の財政構造改革プログラムは、つくるべき城は目に見えるものではなく、逆に、皆さんの未来の力を補強し、そして未来に対して滋賀県の財政の仕組み、また、県政という本体を持続的に続けていけるような仕組みを提案させていただいているところでございます。その中で基本戦略として、基本構想では、人の力、自然の力、地と知の力をいかにつけるかというところで出させていただいているわけでございます。  具体的には、家をつくる、あるいは、さまざまな目に見えるものをつくるにも、ものをつくる結果を出す、根源的な、潜在的な力をつけよう、そのような提案をさせていただいているわけでございます。ですから、具体的に、このお城をつくる、あるいはこの建物をつくるではなく、それをつくる人の力、デザイン力、そして知恵、また、そこにおける人と人の力を組み合わせる。それを人の力の中で入れさせていただき、しかも、自然が持っている本来の力、太陽、水、生き物、そのようなものは、私たちの暮らし、経済の根本にあるわけでございます。それもあわせて強化しながら、損なわない。自然の力を損なわない。さらに、壊されている場合には再生するという柱をつくらせていただいているわけでございます。  地と知の力については、滋賀県の交通利便性、滋賀県が歴史的に蓄積してきた文化、あるいは、近年の学術的な力、そのようなものを滋賀県が本来はぐくみ、蓄積し、そして、地元にあるものをしっかりと見据えながら、それを産業あるいは地域の未来づくりに提案しようというものでございます。具体のところは、戦略項目として、これから事業を示させていただくことになりますけれども、その基本の柱が、私たちが持っているものを生かさないともったいないという考え方でございます。  悪代官と言われるのは大変つらいところでございますが、皆さんの御理解と御協力の中で、次の世代に対して、いかに責任のある、財政破綻を招かない財政再建をするかということは、執行部、議会ともどもに取り組んでいただけたらと思っているところでございます。 ○議長(出原逸三君) 発言者に申し上げます。ただいまの質問は発言通告にない質問項目であり、質問項目に沿っての発言をお願いします。 ◆28番(山田和廣君) (登壇)知事の答弁で、この3つの戦略が柱ということを、今、答弁いただいたわけでございますが、私が思いますに、知事、例えば、人の力、自然の力、これが2つです。3つ目に、地と知の力とありますが、答弁で、大地というような話もありました。これは自然の中の一つに入りますし、人の力というのは知とも言えますし、その辺の柱が重なっているような気がいたしました。結構でございます。  次に、今後につきましては、地方にとって使い勝手のよいと言われる交付金化という動きがあるわけでございますが、補助事業において交付決定を受けたものであっても、所期の目的を達したものは容易に補助事業の内容を変換できるように、あるいは、他に必要な事業に用途変更できるように、国に要望活動を行うことが必要ではないでしょうか。こういった全国的な動きなり、また、国の動向なり、本県の思いについて、知事にお尋ねいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)補助金の制度のあり方についての御質問と理解いたしますが、補助金制度は、全国の知事会などでも問題になっておりますように、また、私も県政を預からせていただき、幾つかの課題に直面しております。特に補助金制度の場合、一定の政策目的を達成するために、補助事業者の施策、事業を誘導するという性格を持っておりますので、執行する側にとっては、目的、手段あるいは成果など、いわゆる縦割りの中で制約の多い仕組みとなっております。例えば河川政策、治水政策におきましても、補助ダムは補助河川と横つなぎがなかなかできない。地元としては河川政策、治水政策全体で融通のきく、あるいは地元のニーズ、風土、技術、地域の要望にこたえられる形での選択をしたいわけでございますが、それがなかなかできない。このような現実が確かにございます。それゆえ知事会では、この補助金の仕組みを変えるということを長年要望してきているところでございます。  そのような中で、三位一体の改革以降、地域みずからが考え、行動するという、まさに知事会の主張しております分権の趣旨を踏まえて、地方の自主性、裁量性に配慮された交付金制度が増強されております。例えば排水処理の仕組みについても、国土交通省の下水道、農林水産省の農村下水道、また、環境省の浄化槽などが、地元の実情に応じて選べるような形での交付金などもできております。そのような意味で、本県を初め、全国でこのような方法を活用させていだたくことは大変大事であると思いますし、このような制度が、つまり地方にとって、地元のニーズに沿って使いやすい交付金制度、さらに幅広い事業で活用できるよう、提案を含めて国に要望しているところでございます。 ◆28番(山田和廣君) (登壇)ありがとうございます。  最後になりますが、関連して土木交通部長にお尋ねいたします。  聞くところによりますと、市町村事業である、まちづくり交付金事業では、入札残額が生じても、当該年度には補助の充当率を上げることで国に補助金を返さなくても済み、次年度以降の充当率を操作することで対応が可能になると聞いております。このように、充当率を実施主体が動かせるなど、事業を実施する地方の主体性に任せた補助制度の運用ができるように、国と協議、調整を行っていくことがこれから重要と考えますが、どのようなお考えでしょうか、お尋ねいたします。 ◎土木交通部長(吉岡淳君) お答えいたします。  御指摘のまちづくり交付金は、従来の補助金とは異なりまして、まちづくりの目標に基づいて、複数の事業の一括採択や、市町村の提案事業の採択も可能とされているほか、各事業間の予算の配分や、その進度の調整が地方に任されるなど、自主性、裁量性が大幅に向上した制度になっております。  都道府県の事業におきましても交付金化の動きが顕著になってきております。例えば、平成19年度には地域自立・活性化交付金が創設されましたが、この制度も、まちづくり交付金同様、地方の自主性、裁量性が高いものとなっております。  こうした制度の有効活用も図りながら、限られた予算を最大限有効に活用して、県域内での相乗的な効果、波及効果の高い事業展開を図ってまいりたいと考えております。 ◆28番(山田和廣君) (登壇)ありがとうございました。  現在の本県の台所事情はまことに憂慮すべき状況にあると、心を痛めております。一刻も早く財政の健全性を確保し、弾力性のある安定的な財政基盤を確立する必要があると思っているところであります。  県庁内では、平成20年度予算の編成に知恵を絞っていただいているところかと察しておりますが、知恵は万代の宝と申します。現在は日本全体が健康志向で、休日にはジョギングやトレーニングジムで汗を流す職員の方も多いことと思いますが、知事を初め、執行部の皆さん方には、県庁内ではぜひ知恵の汗を存分にかいていただき、新たな発想で滋賀の未来を切り開いていただきたいと希望するものであります。  以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(出原逸三君) 以上で、28番山田和廣君の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午前11時47分 休憩    ────────────────   午後1時10分 開議 ○議長(出原逸三君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、知事から発言を求められておりますので、これを許します。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)議長のお許しをいただきましたので、一言申し上げさせていただきます。  一般質問1日目の粉川議員に対する私の答弁の中で、造林公社の債務問題の認識について、言葉が足らず、知事就任後に初めて事態を把握したかのような印象を与えましたこと、また、生田議員に対する答弁の中で、発言通告のあり方に関して、私自身が一部誤解をして、議員に対し発言をいたしましたこと、以上2点につきまして、至らぬ点がございましたので、おわび申し上げます。 ○議長(出原逸三君) 今後、こうしたことのないよう、御留意願います。  次に、8番九里学君の発言を許します。 ◆8番(九里学君) (登壇、拍手)12月定例会一般質問3日目、3番目の質問者となりました。どうぞよろしくお願いいたします。  ことしも残すところ20日足らずとなり、年の瀬の慌ただしさがそこはかとなく感じられる季節となりました。今月号の滋賀プラスワンの表紙にも御掲載いただいていますが、次の日曜日には3,000灯のキャンドルがともるフェスティバルや、ペットボトルのリサイクルで大クリスマスツリーをつくるイベントなど、まさに自然循環型趣向を取り入れた、市民、県民手づくりの文化事業が私の地元で催されます。皆さん、よろしければぜひお越しください。  それでは、通告に従い、文化力を生かした地域社会づくりについて質問いたします。  さて、非常事態とも言うべき危機的状態に直面している本県財政において、先般示されました財政収支見通しを少しでも軽減し、厳しい財政状況の立て直しを図り、財源不足への対処をするため、県政経営や県庁力という言葉に示されていますように、県庁内外から県政を改革するという意気込みが伝わるよう、お願いいたします。  そして、1つには、道筋を明確にしつつ、機動的に対応する。1つには、歳入、歳出の両面から大胆に取り組む。1つには、歳入確保のために取り組む。1つには、歳出を見直すといった各対応方針を県みずからが提示されました。その後、新しい行政改革の方針原案をもとに、本会議でも再三出ていますように、11月末には新たな財政構造改革プログラムを各市町に公表され、去る12月10日には、県が本来、対等のパートナーとして連携協力する必要があるはずの、滋賀県市長会や町村会ならびに滋賀県市議会議長会や町村議会議長会から、新たな財政構造改革プログラムに対する内容と実施時期についての再考をとの緊急要望がなされたと、私自身も聞き及んでおります。  そこにいる地域住民の日々の生活に直結する基礎自治体である市町にとって、平成20年度予算編成が始まっているこの時期に、市町の状況なども顧みず、十分な議論がないまま、県がこうした主要事務事業の見直し内容案を急遽示されたことに対し、多くの市町関係者から困惑と憂慮の切実な声をここ数日お聞きしております。  地方分権時代を見据えたこの時期、市町を包括すべき広域自治体としての県のトップである知事は、県民の暮らし感覚に根差した、地理的、文化的なまとまりを背景とした広域的視点から地域の価値を引き出すことで滋賀県域の発展を担っていくことが、地方政府としての県の役割だと、新しい行政改革の方針素案の中でうたわれております。そのことを踏まえ、以下4点について、知事にお尋ねいたします。  まず第1に、改革を進めていく中で、知事自身がパートナーと呼んでおられる市町との関係と役割について、今どのように考えておられますか。知事の所見をまずお伺いいたします。  私は栗東市において、芸術、文化、体育の振興や社会教育行政のほか、人にかかわる業務に約20年間携わってまいりました。その経験の中で、これからの地域づくりのキーワードは、触れ合いやゆとり、安らぎ、真心といった精神的な心の豊かさにあると確信しております。近江八幡市の八幡堀をめぐる保存修景運動や、長浜市の黒壁に代表される中心市街地活性化運動など、そこに住む県民の方々を巻き込んだ元気の息吹を、地域の発想と生活する住民の積極的な参加により起こしてこそ、本来の生活文化の基盤が確立するのではないでしょうか。自立した人間居住の文化的で総合的な環境整備が構築できるのではないかと思います。  第2に、先般、知事答弁で、県内外で高く評価されている、県民の誇りとして定着しつつあり、有効活用したいと存続方針を発表されたびわ湖ホールですが、新たな財政構造改革プログラムの見直しの考え方には、自主事業公演数の減少や、財団法人びわ湖ホールの基金の取り崩し、開館期間の見直しに伴う管理経費の削減により指定管理料を削減するなど、知事の言及と隔たりのある文化施策が今回のプログラムで講じられているように感じられてなりません。  本来、アウトソーシング、いわゆる指定管理者制度は、市場化テストの一環としてびわ湖ホールでも取り入れられましたが、この制度を使って選考するときは、効率性と公共性の両方の視点から指定管理者を選ぶべきだと私は思っております。びわ湖ホールのような芸術・文化施設を初め、体育施設、先般から出ております福祉・教育・医療施設といった、人にかかわる要素の多いこれらの公の施設にこの制度を導入するときは、丁寧に、かつ慎重に時間をかけて選考することが何よりも重要だと思うのです。ゆえに、当然ながら、指定管理が決まった後は、指定管理料の削減や、ましてや開館期間の見直しなどは、そこに働く職員の雇用形態の意味からも緊急的にするべきではないと考えますが、いかがでしょか。  一昨日の一般質問の御答弁にもありますように、これから県民の身近な存在にすると再三知事自身がおっしゃっている、滋賀県の芸術、文化の殿堂、昨日もオペラハウスを超えていると答弁にもありましたように、びわ湖ホールに対する平成22年度までの運営方針についての考え方を、改めてお伺いいたします。  第3には、本県は、歴史、文化、風土に培われた、全国の都道府県の中でも指折りの貴重な文化財あふれる、たぐいまれなる文化県であることは、だれもが認めるところです。本県には、さきのびわ湖ホールやしが県民芸術創造館、陶芸の森など、施設の特性を生かした文化施設が全県にわたりたくさんあります。こうした施設は本来、文化力を生かした地域づくりを行うための基盤施設であり、駐車場など収益性を重視する施設とは一線を画すべきで、当然、その役割も大きく異なります。  県が定めている、県立施設の指定管理者制度導入ガイドラインでは、原則公募となっておりますが、地方自治法では指定管理者の公募についての明記はなく、ゆえに、各地方自治体がそれぞれの施設の役割と県民の要望を踏まえ、適切な指定管理者を選定すべきだと考えています。また、指定期間についても、原則として3年から5年となっていますが、文化施設は長期的に事業を展開する必要があり、スタッフや裏方、ボランティア団体も含め、人と人とのつながりや、学芸・学術的なものも含めた経験が財産だと思います。こうした短い指定管理期間では安定的な管理、運営が行えないのではないでしょうか。  これらの観点から、各施設に関する指定管理者制度については、官か民かの受け入れ先を選ぶ前に、県民がその施設を通じてどんな地域をつくっていきたいのか、そして、どんな地域をともにつくりたいのかを包括的に考え、議論すべきだと思いますが、どうですか。  文化施設に関する指定管理者の選定や指定期間、募集方法や選考方法など、制度そのもののあり方を施設に応じて見直すべきだと考えますが、知事としての所見をお尋ねします。  第4には、県立大学の公立大学法人振興事業費の経費削減や私立学校振興対策費の補助単価のおおむね2割削減のほか、指定文化財保存修理等の補助金の半減や、琵琶湖文化館、荒神山少年自然の家等の休館、県立図書館の業務見直しによる休館日の増加や、安土城郭調査研究所の事業の縮小等、教育・文化関連施設を含めて危機的状況にあると私には思えてなりません。  教育事業費や振興対策費を含め、教育・文化施設は、職員の経験や人的財産が何よりの宝であることは言うまでもありません。教育、福祉、環境、医療、芸術・文化といった、形のない、人にかかわる施設や学校現場こそ、長い時間をかけて多くの県民の理解を得られるものなのです。私は、栗東芸術文化会館さきらや栗東歴史民俗博物館、栗東市民体育館ほかの勤務で、何よりもそのことの重要性を学びました。私以上に、琵琶湖研究所や琵琶湖博物館の長年の勤務で現場業務の大変さと、その施設に対する愛着と重要性を身をもって感じておられるのが嘉田知事自身だと思います。  なのに、さきの財政構造改革プログラムで、これら施設の早急な見直しに手をつけられたのはなぜでしょうか。また、現場で働く職員や利用者、生徒の気持ちを今どのように感じておられますか。率直な思いをお尋ねいたします。  次に、新幹線新駅中止後の南部振興策と区画整理事業処理策について、以下4点について、知事に質問いたします。  さきの京都新聞朝刊11月15日の、コラム「点」の中の「地権者の怒り」を読みました。新駅中止が決まった後も、新幹線新駅問題で取材を続けてきた担当記者が、行政不信そのものは問題だが、そこにはわずかに行政への期待感もある。それがあきらめと失望に変わり、地権者たちが完全に口をつぐむことになれば、もっと恐ろしい気がするとつづっていました。6月定例会の一般質問の再質問でも質したとおり、地権者の方々はもともと愛着のある水田や家屋の移転に伴う土地区画整理事業に協力すべきかどうか、土地区画整理は駅設置の条件の一つであると栗東市などから説明と説得を受けた上で未来図にかけた、迷った末での決断であったことは周知の事実です。10月末まで、あれだけ連日騒いでいたマスコミも、今では徐々に新駅問題に割く紙面の量が少なくなりつつあり、当議会の一般質問でも行財政問題が主たるもので、新駅問題に係る質問はほとんど聞かなくなりました。  私は、滋賀県と栗東市の財政状況に危機感を抱き、栗東市民、滋賀県民のこれからの税負担を危惧し、地元栗東市から、新駅よりも日々の暮らしの安定と充実を公約に選挙戦を戦いました。県や市が今日のような財政難であることの実態をなぜ県民、市民にもっと早く、しかも正確にわかりやすく伝えられなかったのでしょうか。そのことと、新駅凍結は確かな選択であったと将来まで言われることを前提としつつ、なお地元ではまだまだ新駅問題は続いていることの現実を冒頭申し上げ、以下、お伺いいたします。  まず第1に、現在でも仮換地による土地利用制限がある地権者や、自宅が市街化区域に編入されたため、固定資産税が上昇し続けている地権者がおられること、企業や法人の代表者の方々の苦悩の生の声が今もあること。そうした事実の中、新駅建設中止が決まった後、先月11月17日に知事はみずから予定地周辺の土地区画整理事業の地権者代表12人の方々とひざを交えて話し合われました。その場で知事は地権者の方々に、今後の土地区画整理についてどのような説明をされ、それに対し地権者からどんな意見が出て、知事として、それら地権者の思いをどのように受けとめられたのか。また、今後、区画整理事業の対象者となる地権者の方々にどのような対処をされようとしているのか、まずお尋ねします。  第2に、さきの我が会派の田中議員の代表質問や知事の12月所信表明の中で、仮換地指定に伴う土地利用制限や土地区画整理事業の今後の方向性について、県と市の事務レベルでの協議を設定中とのことでしたが、私は再三申し上げているとおり、県と市が譲り合い、歩み寄り、今こそ協力し合えるようなプロジェクト室を栗東市とともに立ち上げ、南部振興策も含めた新しいまちづくりが検討、協議できるような組織体を早急に構築すべきと考えますが、こうしたことも含め、今後の土地区画整理事業に対し、知事としてどのように対処しようとしておられるのか、誠実な答弁をお願いします。  第3には、去る12月6日にJR東海の松本正之社長が、地元自治体から支払われた工事負担金について、仮精算による返還に続き、さらに約6,700万円を地元に追加返還するとのコメントを出されました。また同時に、損害賠償請求も行わないとのコメントも出されました。私としましても、このことは大変ありがたい御発言であると受けとめるわけですが、このコメントを県として知事としてどのように受けとめられますか、お伺いいたします。  また、県にはどれくらいの金額が精算により返還される予定ですか。現時点での見込みをお伺いいたします。  第4には、私は新駅問題は、今後、公共事業をとめた場合のその後の自治体の対応と対策を全国に先駆けた一つの事例になると思っております。先述しましたように、事業着手後、多くの個人や法人が人生を託した事業を転換する決断には、滋賀県としても、そのトップである知事としましても、よほどの覚悟が要ったと思います。地元で、知事同様、凍結を旗印に選挙を戦った私も、知事の心境がわかることだけは申し添えておきます。  しかし、これからが大事です。裁判や選挙だけではなく、時代に即した情報公開、開示のあり方や、重要施策については常設型住民投票や住民参加を取り入れられるような条例を作成するなど、新駅問題を風化させることなく、県としても、大規模な重要施策の進め方ややめ方に関するルールづくりの構築が必要不可欠だと思います。このことについてどのように知事としてお考えですか。前向きな考え方をお聞きし、次の項に移ります。  それでは次に、アール・ディエンジニアリング産業廃棄物最終処分場への滋賀県としての今後の対策について、以下、知事に4点と、琵琶湖環境部長に5点、質問をいたします。  9月県議会定例会では、県としての今後の対応について知事に質問させていただきましたが、この12月定例会では、あえて今後の対策とさせていただきました。ここにおられる皆さんも御承知のとおり、対応とは、互いに向き合うこと、相手のやり方、仕方に応じて事を運ぶこと、進捗することという意味がありますが、対策とは、相手や事件、事象に応じてするべき手段、方法を決する意味があります。あえてこの言葉の持つ重みの違いを申し上げ、そこに住み、生活する人たちの命と生活の質問をさせていただきます。  前回質問させていただきました10月2日以来、2カ月半の時間が経過しました。この間、関係者の皆さんを初め、多くの県民、市民は、平成19年度県政運営の基本方針の中にもあります重点施策の一つ、持続可能な社会への転換に向けての廃棄物の発生抑制への県としての具体的な取り組みと、産業廃棄物問題解決に向けての知事としての現場でのリーダーシップに熱い期待を寄せてきました。また、現在の厳しい財政環境におかれましても、平成20年度滋賀県基本構想の旗印に掲げておられます、県民の命と暮らしを守るためには、何を残し、何をやめるかを選択するという知事の熱い志にエールを送っておられる方も多いと思います。  こうした中、まず第1に、アール・ディエンジニアリング問題に対して、知事はいつごろをめどに対策委員会のまとめを現実のものとし、現場近隣住民の方々に支障除去の対策工法の決定を明示されようとしているのか、お聞きします。  第2には、ここ数カ月、私も傍聴させていただきましたアール・ディエンジニアリング最終処分場問題対策委員会や専門部会では、生活環境保全上の支障は何かの整理や、達成すべき目標、さらには、支障除去対策工法案の検討等を熱心にしていただきました。しかしながら、いまだ県から緊急・恒久対策ともに、具体的な方針決定がなされるに及んでいません。  12月1日に行われました第9回対策委員会における各委員の議論の中でも、アール・ディエンジニアリング最終処分場の緊急を要する問題点は、大きく分けて3つあることが明らかになりました。1つには、焼却炉のダイオキシンや断熱材の飛散であります。1つには、地中からのガス発生です。そして、もう一つには、地下水汚染です。  このうち、焼却炉撤去への対策は、以前から近隣住民からも強い要望があり、去る8月4日の知事自身の現場検証でも理解を示していただいた経過があります。県民の命と暮らしを守る観点からも、焼却炉撤去対策は即刻すべきと考えます。なぜこれほど長い期間放置したままなのでしょうか。今後、地中に埋められた廃棄物除去対策の意味でも、まず地上の危険物を除去するべきではないかと考えますが、知事にお伺いいたします。  第3に、地元住民が行った住民意向調査によれば、地元調査の約9割の方が全量撤去を望んでおられます。しかし、県は、財政難などを理由に不十分な対処しかとられないのではないかといった、県の対策を不安視する方々の声も根強くあることは事実です。今後、次世代に命のツケを回さないと明言されている嘉田知事自身が、対策を検討されるに当たり最優先するのは、県民の安全、安心か、それとも財政の実情なのか、いずれか明確にお答えください。  第4に、先般からの県による掘削調査で、周辺住民はこの問題に対して、ついに全容解明に近づけるのではないかと熱い期待を寄せました。しかし、県と住民との間の説明不足からくる認識の違いにより、現在では調査自体がとまったままの状態です。先般も市民団体の数人の方から早期再開の要望書が県に出されているということを聞きました。地元の強い行政不信払拭のため、今こそ知事本人が現場に出向き、地元自治会、住民の方々との直接対話をすべきときだと考えますが、この予定があるかないか、あれば今後のスケジュール等も含めてお伺いいたします。  次に、琵琶湖環境部長にお伺いいたします。  まず第1に、ことし4月の就任以来、8カ月余り、このアール・ディエンジニアリング産業廃棄物最終処分場問題に取り組まれてきた担当部長として、現場近隣の住民の再三にわたる生の声をお聞きになり、県として住民への説明責任と今後の解決に向けての対応について、現時点でどのようにお考えですか。  第2に、検証委員会は以前、10月をめどに報告をまとめ切る予定でありましたが、いまだその報告に至っていません。同時に、11月中にある程度進捗するはずであった掘削調査も、県の説明不足だとされる、先ほども申し上げました自治会の要望で、とんざ状態にあります。こうした現況を垣間見たとき、対策委員会の委員任期である平成20年3月までに委員会答申を出すことができるのか。もし任期中の答申ができない場合、県としてはどのような具体策を提示できるのか、お聞きいたします。  第3には、現破産管財人の所有権放棄や、電気、水道、固定資産税等に及ぶランニングコストや清算手続も含めて、当初の予定と比して時間的に厳しい状況だと私は考えますが、進捗についてどのように県として考えておられるのか。掘削調査、今後のスケジュールも含めてお伺いします。  第4に、先般の追加調査の結果、約72万立方メートルの廃棄物が埋められていたことが判明しましたが、県における処分場の許可容量の認識についてお伺いいたします。  最後に、担当部長として先般対策委員会で示された対策工法の提示の中で、時間軸、財政軸も含めた、担当部長として現実味のある対策工案はどれだと今考えておられますか、お伺いいたします。  中国の古いことわざに「流水腐らず」というものがありますが、腐らずではなく、もう腐ってしまった水が刻々と日々流れているのが、この地の現状です。周辺を歩くと、大きな災害時のごとく貯水ポリタンクが各家の玄関先や裏庭に設置されています。水の豊かな滋賀県。この地の異常さを現実のものとして受けとめないわけにはいきません。どうか誠意ある回答をお願いいたします。 ○議長(出原逸三君) 8番九里学君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)九里議員の、まず、文化力を生かした地域社会づくりについての4点の御質問にお答えさせていただきます。  1点目の市町との関係と役割についてどのように考えているかとの御質問でございます。  県と市町は、対等、協力の関係に立って地方行政を担うものでありますが、分権型社会を迎えた今日、住民の意思をより的確に反映させた地域づくりが求められる中で、基礎自治体として住民に身近なところで行政サービスを担っていただいている市町の役割はますます重要になっていると認識しております。  こうした中で、県と市町との関係については、市町と県が単に仕事を切り分けるということではなく、それぞれの性格に応じた役割を踏まえ、相互に競合しないようにしながらも、いかに県民にとって最適な状態で行政サービスの提供ができるかを考え、互いに連携協力を図りながら、地域における行政を実施していくものであると考えております。  次に、2点目のびわ湖ホールに対する平成22年度までの運営方針についてでございます。  議員御指摘のように、文化は、私たちの暮らしと密接に関連するとともに、人々を引きつける魅力や社会に与える影響力、すなわち文化力を有し、活力ある地域社会づくりに欠かせない存在でございます。こうした認識のもと、県としては、びわ湖ホールを単なる箱物としてとらえるのではなく、県民の皆さんへ舞台芸術などのサービスを提供し、あわせて文化力を生かした地域社会づくりを実現するための拠点であると考えております。  そこで、びわ湖ホールに対する平成22年度までの運営方針ですが、県民に国際的水準の舞台芸術の鑑賞機会を提供するほか、県民に親しまれる多彩な舞台芸術の創造や普及活動を行うことなどを通して滋賀県の魅力を国内外に発信していく拠点としております。このような運営方針のもと、ホール運営の実績や舞台芸術関係者とのネットワークなどを有する財団法人びわ湖ホールを平成18年度から指定管理者とし、緊密な連携を図りながら取り組んできております。  しかし、今、非常事態とも言うべき県の危機的な財政状況に照らし合わせ、やむを得ず、今回の財政構造改革プログラムにおいて指定管理料の削減を盛り込んだところでございます。  現時点では、指定管理者との協議を終えたものではございませんが、今後の協議を通じて、限られた財源の中で、今日までびわ湖ホールが築いてきた県内外の評価を落とすことのないよう知恵を絞りながら、具体的内容を詰めていきたいと考えております。  次に、3点目の文化施設に関する指定管理者制度のあり方についてでございます。  先ほども申し上げましたとおり、文化施設は単なる箱物ではなく、文化力を生かした地域社会づくりを実現するための拠点であり、人々の生きる力を支える場でもあります。また、文化政策は、継続性が重要であり、これまで積み重ねてきた実績や人的ネットワークなどが途切れることは大きな損失であります。  こうした観点から、平成18年度からの指定管理者制度導入に当たりましては、施設の設置目的や事業内容、また、地域の歴史的、社会的な環境などに応じて、施設ごとに判断した結果、事業展開を主としている施設については、これまで管理を任せてきた財団を指定管理者として選定したところでございます。  今後、この基本的な考え方を継承した上で、制度運用の成果と課題を検証し、よりよい指定管理者制度のあり方について検討を重ね、県民の皆さんに、より身近で親しみやすい文化施設になるよう努めていきたいと考えております。  次に、4点目の財政構造改革プログラムでこれら施設の早急な見直しに手をつけたのはなぜか。そして、現場で働く職員や利用者、生徒の気持ちをどう感じているかとの御質問でございます。  極めて厳しい財政状況の中で、全庁的にゼロベースで施策、事業の見直しを行うこととし、教育関係予算についても例外とすることなく、その存廃にまで踏み込んだ見直しをさせていただいたところでございます。議員から御例示いただきました琵琶湖文化館につきましては、平成17年度から、そのあり方について検討を重ねた結果、開館を前提とした場合の改修や移転には多額の費用が必要であり、休館せざるを得ないと判断したものですが、今後は、5,000点を超える収蔵品を管理、活用するための機能を残しながら、引き続き県内の他の博物館で展示するなど、学芸員の意欲や能力を生かし続けることができるよう、方法を考えていきたいと思っております。  また、荒神山少年自然の家につきましては、県内の市町における同様施設の整備状況も勘案の上、平成20、21年度は自主事業を廃止し、森林環境学習やまのこなどの受け入れ事業のみとし、平成22年度からの休館を予定しております。  次に、現場で働く職員や利用者、生徒の気持ちをどう感じているかについてでございますが、例えば、琵琶湖文化館の学芸員の皆様には、寄託者との熱い信頼関係の中で、滋賀県のすぐれた文化財を守ってきていただいていると高く評価させていただいております。また、昨日、荒神山少年自然の家の存続を願う青年ボランティアの皆さんが、荒神山少年自然の家を守る会を立ち上げられたと聞き及んでおりますが、そうした県民の皆様の各施設の存続を願う思いもお伺いしております。  各施設は、現場の職員の経験やノウハウ、施設に対する愛着や熱意とともに、県民の皆さんの利用により双方向的に運営されて支えられてきたものと認識しております。現場の職員は、まさに文化施設の、仏つくって魂を入れる活動を、長い時間の中でしてきていだたいているところでございます。その魂がうまくつながり、今後も魂が生きていくようなケア、人の力が生きる方策は必要であると考えております。  しかしながら、平成20年度からスタートする財政構造改革プログラムの3カ年で、この厳しい財政状況を何としても乗り切らなければならないという中での厳しい選択でありまして、現場の働く皆様、県民の皆様と、さらに知恵を出し合いながら、よりよい方向を練っていきたいと考えておりますので、御理解をお願いしたいと思っております。  次に、新幹線新駅建設中止後の南部振興策と区画整理事業処理策について、4点の質問にお答えさせていただきます。  まず、1点目でございますが、11月17日の地権者代表の方々との話し合いの場での説明内容、地権者からの意見、私としての思い、どう受けとめたか、また、今後の対処についてでございます。  去る11月17日、地元4自治会の会長と地権者代表の皆さんにお会いし、新駅に係る協定類が終了したことを報告するとともに、地元に御迷惑をおかけしたことへのおわびをさせていただき、また、今後の対応等について率直な御意見をいただきました。その中で、行政への不信や今後の方策を早く示すようにとの御意見、また、方向性が定まらないまま地元を回っても意味がない等の厳しい御意見をいただきました。私としては、地権者の皆さんが今も土地利用が制限されている中で、今後の方向性が見えない状況に対する不安や不満を感じておられることは十分承知しております。
     今後とも、地元の御意見を真摯に受けとめさせていただきながら、栗東市と精力的に協議を行い、諸課題に対して、できるだけ早く適切に対処していかなければならないと改めて痛感したところでございます。  次に、今後地権者の方々にどのような対処をするかとの御質問ですが、地権者の皆さんには、去る11月17日の話し合いを受けて、近日中にも私から、おわびと話し合いの概要を書簡にてお知らせする予定でございます。また、地権者の方々との話し合いは今後とも引き続き誠意を持って続けてまいりたいと考えており、今後の対応策につきまして栗東市とともに協議を重ね、一定の方向性が定まった段階において、私自身、栗東市とともに地元へお伺いしたいと考えております。  次に、2点目の県と栗東市が協力し合えるプロジェクト室を立ち上げ、南部振興策も含めた新しいまちづくりが検討、協議できるよう、新しい組織体を構築すべき、また、今後の土地区画整理事業に対しどのように対処するのかとの御質問でございます。  土地区画整理事業は、栗東市のまちづくりそのものでありまして、事業の施工者である栗東市において今後の方向性について判断されることが基本であると認識しておりますが、県としては、これまでの経過を踏まえ、栗東市とともに適切な役割分担のもとで相互に連携協力しながら、県としての責任を果たしてまいりたいと考えております。  既に栗東市とは事務レベルでの協議の場を設け、検討を重ねているところでございます。今月中には栗東市とともに、事業計画決定後に中止となった他地域の事例を調査するとともに、専門家を招いた検討会を開催することを予定しております。なお、御質問の新しい組織体制については、今回の協定類の終了に伴い、新駅問題が新たな局面に入ったと考えられることから、今後、それにふさわしい体制の構築が必要と考えておりまして、県と栗東市との協議の進捗状況を考慮しつつ、県として適切な対応を検討してまいります。  今後とも、土地区画整理事業や南部地域振興策への対応につきましては、栗東市ならびに関係市との連携協力関係を強化しながら、精いっぱい対処してまいる所存でございます。  次に、3点目のJR東海の松本社長が約6,700万円を地元に追加返還し、同時に損害賠償請求を行わないとのコメントを出されたが、これについてどのように受けとめているか、この精算金額、どう返還される予定かとの御質問でございます。  12月6日のJR東海の松本社長さんの記者会見の状況は、詳細に確認できたわけではございませんが、JR東海には県の新幹線新駅凍結という方針により大変な御心配、御迷惑をおかけしたにもかかわらず、今回、工事費の精算という形で円満に終了していただけるということに対して、心から感謝を申し上げる次第でございます。今後は、本県における地域の発展のために、JR東海との一層の協力関係を築いてまいる所存でございます。  また、JR東海との工事費負担金の精算につきましては、本年5月の仮精算の段階で地元が支払った新駅設置事業の工事費負担金6億円のうち、2億2,000万円が返還され、工事費負担金の負担割合に応じて、県には1,307万3,000円が返還されたところでございます。今回、本精算として地元に対してはさらに約6,700万円が返還される旨、JR東海から報告を受けておりまして、今後、JR東海に対する実績の確認や、東海道新幹線(仮称)南びわ湖駅設置促進協議会幹事会での確認が必要でございますが、仮精算と同様に、工事費負担金の負担割合に応じて計算した場合、県に対しては約3,300万円が返還される見込みとなっております。  次に、4点目の大規模な重要施策の進め方ややめ方に関するルールづくりの構築が必要不可欠と思うが、このことについての見解でございます。  これまで大変長い時間にわたり推進されてきました新駅計画ですが、必ずしも県民の皆さんの思いや願いを反映しているものではなかったと認識しております。必要性や効果が県民の皆さんに十分に理解されず、また、さまざまな課題や問題点を抱えながら進められてきたため、行政と県民の皆さんとの思いの隔たりを招いたことが、今回の新駅問題の背景にあったのではないかと考えております。  私としては、この新駅問題に取り組んできた経験を通しまして、特に、議員御指摘のような、大規模な重要施策の立案に当たりましては、計画の初期の段階から継続して県民の皆さんに情報を提供し、それを共有し、皆さんの思いを真摯に酌み上げるとともに、しっかりと説明責任を果たしていくことがいかに大切であるかということを改めて実感したところでございます。  今回の新駅問題を今後の政策立案や施策の見直しに当たっての教訓として重く受けとめ、協定類の終了を機に、過去の取り組み経過や新駅凍結までのプロセスをしっかりと検証するとともに、議員御指摘のように、県政への住民参加のルールづくりについても研究してまいりたいと考えております。  今後、こうした検討を行いながら、行政改革の方針にも示しましたように、対話と共感が生きる開かれた協働の県政運営に十分生かしてまいりたいと考えております。  次に、アール・ディエンジニアリング産業廃棄物最終処分場の今後の対策について、4点の質問にお答えさせていただきます。  まず1点目ですが、対策委員会のまとめを現実のものとする対策工法をいつごろ近隣住民に示すのかとの御質問でございます。  現在、アール・ディエンジニアリング最終処分場問題対策委員会では、生活環境保全上の支障の除去のための工法について、廃棄物の全量撤去から現位置での浄化対策に至る幅広い議論がなされ、第10回目となります12月27日には、対策工について、委員一人一人の御意見が述べられることとなっております。また、1月には、対策委員会が、周辺住民の皆さんの御意見を聞かれる予定となっております。アール・ディエンジニアリング最終処分場問題対策委員会には、地元の代表の方、専門家を初め、各界の委員の方々の御熱心な議論に心から敬服と感謝をさせていただきたいと思っております。  対策委員会は、昨年12月26日に発足し、ちょうど丸一年近くになるわけでございます。当初の予定では、1年間の集中審議により、報告書の取りまとめをお願いしておりましたが、対策委員会の立ち上がりがおくれたこと。追加調査のあり方の検討に時間を要したこと。委員会を開催しようとしたが、定足数に満たず、協議会になったことがあったこと。追加掘削調査が現在中断していること。このような幾つかの要因により、かなり厳しいスケジュールとなっております。  しかし、来年度から対策工に着手するためには、遅くとも年度内に実施計画書案を策定する必要がありますので、対策委員会には鋭意審議を尽くしていただき、御報告を取りまとめていただきたいと願っております。  この報告を受けて策定します実施計画案につきましては、策定に当たっては、できるだけ速やかに住民の皆さんにお示し、御説明させていただいた上で取りまとめたいと考えております。  次に、2点目の焼却炉撤去対策は即刻行うべきと考えるが、いかがかとの御質問でございます。  アール・ディエンジニアリング処分場には、平成元年に許可した廃プラスチックや廃油などを燃やす焼却炉と、平成7年に許可した木くずを燃やす焼却炉があります。周辺住民の皆さんは、特に平成元年に許可した焼却炉については、施設が老朽化しているため、炉内の焼却灰などに含まれるダイオキシン類が大気中に飛散するのではないかと心配しておられます。このため、本年8月に焼却炉内のダイオキシン類の調査を行い、炉内のばいじんや付着物、さらには焼却炉から環境基準1ナノグラム−TEQ/グラムを超えるダイオキシン類が検出されました。この焼却炉内のばいじんや付着物、さらには焼却灰の状況についてですが、ばいじんや付着物は煙突の内部などに、専用の金属器具で削り取らなければならない状態でこびりついております。焼却灰は、投入口やかき出し口が閉め切られて、焼却炉内に密閉された状態で残っております。それゆえ、いずれも風雨により飛散する状況にはないと判断しているところでございます。  また、焼却炉の電気集じん機に使用されている断熱材についてですが、現在、露出しておりますが、飛び散っている状況ではありません。この断熱材を調べましたところ、アスベスト製ではなくグラスウール製であり、グラスウールはガラスでできた人工繊維で、大きさが4から8ミクロン程度と比較的太く、仮に吸い込んでも肺に達することなく、鼻や気管支で除去され、たんなどによって排出されると言われておりまして、法的にも規制されておらず、直ちに危険を及ぼすことはないと考えております。したがいまして、議員御指摘のダイオキシンや断熱材につきましては、対策工の中で同時に適切に措置していくこととしております。  しかしながら、平成元年に許可した焼却炉は、H鋼により補強されているものの老朽化が進んでいるため、対策工に着手する際には優先して焼却炉に関する対策を実施すべきと考えております。  3点目の御質問でございますが、県が対策を検討する上で最優先するのは、県民の安全、安心か、それとも財政の実情かとの御質問でございます。  県が実施する対策工は、地域住民を初め、県民の皆さんの安全を最優先に考えた対策でなくてはならないと考えております。また、この対策は、県の公費を投入するとともに、国の支援を受けて、代執行により実施するものでありますことから、科学的な知見に立った、効果的で合理的な対策であり、経済的にもすぐれたものでなくてはならないと考えております。県民の皆さんの御理解、あるいは税金を投入する際の基本的要件であると考えております。  その上で、県の実施する対策工につきましては、住民の皆さんに安心いただけるよう、確実に説明責任を果たさなければならないと考えております。  4点目の御質問ですが、地元住民と直接対話をする時期に来ていると考えるが、その予定はあるかとの御質問でございます。  アール・ディエンジニアリング処分場の掘削調査につきましては、ドラム缶等の違法な埋め立てなど不適正処分の状況を調査し、生活環境保全上の支障の除去の検討と、不適正処分を行った事業者等の責任を追及するために行うものでございます。10月に開催された対策委員会や対策委員会協議会において協議をいただき、掘削調査の箇所や内容は承認いただきましたが、掘削調査の開始から2日目に、近隣の1自治会から抗議をいただき、調査を中断いたしました。その後、自治会とは協議や文書による協力要請を行っておりますが、現在も中断したままとなっております。  対策委員会において対応策の検討が進められる中、いつまでも掘削調査を中断することは許されません。一刻も早く御理解をいただき、再開できるよう努力してまいります。私が地元に直接出向いていくことにつきましては、今後の展開や状況を見て判断させていただきたいと考えております。  いずれにいたしましても、まさに議員御指摘のように、新幹線新駅問題において得ました教訓をもとに、住民の皆さんと十分情報を共有し、その中で皆さんの納得のいく方策を考え、対策を考えるのが私どもの役目であり、責務であると考えているところでございます。 ◎琵琶湖環境部長(山仲善彰君) (登壇)アール・ディエンジニアリング産業廃棄物最終処分場の今後の対策についての5点の御質問に対しまして、一部知事の答弁と重なるところもございますが、お答えいたします。  まず、1点目の今日までの滋賀県としての住民への説明責任と、今後の解決に向けての対応についてでございますが、昨年6月にアール・ディエンジニアリング社が経営破綻し、同社による処分場の是正が見込めない、大変厳しい事態に陥りました。このため、県では昨年10月に、アール・ディエンジニアリング最終処分場問題の解決に向けた県の対応方針を公表し、以来、今日まで、この方針に基づき問題解決に向けた取り組みを行ってきました。  特に地下水汚染など生活環境保全上の支障を除去する対応策の検討につきましては、地域住民の代表や学識経験者などで構成されるアール・ディエンジニアリング最終処分場問題対策委員会を設置し、科学的で専門的かつ幅広い検討を熱心に行っていただいてきたところです。このような今日までの経過の中で、住民の皆さんに対しましては、対策委員会の全面公開を初め、ホームページにおいて対策委員会の資料や議事録、周縁地下水モニタリング調査等の各種調査結果などの公開を行ってまいりました。また、対策委員会の検討資料につきましては、専門性が高いものではありますが、図や表を多く使い、わかりやすいものとなるよう努めてまいっております。  周辺自治会に対しましては、県の対応方針や、本年度実施しました追加調査計画の説明、さらに、8月には追加調査の現地説明会を開催したところです。また、対策委員会の委員に就任いただいていない自治会に対しましては、節目ごとに対策委員会の検討状況等を説明し、説明責任を果たしてきており、今後も引き続いて行ってまいりたいと考えております。  なお、県市連絡協議会を開催し、回数も11回を重ねております。こういったことによって、地元栗東市と密接な情報の共有化を図っているところです。  さらに、私といたしましても、住民の方々と直接お出会いをさせていただき、状況や方向性について随時お話をさせていただいております。  次に、今後の解決に向けての対応についてでありますが、対策委員会では、今後、対策工の本格的な審議が行われ、あわせて住民意見も踏まえて報告書が取りまとめられる予定です。県としましては、対策委員会の報告書を受け、実施計画を策定することになりますが、実施計画案の段階においても、安全を確保する対策案をもって住民の皆さんにきちっと説明をさせていただきたいと考えております。  2点目の対策委員の任期中に委員会答申を出すことについてでありますが、かなり厳しいスケジュールとなってきておりますが、何とか対策委員会で報告書を取りまとめていただき、来年3月までに実施計画案を策定したいと考えております。その報告書をいただくためには、現在中断しております掘削調査を早期に再開できるよう協力をお願いし、調査結果を明らかにする必要があると考えております。  このように、掘削調査に必要な期間と対策委員会で審議いただく期間を勘案しながら、委員の任期中に答申いただけるよう努力したいと考えております。  なお、万が一任期中に答申いただけないような状況に陥りましても、その状況を踏まえて適切な対応がとれるよう、関係者に御協力をお願いしたいと考えております。  3点目の当初の予定と現在の進捗状況についてでございますが、知事答弁にございますように、対策委員会の立ち上げがおくれたことや、掘削調査の中断などから、当初の予定に比べてかなり厳しい状況にございますが、対策委員会で報告書を取りまとめていただき、年度内には実施計画案を策定し、来年度から対策工に着手できますよう努力してまいりたいと考えております。  4点目の処分場における許可容量の認識についてでありますが、処分場の埋立容量は、廃棄物処理法の規定に基づき施設許可を得る必要があり、許可容量以上の埋め立てが許可なく行われた場合は、状況を把握の上、法に基づき当該事業者に対し、施設の是正を命じるとともに、業務許可を取り消すなど厳しい処分を行わなければならないものと考えております。アール・ディエンジニアリング処分場においては、許可容量を約32万立方メートルも超える廃棄物が埋め立てられていたことが判明しました。本来であれば、ただいま申し上げましたとおり、法に基づく処分を行わなければなりませんが、事業者が経営破綻しましたことから、制度上やむを得ず、残りました方策として、県といたしましては、法に基づき、代執行事業として対策工を実施し、アール・ディエンジニアリング処分場から生活環境保全上の支障を除去していく方策を進めているところであります。  5点目の対策委員会で示された対策工法のうち、現実味のある対策工案についてでありますが、対策委員会では、対策工案について、工事中の騒音、悪臭など、周辺環境への影響や、工期、また二次汚染などのリスクに対する安全性ならびに工法全般の経済性などを評価した上で、効果的で合理的な対策工法を選定していただくようお願いしております。  今後、対策委員会で報告書を取りまとめていただき、その上で、県といたしましても、同様の方針で実施計画を策定していきたいと考えております。 ◆8番(九里学君) (登壇)ただいま知事ならびに琵琶湖環境部長の方からアール・ディエンジニアリングについて御答弁をいただいたわけですが、その中で1点、この対策について情報公開あるいは説明責任をやっているというようなお話なのですけれども、現時点で、おくれていたり、対策の中の現場での部分で非常に住民と県の中で不信感があるようなことも聞いております。  特措法に基づきまして、特定産業廃棄物に起因する支障の除去を平成24年度までの間に計画的かつ着実に推進するための基本的な方針の中で、関係市町村、住民への説明という項目があります。その中でも、特に都道府県においては、実施計画の策定段階において、事業の内容、処理方法、周辺環境対策について、関係市町村や住民に対する十分な説明と意見聴取を行うものとするとありますが、先ほど来、御答弁の中で、その辺についてはきちっと情報公開と、そして県の方から説明を地元にしているということなのですが、この実施計画の策定前に近隣住民に丁寧に説明等をしておられますか。その辺について、再度御質問をしたいと思います。この部分については、実施計画後あるいは実施計画の一定の部分が終わった後でされているということではないですか。一度お教えいただきたいと思います。答弁は琵琶湖環境部長の方にお願いいたします。 ◎琵琶湖環境部長(山仲善彰君) ただいま御答弁申し上げましたように、現在、対策委員会で対策工について意見を取りまとめていただいているところでありまして、これはまさに今公開しておりますので、当然地元の方もお入りいただいていますし、先ほど申し上げましたように、その資料については、必要に応じて地元にお配りさせていただいたり、説明をさせていただいています。ということで、いわゆる策定過程も公開しておりますし、これも先ほど御答弁申し上げましたように、県として案をつくりました段階におきましても、地元に説明をさせていただいて御意見をいただくという形で、最終的に県の計画案をまとめたいと考えております。 ◆8番(九里学君) (登壇)今、琵琶湖環境部長の方から、策定前、そして経過中もきちっとやっているということですので、今後、対策の部分の会議や、あるいは地元との情報交換をきちっとしていただきますようにお願い申し上げまして、私からの質問とさせていただきます。  終了したいと思います。(拍手) ○議長(出原逸三君) 以上で、8番九里学君の質問を終了いたします。  次に、14番西川仁君の発言を許します。 ◆14番(西川仁君) (登壇、拍手)淀川水系河川整備原案について、知事に質問をします。  明治以来、日本の治水方針は、連続堤防を築き、洪水を河道内に閉じ込めて流下させるもので、洪水を河道から漏れさせないようにするという原則に基づくもので営々と続けられてきました。それによって洪水流量が増大し、この流量を処理するために、戦後、ダム治水が取り入れられるようになりました。高度経済成長に伴い、都市部への人口集中で、利水目的と治水目的の多目的ダムが建設されるようになりました。  しかし、環境破壊や背砂などによりダムが満杯になる状況で、水害を発生させることや、下流域の土砂の供給がとまり、河道が侵食されるなどで、河川の生態系にとって重要な問題となっています。ダムは環境に与える影響が大きいことから、地域住民から必要性に関する疑問や、他の治水方策がないのかなどの疑問も出されてきました。ダムによる洪水調節、超過洪水時のダム操作の誤りによる異常放流などが下流の被害を大きくするなどの問題もあります。  治水は河川の基本高水の決定と超過洪水対策、環境への配慮をどのように解決させるのかの問題でもあります。その点、総合的治水と超過洪水対策を結合して取り組むことが重要となります。この考え方は、2000年12月に出された河川審議会答申にも、極めて大きな実績洪水が発生した河川での対策として、実績洪水に対して人命や建築物の被害を最小化させるため、土地利用方策を組み合わせた対策が必要であると述べられています。しかし、国土交通省近畿地方整備局が示した淀川水系河川整備計画原案は、これまでの、河道内に閉じ込めて流下させるという方策になっています。  そこで、今回の質問では、治水対策、ダム問題、総合治水の一つの方策でもある森林保水などについて、知事の所見をお尋ねします。  淀川水系問題では、河川法改正による河川計画作成への住民参加の趣旨を生かして、淀川水系流域委員会で議論を重ね、2003年の提言では、我が国の川づくりの転換の必要性、水害が一向に克服されず、河川環境が著しく悪化していることを指摘し、ダムは自然環境に及ぼす影響が大きいことなどのため、原則として建設しないと述べました。建設の場合は、考え得るすべての実効可能で有効な方策がないと客観的に認められ、かつ、住民団体、地域組織などを含む住民の社会的合意が得られた場合に限ると厳しい条件をつけました。これを受けて、2005年の淀川水系5ダムについての方針では、大戸川ダムについては当面実施せずとしました。しかし、2年余りで国土交通省近畿地方整備局は、ことしの淀川水系河川整備基本方針を受けて、これまでの方針を覆し、大戸川ダムの建設を初め、琵琶湖の後期放流を毎秒1,500トン確保するためと、狭窄部の鹿跳渓谷を初め、大規模開発の淀川水系河川整備計画原案を発表しました。  今年度中にもこの原案に対して知事の意見が求められます。ダム建設に関しての知事の基本姿勢が問われることになります。したがって、9月議会で、ダム見直しの知事のマニフェストについて質問しましたが、この質問に対し嘉田知事は、流域治水対策室をつくり、流域治水の可能性を検討、河川改修、堤防補強なども含めて、それらの政策、また財政問題も、すべての項目を精査した上で、ダムの選択というのは最後の手段だと思っている。そのような意味でマニフェストの基本的な考え方は維持していると考えているとおっしゃいました。マニフェストは守っているとおっしゃいますが、滋賀県基本構想の総合的な治水対策の推進での記述は、ダムや河川整備を進めるとともに、流域治水基本方針を策定し、流域の特性に応じた減災対策──「ためる」「とどめる」「備える」を組み合わせた総合的な治水対策を進めますとなっています。  流域治水とダム建設を同時並列的に進めるとの記述であるが、これはまさにダム建設であり、ダムの見直しのマニフェストと異なることではないか、明確にしていただきたいと思います。  次に、基本高水流量についての質問では、過去の実績雨量によるピーク流量に、幾つかの河川工学的な操作を加えているとの知事答弁でした。枚方の基準地点で昭和28年の既往洪水流量は毎秒7,800トンだったのに2.2倍の過大な基本高水流量との問いに対する知事の答弁でした。これは過大な基本高水流量との私の指摘を認めることなのか、改めてお尋ねします。  淀川水系河川整備基本方針では、基本高水ピーク流量を、琵琶湖からの流出量を加味して毎秒1万7,500トンとし、このうち、洪水調整施設により毎秒5,500トンを調節して河道への配分流量を毎秒1万2,000トンとするとしています。この流量には、琵琶湖からの毎秒500トンが加味されたと思うのですが、含まれているのですか。瀬田川洗堰の全閉操作の解除がされても、自然流下93トンから、多くても200トンとされているのに、500トンを組み入れること自体、過大なものと指摘せざるを得ません。  琵琶湖淀川水系問題対策特別委員会に提出された淀川水系河川整備基本方針小委員会の配付資料3によると、昭和40年台風24号を、雨量や流量が多かった代表的な洪水として、雨量確率手法により基本高水ピーク流量を算出しています。  24時間261ミリの降雨量でデータを出しているのですが、昭和57年の台風10号の場合、1万2,476トン、昭和28年台風13号で1万5,514トンなど、6例中、中位の値とするなら話もわかりますが、昭和40年台風24号、毎秒1万6,927トンと、6つのデータの中の最大をとって1万7,000トンが決められています。瀬田川洗堰の放流を入れて1万7,500トン、これはいかにも過大だと言わなければなりませんが、この過大な基本高水ピーク流量に基づき、事細かに対策が提起されていますが、この基本高水流量についての知事の所見を、改めてお尋ねします。  次に、森林の保水機能について。  9月議会の知事答弁では、森林が貯水するのは降り始めの降雨であり、日本学術会議において、森林の多面的な機能について評価する一方、治水上問題となる大雨のときには、洪水のピークを迎える以前に飽和状態となり、降雨のほとんどが河川に流入すること、降雨量が大きくなると森林による低減効果は余り期待できないと指摘されています。学会の研究を参考にしていきたいと答弁されました。造林公社を論じるときには自然環境と保水能力を強調し、ダム問題では国土交通省の降雨200ミリ以上になると保水能力はゼロになるとの見方を示すものと思いますが、説得力はありません。  もちろん、識者の研究でも保水能力には限界があることは指摘されていますが、450ミリまでは保水能力が働き、それ以後も浸透、保水能力は働くとされて、河川のピーク流量の30%減につながると推定される見解もあります。森林の保水能力については、広葉樹か針葉樹か、樹齢や手入れ、地質状態などによって変化があり、一律では論ずることができません。したがって、流域における森林の保水能力について科学的な研究が必要と思いますが、見解を伺いたいと思います。  10月21日の読売新聞で、大戸川ダム効果限定的との記事が出ました。この記事によると、計画を復活させた淀川の治水効果について、100年から200年に一度の豪雨を想定して河川への影響をシミュレーションしたところ、同ダムがない場合でも、大阪府内の淀川では、豪雨パターンのうち9割以上が安全流量にとどまることがわかったというものです。  同記事の見方で、国土交通省近畿地方整備局が、淀川水系流域委員会第61回委員会の審議資料9ページの黒津地点を見ると、流下能力毎秒280トン、堤防満杯流量370トンとなっています。大戸川ダムなしとダムありと戦後最大の洪水対応、計画規模洪水の比較表があります。見比べますと、33パターンのうち、ダムなしで堤防満杯流量を超える場合が30、満杯以下流下能力以上が1であるのに対し、ダムありでは、満杯を超えるのが24、流量能力以上が7となっています。ダムをつくったとしても、黒津地点での危険度は回避できないことを示しているのではないでしょうか。  大戸川ダムが大津市の洪水対策ではなく、下流域の淀川の洪水調節を目的としたものであると思われますが、滋賀県知事としての所見をお尋ねします。 ○議長(出原逸三君) 14番西川仁君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)西川議員の淀川水系河川整備計画原案にかかわる4点の御質問にお答えさせていただきます。  まず、基本構想の記述は、ダムの見直しのマニフェストと異なるのではないのかとの御質問でございますが、マニフェストに示したダムの凍結、見直しは、潜在的な水害の危険性を県民の皆さんと共有し、計画規模以上の洪水、いわゆる超過洪水を含め、どのような洪水にあっても死者を出さず、壊滅的な被害を防ぐ治水対策はどうあるべきか。それとあわせて、河川が持っている自然の力、文化力を生かしながら、多面的な河川政策をどう組み立てていくべきか、その学びと対策を練り直したいという、河川管理者としての責任から発したものでございます。  ダムに関する計画を凍結、見直したという立場から出発し、どのような洪水に対しても、命を守る対策を考えるという治水の基本的方針を堅持する中で、治水の責任を持っている知事として、その責任を果たしていくために、流域治水政策室を設置し、具体的にその充実に努めております。  基本構想においては、その考え方を示したものであり、治水対策の基本的考え方につきましては、マニフェストを策定した当時の流域治水を重視しまして、自助、共助、公助の中で対応をとっていくという考えでございまして、9月議会でも申し上げましたように、河川改修、堤防補強なども含め、それらの政策、財政問題、すべての項目を精査した上で、ダムの選択というのは最後の手段であると考えております。そのような意味で、現在、基本的な考え方は変わっていないと申し上げさせていただきます。  次に、2点目の1万7,500トンの基本高水流量、あるいは基本高水に関する3点の関連質問について、それぞれお答えさせていただきます。  まず、1万7,500トンの基本高水流量についてですが、9月県議会の答弁は大きな基本高水を認めることなのかとの御質問でしたが、9月議会で答弁いたしましたとおり、基本高水につきましては、過去の実績雨量によるピーク雨量に幾つかの河川工学的な操作を加えていると伺っております。その河川の重要度あるいは流域状況などによりまして、引き伸ばし率という倍率を掛ける操作がなされております。そのような意味では、社会的に、あるいは操作の上で決定された数値である、このような計算によって、淀川では1万7,500トンとなると聞いているところでございます。  2つ目の基本方針での河道への配分流量1万2,000トンですが、琵琶湖からの流出量が加味されているかとの御質問です。  基本方針では、枚方地点の河道への配分流量は1万2,000トンとされておりますが、琵琶湖からの流出量は含まれていないと聞いております。琵琶湖からの流出量は、天ヶ瀬ダムより下流に影響を及ぼさないこととされており、例えば喜撰山ダムなどの施設を使って洪水調節を検討されていると聞いております。  3つ目の基本高水ピーク流量についての所見を問うとの御質問ですが、淀川水系河川整備基本方針では、計画規模の洪水を安全に流下させると記述されており、計画規模のそれぞれのケースにおいても、安全に流下させるための流量が基本高水流量として採用されたと聞いております。  次に、3点目の森林の保水能力についてでございますが、9月議会で、治水上問題となる大雨のときには、森林による低減効果は余り期待できないと答弁したが、造林公社を論じるときは自然環境と保水能力を強調し、ダム問題では効果がないとしている。科学的な研究が必要と思うが、いかがかとの御質問でございます。  森林の機能にはさまざまなものがありまして、森林の保全は重要であると常々申し上げているとおりです。しかし、洪水時の緩和機能については、9月議会では、森林は洪水時のピークを迎える以前に飽和状態となり、降雨量が大きくなると低減効果は余り大きくは期待できないと指摘されていると答弁させていただきました。  各流域で洪水緩和機能の程度が異なることは理解しておりますが、各河川での治水計画は、それぞれの河川で実測された降雨と流量から、その流域での特性を踏まえた上で作成されているものでございまして、森林の洪水緩和機能の研究は、今後の学会での引き続きの研究を参考にしていきたいと考えております。  また、造林公社問題を論じるときの水源涵養機能でございますが、これは特定の微細な数値を表現するというよりは、そのような全体としての効果、機能があるということを述べさせていただいているところで、両者は質的に異なる表現であると御理解いただきたいと考えております。  次に、大戸川ダムについてでございます。  大戸川ダムは、大津市内の洪水対策ではなく、天ヶ瀬ダムの維持・調節対策であり、下流対策ではないか、知事としての見解を問うとの御指摘でございます。  天ヶ瀬ダムの治水容量を増大させる再開発事業を実施したとしましても、宇治川と淀川下流のための洪水調節としての容量が不足することから、天ヶ瀬ダム上流地域での洪水調節を行う必要があると国からは説明されております。  なお、大戸川の治水対策は、流域治水、河川改修、ダムで計画しているものでございますが、大戸川の河川改修は、大戸川下流での整備が現在のところ十分でない現状においては実施が困難であると説明をさせていただいている中で、大戸川ダムについては、今後、地域との対話を進めながら、専門家の御意見、また、国の具体的な考え方もお伺いし、特に財政状況も踏まえた上で、さらに環境保全とのかかわりなども含め、県として判断してまいりたいと考えております。 ◆14番(西川仁君) (登壇)再質問を知事にさせていただきます。  大戸川ダムで黒津地点の例を挙げさせていただいたのですが、この資料は間違いないとお認めになると思うのです。先ほどの答弁の中で、治水対策そのものは知事の責任だというお話でした。  そうであれば、非常に危険な大戸川に関して、直ちに治水対策について、堤防補強だとか、流域治水のそういう案、構想についてはっきりさせるというのが先なのではないかと思うのですが、それが住民の安全を守っていくという上での知事の責任ではないかと思うのですが、この点について、改めてお聞きしたいと思います。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)大戸川ダム直下流における治水対策についての御質問と思います。  大戸川ダムをつくっても、黒津地点では超過洪水についてはダムが洪水をゼロにはできないということが西川議員の御指摘でございます。そのような中で、今、早急に地元としての御要望につきましては、特に河川の砂利あるいは堆積物の除去、そして樹木の伐採などの要望も出ております。また、一部、堤防が大変弱い部分についての御要望もいただいておりますので、地元として、つまり県として河川の補修ができるところはすぐに補修させていただき、そして、計画の中については、国と計画を見ながら、先ほどのような方向で対応させていただきたいと考えているところでございます。 ◆14番(西川仁君) (登壇)基本高水流量を定めて河道内に押し込めていくという方策が非常に矛盾に満ちたものだということについては、今後、機会あるごとに議論していきたいと思います。  次に、農業振興について、農政水産部長に質問いたします。  高齢化が進み、耕作放棄地が広がり、疲弊する農村。一方で、逼迫傾向を強める世界の食料需給。それらを背景に、さきの参議院議員選挙では農業問題が重要な争点の一つとなりました。自民・公明の与党に厳しい審判を下したのですが、新たな情勢のもとで、日本の食料、農業をどうするのかが問われていることになります。  品目横断的経営安定対策が実施され、1年が経過しました。この対策は、戦後農政を根本から見直すとのかけ声で、全農家を対象とする品目ごとの価格を廃止し、一部の大規模経営に限定した所得保障を導入するというものです。昨年来、農村現場では、受け皿となる経営の大規模化、実態とかけ離れた作業が押しつけられ、深刻な苦悩や矛盾が広がっています。  日本共産党は、品目横断的経営安定対策が、大多数の農家を切り捨て、地域農業の衰退を招くのは必至であると厳しく批判し、価格保障の充実で、意欲あるすべての農家が続けられる農政を主張してきました。日本農業新聞が選挙直前に実施した読者モニターでは、担い手に集中した品目横断的経営安定対策と、全農家を対象とした戸別価格保障のどちらを支持しますかとの問いに、前者が22.8%、後者が53.8%という回答でした。  いま一つの問題なのが、歴代政府が生産者米価の暴落を促進し、野放しにしてきたことであります。今夏収穫した麦は、緑ゲタ、黄ゲタを収穫した麦代金を合わせても生産費を賄えず、さらに、米の暴落で粗収益も10アール当たり11から12万円台に大きく落ち込みました。そのため、秋まき小麦をやめてレンゲに切りかえる集落や、借地を返却する農家が出てきています。また、集落営農組織の大半は赤字で、法人化をためらう組織が多数あるのが実情です。  このような中で、滋賀県は国の方針に従って品目横断的経営安定対策を推進してきましたが、今日の事態をどう把握し、総括しているのかについて、以下、伺います。
     麦作経営の農家と集落営農組織経営の実態について、どう認識しておられるのでしょうか。  今秋の米価暴落の原因の根底には、WTO、EPA協定による農産物の完全自由化を前提にした経済財政諮問会議のEPA農業ワーキンググループでの高橋経営局長の、「構造展望、経営展望で、さらに生産コストを平成27年、目標の段階で1万1,000円にしているのでは、そういう構造、経営が大宗となるような形で見通しているという意味がある」との発言どおり、米価を市場任せにして、大スーパーの買いたたきを放任し、政府みずから米価引き下げを主導してきたところにあります。  県は、大規模農家ですら生産費を賄えない生産者米価をどう引き上げようとしているのか。日本共産党は、当面、米では、過去3年間の生産費の平均を基準にして米価が下回れば差額を補てんする制度の設置を要求しています。自由民主党も、農業基本政策小委員会で、米価の生産費を下回った場合は差額を補てんする仕組みの導入を検討しており、民主党も戸別所得補てんを打ち出しています。  滋賀県として、政府に対し、生産費を賄う価格保障制度の創設を要求すべきではないかと問うものです。  小規模農家を排除し、農家差別する品目横断的経営安定対策は廃止すべきであると思います。同時に、廃止に至るまで生産費を補てんするため、緑ゲタ、黄ゲタの増額を要求すべきだと思います。そして、すべての農家に適用すべきではないか。また、産地づくり交付金は2年後に見直し、大幅削減、廃止が計画されていますが、現制度の維持を要求すべきではないでしょか。  政府は2008年産米の生産目標を、2007年の実績対比で10万ヘクタール減らすとしています。そして、過剰作付の解消に向けて全地域で実効を上げる強い決意で進めるとして、強権的な減反政策を打ち出しています。しかし、品目横断的経営安定対策では、担い手になる条件に生産調整が定められていますが、他の農家は自主判断で行うものとされていますので、義務づけられたものではありません。とりわけ、対策から除外され、しかも湿田地域の農家は、転作作物もつくれず、助成金が全くない、いわゆる水張り減反を行わざるを得ない。  県下でも耕作放棄地は1,978ヘクタールにも上っていますが、減反の押しつけで耕作放棄田が増加するのは必然であります。生産調整を行うのであれば、生産調整への協力金の増額などを進めるのが当然と考えますが、県の対策、見解を伺います。 ◎農政水産部長(但馬甚一君) (登壇)農業振興についての御質問にお答えいたします。  まず、麦作経営の農家と集落営農組織の実態についての認識でございます。  麦作に対する国の助成は、従来の麦作経営安定資金と品目横断的経営安定対策を比較いたしますと、本県の平均的な経営では、10アール当たり3万円程度の助成と変わりがございませんでして、産地づくり対策の交付金を加えますと、いずれも7万円前後の助成となりますので、個別の農家におきましても、集落営農組織におきましても、麦作経営の現状は従来と特段変わりがないものとなっております。  次に、米価暴落の原因などについてでございます。  米の価格につきましては、国による米の全量管理であります食糧管理法から、平成7年以降は民間流通を主体とする新たな食糧法に基づく制度となりまして、需給状況を反映した価格形成がなされております。ことしの米価下落の要因は、近年の消費の減退に加え、全国で米の過剰作付が増加し、需要と供給のバランスが大きく乱れたことによるものと考えております。  次に、生産者米価をいかに引き上げるかについてでございます。  生産者米価の安定を図るためには、まず、全国で生産調整が確実に実施され、需給の均衡が不可欠でありますことから、その実効性の確保に向けた取り組みをしっかりやることが重要であると、去る11月末に農林水産省に対して要望をしたところでございます。  また、近江米は、他産地に比べて一等米比率が低いなど、商品力が弱い状況にございますので、その価値を高めるための品質向上に重点を置いた取り組みを進めますとともに、消費者が求める多様なニーズにこたえるよう、生産と流通を連動させたマーケティング戦略を計画的に展開してまいりたいと考えております。  次に、生産費を賄う価格保障制度の創設を要求するべきではないかについてであります。  米などの価格保障のあり方につきましては、議員御指摘のとおり、国において現在さまざまな議論がされておりまして、今後、その内容を見きわめ、本県にとって必要な要望を行うなど、適切に対応してまいりたいと考えております。  次に、品目横断的経営安定対策における、麦、大豆の生産費を補てんする助成の増額と、すべての農家への適用についてであります。  本対策における麦、大豆の助成水準は、生産費と販売収入の差額について補てんがなされるよう設定されておりまして、改めて増額を必要とするような状況にはないと考えております。  また、小規模農家につきましては、みずからの農業経営を見据えて、今後どのような経営を行うかをしっかりと見きわめていただきまして、施策の対象となる集落営農などに参加する、そのような前向きな取り組みをしていただきたいと思っております。  次に、産地づくり交付金につきましては、現在、次期対策のあり方について、農林水産省総合食料局長の諮問機関であります、販売を軸とした米システムのあり方に関する検討会で検討が始まっておりまして、その状況を注視しながら、必要な要望を行ってまいりたいと考えております。  最後に、減反政策に係る生産調整の協力金の増額についての県の見解であります。  米の生産調整は、米価の安定を通じて農家の経営に大きく寄与しますことから、水田農業を主体とする本県にとって大変重要でありまして、農業者や農業団体とともに、引き続きしっかりと取り組んでまいります。その推進に当たりましては、生産調整に参画した農家や地域が不利益にならないことが大切でありますことから、生産調整実施者のメリットについて強化、拡充が図られますよう、農林水産省に対して要望を行ったところでございます。現在、国において、生産調整の実効性を確保するための補正予算等が検討されておりますことから、その内容を注視しながら、適切に対処してまいりたいと考えております。 ◆14番(西川仁君) (登壇)部長にもう一度質問したいと思います。  品目横断的経営安定対策は、世界でも非常に食料事情が悪くなっている、そういう中で日本の農業が注目されて、自給率の向上が求められていると思うのですが、この対策がそれに役立っているのかどうか、この点について、改めて聞いておきたいと思います。 ◎農政水産部長(但馬甚一君) 再質問にお答え申し上げます。  品目横断的経営安定対策は、食料自給率に対して役に立つかどうかという御質問でございます。  御承知のように、国の品目横断的経営安定対策は、担い手に対して集中的に重点的に支援を行うことでございまして、そのことは、生産性の高い農業経営を累々とこれからもつないでいく、そのような強靱な農業構造にしていくことが目的でございます。  これによりまして生産コストの低減も図れますし、あわせて品質の向上が図れる。また、そのことから、実需者のニーズにもしっかりとおこたえしていける。そのことが農産物の安定供給ができる体制の確立である。つきましては、そのようなことから、国内の農産物の生産、需給バランス、生産の拡大というものをもって食料の自給率の向上に資するものである、そのように認識いたしております。 ◆14番(西川仁君) (登壇)米の暴落が大規模農家に非常に打撃を与えている。生産費が賄えない。そういう指摘は、農家の悲鳴は、部長には聞こえてこないのでしょうか。改めてお答えをいただきたいと思います。 ◎農政水産部長(但馬甚一君) 再々質問にお答え申し上げます。米の価格の下落に対して、農家の声は十分に承知しているかという御質問をいただきました。  御承知のように、米の価格の決定につきましては、米流通センターにおいて入札価格をもって決定されております。今、その状況は去年に対しまして約1,000円から1,100円、系統におきましては700円相当の価格差があるとお聞きしていまして、その価格に対しては常々注視しながら取り組んでいきたいと考えております。 ◆14番(西川仁君) (登壇)時間がありませんので、次に行きます。  養護学校の整備は、福祉圏域で整備し、8校ですが、八幡養護学校を野洲市に移転させ、その際に八幡、八日市を知肢併置として再編していくこととされています。県立の養護学校8校の開校時の生徒児童数と現数を比較すると、60人で開校した新旭養護学校が、現数でも61と変わりませんが、それ以外では2倍、3倍にもなっているところがあります。大規模化になっている学校では教室が不足する事態にもなり、特別教室やプレールームをホームルームなどに転用して使用しているところがあります。  9月議会で大規模化について質問しました。教育長は、特別支援教育の諸課題については、さまざまな角度から調査研究をしてきているので、今後の対応についても、野洲養護学校の開校後の状況や、さらには県全体における、対象となる児童生徒数の推移を見きわめた上で今後の対応を検討してまいりたいとの考えを明らかにしました。  来年度の推移については把握されているのではないかと思うのですのが、であれば、その点について明らかにしていただきたいと思います。  野洲養護学校は開校と同時に、大規模化になるとされていますが、今後の対策、慢性的な大規模校の分離は急がれますが、対策を求めてお聞きします。  県立特別支援学校における医療的ケア実施要綱が出され、学校看護師が配置されています。医療的ケアの必要な子供たちの教育条件は大きく改善されてきました。しかし、対象が多い学校については、医療的ケアにまたざるを得ない状況もあります。医療的ケアは、対象児童生徒数の実態に合った対応と、対象の実態に合った対応が必要ではないかと思います。現行の最大3名配置の上限の見直しが今必要だと思いますが、教育長の見解をお尋ねします。 ◎教育長(斎藤俊信君) (登壇)養護学校についての御質問にお答えいたします。  養護学校の分離に関する御質問のうち、まず、来年度の推移についてでございますが、県内の子供たちの中で養護学校での教育を必要とする知的障害と肢体不自由の児童生徒数は年々増加傾向にありまして、県といたしましては、これまでから各地域の実情等を踏まえ、特別支援学校の新設や必要な増築等の対応をしてまいったところでございます。そのような中で、来年度は、新入生や年度がわりでの転入生などによりまして、児童生徒数は現在の1,245名から約70名余り増加するものと見込んでおります。  今後の対策や慢性的な大規模校の分離についてでありますが、9月県議会でお答えいたしましたように、野洲養護学校の開校後の状況や、養護学校の知的障害と肢体不自由の、いわゆる知肢併置校の再編、整備の状況、また、県全体における、対象となる児童生徒数の推移等を見きわめながら、施設のあり方も含め、検討してまいりたいと考えております。  最後に、医療的ケアの充実についてでございますが、特別支援学校には、さまざまな障害のある子供たちが通学し、そうした子供たちの中には、たんの吸引やチューブを通して食事をするなど、いわゆる医療的ケアを必要とする児童生徒が増加しております。このため、平成17年度に本県独自措置による看護師を特別支援学校に配置し、学習環境の向上や保護者の付き添い等の負担の軽減をするなど、全国的にも先んじて医療的ケアの実施体制の充実を図ってきたところでございます。  直ちに最大3名配置をしております現状の見直しは困難でございますが、今後とも、各学校現場の実態を踏まえ、看護師の研修の充実などを含めまして、総合的に検討してまいりたいと考えております。 ◆14番(西川仁君) (登壇)医療的ケアの場合、命にかかわる問題なので、ぜひ実態に即した対応が求められると思うのですが、そこには慎重な対応が必要だと思いますし、3名基準で一律的に対応するのではうまくいかないと思うのですけれども、改めてお尋ねをしておきたいと思います。教育長。 ◎教育長(斎藤俊信君) もちろん学校の実態、また、児童生徒の実態というものを踏まえまして、安全かつ適切な対応ということを心がけて検討してまいります。 ◆14番(西川仁君) (登壇)最後の質問に移ります。  聴覚障害者の手話は、言葉であり、コミュニケーションにとって欠かせないものです。県の障害者福祉しがプランのコミュニケーション支援の充実では、障害者自立支援法ではコミュニケーション支援は市町の役割とされています。県は、その円滑な実施に向けて統一的な要領を提示するなど、各市町が一定水準の事業量を確保できる体制整備を進めますとしています。手話通訳者、要約筆記奉仕員の養成研修を行い、人材確保に努めます。広域的な場面などでのニーズに対しては、市町との役割分担を明確にした上、県において対応しますと記述されています。  県内の聴覚障害手帳の被交付者数は4,059人で、手話通訳者は登録者数、県内において126人で、湖西福祉圏は1名、大津福祉圏で32名と、現手話通訳者の登録数も市町によってまちまちであります。全体としては少ないのが実態です。  手話通訳者をふやす上で大切なことは、現通訳者の身分保障も大事ではないでしょうか。また、通訳者養成には時間がかかります。手話通訳者をふやすには何が課題だと県は考えていますか。ふやす努力方向を明らかにしていただきたいと思います。健康福祉部長に質問します。  続いて、事故や災害時における119番通報、聴覚障害者の緊急通報にはいろいろと困難があります。県内の消防本部体制では、聴覚障害者の119番通報システムが整っていない圏域があると思われますが、確立されることが聴覚障害者の安心の一つだと思います。この体制の確立について、知事にお尋ねします。  同時に、緊急通報と手話通訳者の派遣ですが、病院のドクターとコミュニケーションするには手話通訳者は欠かせません。緊急時には個人に任されているのが実態であります。聴覚障害者への緊急対応については、市役所や町役場では24時間勤務体制でないので、対応ができません。緊急時の手話通訳者の対応についてのシステムをつくる必要があると思いますが、健康福祉部長に答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)聴覚障害者のコミュニケーション支援の中で、緊急通報についての御質問にお答えさせていただきます。  聴覚に障害のある方は、音や言葉による情報を受けたり送ったりすることが困難でありまして、私たちにとってごく当たり前のコミュニケーションに課題があるわけでございます。そうしたことから、聴覚に障害のある方のコミュニケーション手段の確保は、社会的に必要不可欠なものであり、地域で安心した日常生活を送っていただくためのコミュニケーション支援が大切であると考えております。特に、事故や災害時における緊急通報の確保は大変重要な課題であると考えております。  こうしたことから、ファクスを利用した緊急通報体制は、既にすべての消防本部で整備されております。いわゆるメール119番につきましては、それぞれ市町の福祉部局と連携しながら、通信指令設備の更新に合わせて、順次整備されてきているところであります。現在、8消防本部のうち、大津、湖南、湖北の3消防本部で体制が整っております。今後、電子メールに関する通信技術上の課題や、消防本部の通信指令体制のあり方、手話通訳者の確保などの課題もありますが、全県においてメール119番を利用した緊急通報システムの整備が図られるよう努力してまいりたいと考えております。 ◎健康福祉部長(馬淵義博君) (登壇)聴覚障害者のコミュニケーション支援についての御質問にお答えします。  手話通訳者の養成についてでございますが、現在、本県では手話通訳者として129人の方に活躍をいただいております。こうした状況のもと、ことしの3月に策定いたしました障害者福祉しがプランにおきまして、手話通訳の派遣について、平成23年度の目標値を年間延べ5,300回と設定しているところでございます。この目標を達成するに当たりましては、おおむね170人の手話通訳者を必要とすると考えておりまして、養成に取り組んでいるところでございます。  資格を取得されるに当たりましては、厚生労働省が定めるカリキュラムでの養成講座の受講を経て、統一試験に合格されることが必要となっておりますことから、県では、基本講座、応用講座、実践講座を実施いたしまして、受講いただいております。手話通訳者統一試験の本県の合格率は、おおむね30%で、全国平均と同様となっておりまして、こうした状況から、養成講座の受講者をふやすこと、試験の合格率を向上させることが必要と考えております。  このため、平成18年度から養成講座の受講定員を20人から40人にふやすとともに、その会場を、従前1カ所でございましたが、2カ所にふやしまして、草津市の県立聴覚障害者センターと東近江市の能登川支所で開催いたしております。また、開催日時につきましても、従前は平日の昼間だけということでございましたが、夜間を加え、さらに土曜日、日曜日にも開催いたしております。  さらに、今後、試験の合格率の向上を図りますために、厚生労働省が定める90時間を上回る、既に124時間の講習を実施いたしておりますほか、再受験しやすい環境づくりを進めますためにフォローアップ講座も開催してまいります。  なお、活躍いただく場合のそれぞれの活動に係ります対価等につきましては、市町の事業という位置づけもございまして、私どもも、適切なものとなるように、市町とも連携を図りながら、今後とも進めてまいりたいと考えます。  次に、緊急時における手話通訳についてでございますが、緊急また救急等の場合にありましては、身近な地域で聴覚障害者の日ごろの状況などを理解されている手話通訳者に対応していただくことが大切と考えております。昨年10月には障害者自立支援法が施行されまして、手話通訳者の派遣等を行うコミュニケーション支援事業を市町が実施されることとなっておりまして、その中で、彦根市ではことしの4月から、消防本部と市の福祉部門が連携されまして、緊急時における手話通訳の派遣について連絡網を確立され、速やかに対応いただき、聴覚障害者の緊急時における安心の確保に努めていただいております。  こうした取り組みにつきましては、身近な地域で緊急時に手話通訳者を派遣する仕組みといたしまして有効な手段と考えられますことから、先進事例として他の地域にも情報提供を行いまして、普及ができますよう努めてまいりたいと考えております。 ◆14番(西川仁君) (登壇)健康福祉部長にお尋ねしたいと思います。  緊急通報で手話通訳者の対応というのは、現在の手話通訳者数ではなかなか大変だというのが識者の意見です。どうしても通訳者を幅広くできなければ、こういう体制についても、緊急度はわかるが、なかなかできないというのが意見でした。そういう上では、手話通訳を育てていくというのは非常に大事なことなのですが、2つ問題があると思うのです。  その1つは、例えば、平成18年の合格者は7人おられるのですが、一番短い方で2年と半年かかっています。長い方であれば、手話サークルなどから含めて9年かかっておられます。こういう育成に非常に時間がかかるということが一つ問題なので、それを短縮していく上で、あるいは同時に、先ほども言いましたが、底辺を広げるという市町村の努力を県としてもするということが一つの大問題だと思うのです。  2つ目は、そして苦労して手話通訳者になっても、なかなか身分が保障された職業になり得ないというのが実態になっています。ですから、若い人がなかなか育たないというのも実態なのです。  この2つのことを緊急に改善していく努力方向というのが大事だと思うのですが、健康福祉部長の見解をお尋ねしておきたいと思います。 ◎健康福祉部長(馬淵義博君) 再質問にお答いたします。  まず、養成についてでございますが、先ほど申し上げましたように、現在、1年間で40人の方に受講いただく体制をとっておりまして、合格率が30%といたしますと、十数名の方が、現行のままでいきますと、毎年、通訳者としての資格をとっていただくということになるわけですが、これをもってして十分ということではございませんでして、その合格率を上げるとともに、受講の機会を充実しながら、多くの方に参加いただけるようにしてまいりたいと考えます。  特に、この受講時間そのものにつきましては100時間等々という時間になるわけですが、やはりなれていただくために相当の期間を置きながら十分な体制で取り組みいただくということが必要でございまして、期間の短縮につきましては、なかなか難しい状況と考えております。  それから、そういうふうに資格をお取りいただけまして、実際に手話通訳者として活躍いただくことになるわけでございますが、その場合に、活躍の時間等も考えますと、やはり市町の方で一定の対価をお支払いする。その中でできる限り安定的な状態になるようにということで、今後とも市町と連携をとりながら考えさせていただきたいと思います。 ◆14番(西川仁君) (登壇)以上で終わります。 ○議長(出原逸三君) 以上で、西川仁君の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後3時10分 休憩    ────────────────   午後3時46分 開議 ○議長(出原逸三君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。  次に、25番宇賀武君の発言を許します。 ◆25番(宇賀武君) (登壇、拍手)一般質問も3日目を迎え、発言者も、私を含めて、残り2人となりまして、大変お疲れのことと存じますが、もうしばらく、よろしくお願い申し上げます。  さて、今期定例会におきまして、各会派や議員諸兄におかれては、11月臨時会を踏まえて、嘉田知事の任期と時を同じくする滋賀県中期計画を廃案して策定される滋賀県基本構想(案)とマニフェストの実現性、ならびに新たな財政構造改革プログラムに、県民の声を大にする厳しい質問や議論が集中いたしております。これらを受けまして、新年度、すなわち平成20年度予算編成は、嘉田県政の歩みを方向づける上からも、また、パートナーとなる13市13町を初め、各種組織、団体にとりましても大変重要な予算編成になるものと存じます。  こんな中、知事は、現在と同様の行政運営を継続すれば、平成20年度には約400億円、平成21年度約460億円、さらには平成22年度においても約450億円の財源不足が予測されると説明されてこられ、新たな財政構造改革プログラムに沿った事業仕分けや補助金の見直しに着手しようとされております。財政の健全化は避けて通れませんけれども、急激な改革や変革には、県民の戸惑いや、基礎的自治体であります市町の行政運営に停滞や支障を来すものとなりはしないかと、危惧の念を持つものであります。  つい先日も、滋賀県市町会など4団体が、県以上に厳しい市町の財政を全く無視しているなどとして、内容と実施時期の再考を求める要望書が、また、東近江市も医療費の個人負担の引き上げやコミュニティーバスの運行対策費補助金削減等、3年間で6億4,300万円余に上る、今回の改革の再検討の要望書が、知事初め、関係部局に提出されました。このことは、各市町の窮状を如実に物語っており、ある県民からも、せっかく知事を信じ、マニフェストの実現を期待して支援したのに、全く信頼できなくなったとのお手紙をちょうだいいたしました。今こそ勇気と決断で長期的視点に立って、すべての県民が希望を持って力強く歩んでいける政策と施策を、そしてリーダーシップを発揮されるべきだと考えます。  それでは、通告に基づきまして、次の2点について、知事ならびに商工観光労働部長にお伺いいたします。  まず初めに、下流府県等の利水の見直しについて伺います。  8月28日に淀川水系河川整備計画の原案が国から示されるとともに、10月10日開催の琵琶湖淀川水系問題対策特別委員会において参考人として出席願った国土交通省近畿地方整備局の谷本河川部長は、年度内に河川整備計画を策定したいと説明されたところであります。そうであれば、河川整備計画を策定するためには、大戸川ダムおよび丹生ダムについて、利水参画されている下流府県等の利水事業体の撤退問題についても、年度内に最終的な整理がなされることが必要となってくるはずであります。  顧みますると、この問題に関しましては、平成15年度に大阪臨海工業用水道企業団解散に伴い、同企業団の保有していた水利権の扱いが議論された結果、このことは将来の淀川水系全体の水需給のあり方にもかかわるものであることから、暫定的な措置として、当面、大阪府がこの水源の管理を行うこととされ、この水系全体の水需給のあり方が合意される際に、改めて見直されることとなったと理解いたしております。  したがって、今回の大戸川ダムおよび丹生ダムに係る利水の撤退問題の解決とセットで、この問題の確定処理も行う必要があると考える次第であります。  また、最近では、下流府県等の利水団体のダムおりが、あたかも当然かのような風潮があるように思われてなりません。そもそも下流の利水のため、さらには水系の発展のために必要な利水ダムであるということで苦渋の決断をされ、協力してこられたのは、大戸川ダムならびに丹生ダムの水源地域の方々であり、それが今また、下流の利水事業体の水需要予測が誤っていたということから、新たに地域の将来が不確かな状態に置かれることになったわけでありますから、こうした風潮は大変遺憾なことだと言わざるを得ません。  したがって、今回、大戸川ダムおよび丹生ダムに関する利水の撤退が整理され、河川整備計画が策定されるのであれば、当然、この確定処理も含めた、水系全体についての水需給のあり方が、上下流域合意のもとに確定されるべきものと考えております。しかしながら、現在のところ、この水系全体の水需給のあり方の全容は明らかにされておりません。  そこで、県は、この水系全体の水需給の決着に向けて、下流府県等の利水の見直しの全体像を、現時点でどの程度把握しているのか。また、今後、下流府県等の利水見直しに係る最終的な整理に向けて、どのように取り組もうとしているのか。本県の基本姿勢について、知事にお伺いいたします。  次に、新しいものづくり県について、商工観光労働部長に伺います。  今日、我が国の産業を取り巻く環境は、個人消費の伸び悩みで、国内市場の低迷やグローバル化による世界的な競争が激化しているため、厳しさを増しております。また、原油を初め、原材料高の中で、これらのコストを製品に上乗せできない、ものづくり企業の収益が悪化し、経営に影響が生じております。  本県産業は、これまで大企業が多数立地する大阪府や名古屋市などに近いという地理的条件で優位とされてきましたが、製造業における海外進出の急速な拡大なども加わり、従業員4人以上の事業所数で見てみますと、ここ20年では、平成2年をピークとして、その平成2年と比べて平成18年には3割減となるなど、ものづくり産業の比率が極めて高い本県産業の地域間競争や持続的発展力が弱体化していくのではないかと大変心配をいたしております。  こうした状況の中、本県経済の活性化のためには、県内産業の多数を占める中小企業が厳しい競争に勝ち抜くことが重要であり、先端技術を活用した新しいものづくりや、国内外に通用する新規産業の創出、育成等が不可欠であります。また、県の商工労働行政の基本として中小企業振興の理念を取り入れた振興条例の制定も求められているところであります。  先端技術を活用した特徴ある製品の開発や、生産技術の改善、革新に中小企業が取り組むためには、産業界の思いを実現できる、産学官連携を進めることが、本県産業発展の可能性を伸ばすかぎになってくるものと考えます。そのためには、本県に集積する大学、民間の研究機関、県立試験研究機関が連携を深め、それらの知的資源を県内中小企業が最大限活用できる環境を整備する必要があると考えますが、産学官連携による新しいものづくりについて、商工観光労働部長に、どのようにお考えか、伺います。  また、産学官連携によって中小企業の発展を図っていくには、企業が持つ基盤技術、大学が持つ知的資源、公立試験研究機関が持つ応用化技術をうまくコラボレートすることが求められております。しかしながら、実際に産学官が連携を進めていく上で、中小企業などは研究設備や人材などの研究開発資源が少なく、大学等の知的資源を十分活用できていない、また、アイデアを実現できないという現状であります。  このため、中小企業やベンチャー企業が、産学官連携による新技術開発等に容易に取り組める仕組みが必要と考えられますが、今後どのような取り組みをしていかれるのか、商工観光労働部長にあわせてお伺いいたします。  よろしくお願い申し上げます。
    ○議長(出原逸三君) 25番宇賀武君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)宇賀議員の下流府県等の利水の見直しについての2点の御質問にお答えさせていただきます。  まず、1点目ですが、この水系全体の水需給の決着に向けて、下流府県等の利水の見直しの全体像を現時点でどの程度把握しているかとの御質問でございます。  国土交通省近畿地方整備局において、各利水者の水需要の現状と将来見通しについて、現在、精査、確認が行われていると伺っております。  平成17年7月の淀川水系5ダムについての方針において、各ダムの状況が示されました。それによりますと、下流の利水者においては、社会経済情勢の変化から、利水参画の見直しがされております。その中で、丹生ダムに参画している大阪府、京都府および阪神水道企業団、大戸川ダムに参画している大阪府、京都府、大津市については水需要の下方修正や転用等により、両ダムから撤退の見込みであるとされております。また、本年8月に公表されました淀川水系河川整備計画原案においても、利水者の撤退を前提としてまとめられております。これらについては、いずれも関係者との協議を進めていくこととされておりますが、その状況は明らかにされてはおりません。  そのような中で、2点目の下流府県等の利水見直しにかかわる最終的な整理に向けての本県の基本姿勢についての御質問でございます。  丹生ダム、大戸川ダムは、昭和30年代の人口増大と高度経済成長による下流府県の水需要の増大に伴い、地下水のくみ上げによる地盤沈下の問題が深刻化する中で、水源を本県内に求め、昭和47年に始まる琵琶湖総合開発を初めとする水資源開発の一環として進められてきたものでございます。  これらの事業の実施に当たりましては、議員の御指摘のとおり、地元の住民の皆さん、特に大戸川ダムにつきましては、大鳥居、桐生辻などの集落の方、また、丹生ダムにつきましては、高時川流域集落の皆さんに大変な御苦労をおかけいたしました。この水系全体の安定的な水供給のための必要性を御理解いただき、何代にもわたって築いてこられた生活基盤を離れ、移住するという御苦労をいただいたわけでございますが、利水者、事業者、地元の合意と協力のもとに進められ、地元の皆様の思いは、はかり知れないものと痛感しているところでございます。  最近の水需要の変化によって利水者が利水参画を見直し、それぞれのダム事業から撤退されること自体は、合理的な水利用という観点からは理解できるところであります。しかし、今述べましたような経緯を踏まえますと、利水者側のみの事情によって、水源地域の地元住民、地元自治体や本県が一方的に不利益をこうむらないよう対応されることが必要でございます。ましてや、この問題は一府県への影響にとどまらず、水系全体に及ぶものであるだけに、こうした配慮は当然のことと考えます。  現在、淀川水系河川整備計画および淀川水系水資源開発基本計画、いわゆるフルプランという、淀川水系全体の治水、利水、環境の将来にかかわる計画の策定に向けての議論が進められているところであります。本県としては、水源県としての立場から、水系全体の河川管理者であり、水資源の総合調整を行う立場にある国土交通省に対して、丹生ダムおよび大戸川ダムといった、本県にかかわる利水施設を初め、水系全体の水需給のあり方を早急に示されるとともに、先ほども述べましたような経緯をしっかりと踏まえて、社会的公正と信義に基づく確かな調整と対応をしていただくよう求めていきたいと考えております。  折しも、上流、下流とも、それぞれの立場から相反するさまざまな課題を抱える中ではありますが、こうした適切な調整と対応を経て、水のつながりによる運命共同体である淀川水系全体にとって、今後の協調と、さらなる発展に資するような計画が策定されるよう、本県として誠実に対応していきたいと考えているところでございます。 ◎商工観光労働部長(沢井進一君) (登壇)新しいものづくり県についての御質問にお答えします。  1点目の産学官連携による新しいものづくりにつきましては、本県地域産業が地域間競争に勝ち残り、持続的に発展するためには、先端技術を活用した新しいものづくりや、国内外に通用する新規産業の創出、育成が今後一層重要性を増してくるものと考えております。  このため、これまで5つの理工系大学を中心に大学の知的資源を活用した産学官連携によるものづくりを進めてまいりました。例えば、工場から排出される廃棄物、排水などを工業薬品のりん酸やフッ酸などの原料として再生する技術開発を、産学官が力を結集して実施しておりまして、約20の県内外の企業と大学のネットワークができているほか、製造技術分野など、新しいものづくりに向けた連携を進めております。  新しいものづくりにおきましては、こういった産学官連携の成果を活用しながら、事業化に取り組んでいける中小企業やベンチャー企業をふやしていくことが必要であります。このため、県内企業を産学官連携の成果とともに、持ち前のすぐれた技術や特徴ある技術を生かして、取引先に新技術や新製品を提案できるパートナー企業や、消費者ニーズの変化に即座に対応できる、消費者に選ばれたものづくり企業への転換を促進していきたいと考えております。  次に、2点目の研究開発資源に乏しい中小企業などが、産学官連携による新技術開発に容易に取り組めるための仕組みづくりについてでございます。  中小企業などが大学の知的資源を活用しやすくするための出会いの場である産学官ニーズ・シーズプラザや、ビジネスカフェあきんどひろばなどを開催しますとともに、コーディネーターを設置して、産学官連携の橋渡し活動を行っております。  また、本県の中核支援機関であります産業支援プラザとともに、産学官共同研究プロジェクトなどのテーマの掘り起こしから、企画立案やコーディネートも積極的に行い、具体的な連携の成功事例を生み出すとともに、工業技術センターにおいても、中小企業者の技術力の向上に努めております。  今後におきましては、これらの支援に加え、中小企業の多様で感性豊かなものづくりや、経営面での会計や税務など、体質強化が重要なことから、文科系大学についても、経営アドバイスや知的所有権の保護など知的資源の活用のすそ野を広げるよう取り組んでまいりたいと考えております。  さらには、商社との間で連携と協力に関する協定を締結し、製品の販路拡大などを支援するために、市場開拓面などにつきまして連携強化を図るとともに、中小企業などにとって最も切実な資金環境の充実を図るために金融機関との連携を強化し、いわゆる産学官金連携を進めていきたいと考えております。  今後とも、県内大学の高度な知的資源を生かし、次代を担う、創造的で活力あるものづくり企業の育成に積極的に努めてまいりたいと考えております。 ◆25番(宇賀武君) (登壇)ただいま知事に御答弁いただきました。本県が不利益にならないための御努力をお願いしたいと思います。  それでは、商工観光労働部長に再質問をさせていただきます。  ただいま部長に御答弁いただきましたように、本県の経済振興を図る上からも、今後ますます産学官、あわせて金融機関を含む連携が大変大切でありますことは、論をまちません。ところで、新産業や新事業創出、さらにはベンチャー企業育成においては、ビジネスプランの作成から事業化までの取り組み、加えて資金調達の支援は欠くことのできない項目であります。  これら企業化や、成長を目指される中小企業のニーズに当局はどのように対応を図ろうとされているのか、具体的にお尋ねいたします。  また、我が国の総人口は、平成17年、すなわち一昨年から戦後初めて減少に転じております。本県におきましては約10年ほどおくれて、平成27年ごろには減少時代を迎えるとの予測もされております。将来にわたって人口減少による供給、需要における本県経済への影響が考えられますし、また、人口構造を見てみますと、本県の年少人口割合、すなわち0歳から14歳を意味しております。また、生産年齢、15歳から24歳までの人口割合も、ともに減少傾向にあり、平成17年の66.5%から、平成42年には60.4%まで減少すると予想もされております。  一方、老年者人口、すなわち65歳以上でありますけれども、増加の一途をたどっておりまして、少子高齢化が本県においても顕著にあらわれているところでございます。この少子高齢化の進行は労働人口の減少を招き、本県産業にも大きな影響を及ぼすと、私自身は懸念いたしております。  こうした時代背景の中で、現役時代に培ってこられました、とうとい知識、技能、技術を持つ老年者の活用は今後大切ではないかと仄聞いたします。特に戦後の団塊世代と言われる、昭和22年から24年生まれが持っておられる技術、技能は、後継者の育成やものづくり立県を支える人材の育成の観点からも、貴重な存在であろうと思いますが、活用への取り組みについて、あわせて、新たな財政構造改革プログラムについて、先ほどの部長の御答弁を実施してまいりますためには、それを裏打ちする財政が伴っていかなければなりません。このところの整合性について、もう一度お伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(沢井進一君) 3点の再質問にお答えをしたいと思います。  まず1つ目のベンチャー企業育成のためのビジネスプランの作成から事業化までの取り組みと、資金支援についてのお話でございます。  県では、ベンチャー企業や中小企業が本県経済を担う企業へと成長するために、専門家による事業計画や経営支援等を行います。そしてまた、事業の立ち上げから企業化まで、企業の成長段階に応じて多様な融資、補助制度を設けながら、新製品、新技術に関する研究開発、経営革新を目指す中小企業者が容易に資金調達を行えるように支援しているところでございます。構想段階から研究開発段階、そして商品開発段階、事業化、市場化段階、成長段階に応じて、それぞれ技術支援、連携支援、基盤支援、資金支援というような形で支援をしております。例えますと、研究開発段階での中小企業新技術開発プロジェクト補助金や、株式上場を目指す滋賀ベンチャー育成ファンドなど、多様な支援策を展開しております。  今後とも、これらの支援を通じながら、切れ目なく資金調達が図れるよう取り組んでまいりたいとも考えておりますし、先ほど言いました基盤支援では、レンタルラボからテクノファクトリー、そしてまた工業団地というような形でのステップを踏んでいきたいとも思っております。  2点目の団塊の世代の技術、技能の活用によります後継者の育成や、ものづくり立県を支える人材の育成についての御質問でございます。  県内中小企業にとって団塊世代の方々は本当に貴重な存在でもございます。民間では、OBの方々がNPO法人などを組織されながら、企業、業種の垣根を越えて技術の伝承や人材育成などで活躍をしておられますし、県といたしましても、これら人材に、財団法人滋賀県産業支援プラザなどの専門家派遣事業や技術研究事業では御協力をいただいておりまして、今後も人材育成や後継者育成など多方面で活用をさせていただきたいと考えております。  最後の、新たな財政構造改革プログラムの主な見直し事項との整合性についてでございます。  我々の部では、新たな財政構造改革プログラムの策定に当たりまして、大変厳しい状況の中ではありますけれども、施策、事業のより戦略的な推進および選択と集中を図るために、経済情勢の変化や企業ニーズなども踏まえながら、施策、事業の効率性や効果などから検討してまいっております。  今後も、より効率の高い施策の重点化や実施上の工夫を凝らしながら、県の持てる限られた財源を大切に使いながら、また、国等の制度も有効に活用しながら、新しいものづくり県に向けた努力をしてまいりたいと考えておりまして、先ほど言いました施策の推進について、我々としては一生懸命頑張ってやっていくつもりとしております。よろしくお願いします。 ◆25番(宇賀武君) (登壇)県内の事業所に占める中小企業の割合は、99%が中小企業だとお聞きいたしておりますが、県内の産業を支えておられるのは、これらの中小企業の頑張りがあってこそであります。  そこで、県は、平成15年に滋賀県産業振興新指針を策定いただきまして、創造型、自律型産業構造への転換を基本とした産業振興の諸施策に取り組んでいただいてきたところであります。しかし、新指針が策定されまして以後4年がはや経過し、その間、社会や経済情勢も急激に変化いたしておりますことから、このたび、それらの指針を見直していこうと、また今取り組んでいただいているようでございます。  今申しましたように、そういう急激な変化に中小企業あるいは零細企業が対応できるような新指針の見直しであってほしい、また、改定であってほしい、このように考えているわけでありまして、今後の中で十分私の思いを受けとめていただき、実のある、また、実の上がる新指針の改定になりますよう、私から要望させていただきまして、質問を終わります。よろしくお願いします。(拍手) ○議長(出原逸三君) 以上で、25番宇賀武君の質問を終了いたします。  最後に、45番中沢啓子さんの発言を許します。 ◆45番(中沢啓子さん) (登壇、拍手)ことし最後の質問となりました。もうしばらくお時間をいただきたいと思います。  桜は厳しい寒さがあって初めて花が咲くと言われております。滋賀県もこの厳しさを超えて花咲く日を願って質問させていただきたいと思います。  医療制度改革について、知事および健康福祉部長に質問いたします。  医療制度改革に伴い、3つの計画や構想の策定と、2つの計画の見直しに取り組まれております。計画には、滋賀県医療審議会、「健康いきいき21」推進委員会、滋賀県高齢化対策審議会などの委員会や審議会で議論がなされてきたと思います。多くの計画案に対して何時間を費やされたのでしょうか。例えば、医師会は個人事業主の集まりですが、推進しますと計画の中に書いてあっても、真の動機づけがなされていなければ、絵にかいたもちにすぎなくなることが危惧されます。まず、実効ある計画にするためには、現場の理解と協力が大切ですが、特に保健医療計画の策定に当たって、現場の声をどのように聴取されましたか。今後、計画に対してどのように意見を聞き、理解を求め、協力体制をつくろうとされているのでしょうか、健康福祉部長にお伺いいたします。  滋賀県保健医療計画案は、5年間の計画であり、県が策定する県全体の計画です。計画として、数値目標など具体性が非常に少ないと感じます。その上、努力します、図ります、求めていくこととなります、努めますなどの言葉が多く、具体的な計画としての性格が弱く感じます。数値目標、取り組みなど、この計画をもとに、どのように具体的に取り組まれるおつもりか、健康福祉部長にお伺いいたします。  また、この計画案の第3部、総合的な保健医療提供体制の整備の、施策の基本方向と目標の中には、多く、保健・医療提供体制の充実、医師等の確保と明記しておられます。この計画は、平成20年度から24年度までの5年間の計画です。産科医、小児科医は現在でも不足しておりますし、例えば認知症において、現在、精神科、神経内科が担当していますと書かれていますが、成人病センターや彦根市立病院でも不足してきております。看護師は10対1看護から7対1看護に変わったことから、地方の病院や医院でさえも看護師不足に困っております。  このような現状を把握し、今後さらに体制の充実強化をしたり、新たに在宅医療の取り組みを推進していくためには、24時間訪問看護体制、医師の往診体制が必要となります。さらには、医療の診療請求が平成23年度から完全電子化、オンライン化される予定と耳にしています。そうなると、一次医療を支える高齢の医師の方々の大量の廃業ということが危惧されます。身近な医療の崩壊が決定的になる可能性もあります。その上、在宅医療を推進していくとなると、この計画期間中の取り組みが非常に大切になります。  この5年間の医師、看護師を初めとする医療従事者、また、医療と福祉の連携の中での介護職を初めとする福祉従事者は相当多くの需要が見込まれますが、どのように確保されるおつもりでしょうか、健康福祉部長にお伺いいたします。  また一方、医療費の伸びを無理なく抑えていくための滋賀県医療費適正化計画案を策定しておられます。その中に医療費の見通しがありますが、医療費の自然増に加えて、暮らしを守る福祉医療費の増大への対応も必要となってまいります。さらに、特に保健医療計画を実行するのに予算の確保が必要となると考えますが、予算との関係はどのようにお考えでしょうか、健康福祉部長にお伺いいたします。  次に、周産期医療・母子保健医療対策の中で、助産師の活用など多種多様なお産環境の整備に努めますとあります。助産師の養成は、ただ単に数がふえればよいというものではなく、だれがどのような理念のもとに教育し、養成するかが極めて重要な問題です。欧米では、助産師は医師とは独立した専門職として、助産師は助産師が育てるという理念のもとに助産師の養成が行われています。また、今日の出産をめぐる環境整備の一環として、新たに始める院内助産所のみではなく、本来持っている助産師としての役割を最大限発揮できる助産所の活用、助産師の確保はますます重要になってくるところだと思います。また、開業助産所の活用には、嘱託医の確保と医師との連携が必要です。先進諸外国を見れば、集約化に失敗し、助産師を活用した地域化に向け取り組んでおられます。出産のあるべき姿を見据えつつ、助産師の活用、助産所の開設など多様なお産環境の整備に取り組むことが望まれており、計画の中での具体的な取り組みが必要です。知事の御所見を伺います。  また、この計画は、県として県民の医療についての計画となります。決して県立3病院だけではなく、県全域の医療の充実に取り組むことが求められています。この点からも、地域病院や自治体病院や診療所など、県立以外の医療施設との連携を深めることが大切です。公立・公的病院などは、県民の医療に大きな役割を果たしております。しかしながら、現状の項目の中では、今問題となっている自治体病院の経営状況については触れられておりません。この問題は、県全域の医療を考えたときには大きな影響を与えます。県としてどのようにお考えか、知事にお伺いいたします。  改革としては、10対1看護よりも7対1看護がいいことです。ただ、現実には看護師の数が足りないことで、さらに地域間格差、病院間格差を広げてしまいました。また、障害者自立支援法は、目指すべき方向性は是としても、実際の計画では障害者の自立を妨げてしまうものとなってしまいました。医療において命の部分で格差があってはなりません。今後、病気になる率が高くなる高齢者の人口がふえ、当然、医療費の増加も考えられます。健康で長生きできることが一番ですが、病気になったとき、しっかりと対応してもらえることは、大きな安心につながります。ぜひとも、現場の声、患者の声、看護、介護する人の声を聞いて、お互いが協力し合いながら、安心できる医療体制の構築に取り組んでいただきたいと思います。  最後に、県民の命と暮らしを守る知事の決意をお伺いいたします。 ○議長(出原逸三君) 45番中沢啓子さんの質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)中沢議員の医療制度改革についての3点の御質問にお答えさせていただきます。  まず、1点目の出産のあるべき姿を見据えた多様なお産環境の整備について、具体的な取り組みについての御質問でございます。  子供を産み育てることに喜びを感じることができる社会の実現を私たちは目指しているところでありまして、その出発点は、安全で心休まる出産環境の整備であると考えております。特に周産期死亡率、新生児死亡率、乳児死亡率が全国平均より高率である本県の状況の中では、妊娠、出産の安全性の確保は、大変大きな優先課題であると考えております。  保健医療計画にも示しておりますが、本県では、安全性を確保した上で、多種多様な出産環境を整備する取り組みといたしまして、2種類の事業を実施しております。  1つは、院内助産所モデル事業でございまして、本年11月より大津市民病院で助産師外来が開始されております。また、来年4月には、市立長浜病院で助産師外来が開始される予定でございます。もう一つは、滋賀医科大学附属病院で、周産期医療施設オープン化モデル事業を実施しております。26名の医師と6名の助産師が登録し、登録された助産師からは、「助産所で出産を希望する人はリスクが低い人に限られているために事業の活用には至っていないが、この事業があることは心強い」との意見を伺っております。今後は、これらモデル事業の成果をもとに、本県にふさわしい多様な出産環境のあり方について考えてまいります。  その中で、助産師の皆様には、出産・育児支援の専門職として、妊娠から分娩、さらに産後においても適切な育児ができるよう、母子および家庭への援助を行うとともに、女性のライフサイクルにおける性と生殖をめぐる健康問題全般における保健指導を実施するという大変大事な役割を担っていただいております。本県においては、子育て・女性健康支援センターや不妊専門相談センター、市町が行う母親教室および妊産婦や新生児への訪問、生後4カ月までの全戸訪問事業等、既に多くの場で助産師の皆様に御活躍いただいておりますが、今後も周産期医療、母子保健対策において、重要な役割を果たしていただくことを期待しております。  2点目の保健医療計画に今問題となっている自治体病院の経営状況などが触れられていない。県全体の医療を見たときに大きな影響を与える。その実態についての見解をとの御質問でございます。  現在策定中の滋賀県保健医療計画は、医療法に基づいて策定するものであります。その記載事項については医療法に規定があります。今回の保健医療計画の改定の主要な目的は、医療機関の役割分担と連携を進め、患者にとって急性期医療から慢性期を経て在宅療養までの切れ目のない医療提供体制を構築することでありますことから、具体的な経営にまで触れておりません。  しかし、公立病院は、今までにも救急医療、小児救急医療、また、周産期医療、僻地医療などの政策医療を展開するとともに、一般医療を通じて地域医療に大きく貢献してきていただいております。そのような中で、全国の多くの公立病院で経営状態が悪化するなど、極めて厳しい状況になっております。公立病院が、今後とも地域において必要な医療を安定的かつ継続的に提供していくためには、改革が避けて通れない課題となっております。  そうした中で、総務省において取りまとめられた公立病院改革ガイドライン案では、地方公共団体は経営効率化、再編・ネットワーク化、経営形態の見直しという3点について検討を行い、公立病院改革プランを平成20年度内に策定することとされております。公立病院改革の目的は、地域において必要な医療を安定的に提供するための体制を確保することにあります。  そのためには、過疎地域における医療、救急、小児、周産期など不採算部門にかかわる医療、高度先進医療の提供など、政策的に公立病院の果たすべき役割を明確にしながら、地域の実情を踏まえ、住民の視点に立って検討していくことが大切でありまして、県といたしましても、保健医療部局、また、自治振興部局ともに市町と思いを共有しながら取り組んでまいりたいと考えております。  3点目の県民の命と暮らしを守る知事としての決意でございます。  本県の県政世論調査では、力を入れてほしい県の施策の1番目として、病院などの医療サービスを提供する取り組みが挙げられております。こうしたことから、本保健医療計画では、本県の特性を踏まえ、特に次のような内容を重視することにいたしました。  1点目は、子供人口の比率の高い本県の特徴をもとにした周産期医療や小児救急医療などの充実を目指して、次世代育成型の保健医療提供体制の整備を図ること。  2点目には、医療機関の機能分化と連携を推進することにより、入院治療から在宅療養に至るまでの切れ目のない医療提供体制を構築し、病気のステージに応じた、患者中心の適切な医療を提供すること。  3点目は、海外との行き来が活発となることにより、これまで国内では余り知られていなかった感染症の発生が危惧され、さらには、輸入食品、医薬品などによる県民の生命、健康の安全を脅かす新しい危機が発生しております。これらに対応するため、健康危機管理体制の充実を図ること。  そして4点目には、県民の皆さんによる医療資源の有効な活用を図るために、県民と医師等専門家との間の、より丁寧な双方向のコミュニケーションを深める取り組みを行うという点でございます。  私は、健康で生き生きと暮らすことは、世代を超えてすべての人の願いであると考えております。地域や家庭で、医療や介護が必要になっても、人と人とが支え合い、人生80年時代を、だれもが生涯を通じて、住みなれた自宅や地域で自立して心安らかに暮らせる健康福祉の社会づくりを目指し、私自身が先頭に立って頑張らせていただきます。 ◎健康福祉部長(馬淵義博君) (登壇)医療制度改革についての4点の御質問にお答えします。  まず、1点目の計画の改定に当たっての現場の声の聴取、今後の協力体制についてでございますが、保健医療計画の改定に当たりましては、まず、各保健所におきまして、地域の保健医療計画委員会を開催いたしまして、地域の医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会、病院長、市町の担当者、さらに健康推進員など各関係者に参加をいただき、それぞれの保健医療圏におけます現状と対策などにつきまして御意見をお聞きしたところでございます。  例えば、湖東圏域におきましては、昨年の夏以降、委員会を5回開催するとともに、必要に応じまして、個々にお聞きしております。今後、計画を推進するに当たりましても、保健所が中心となり、各地域に協議の場を設け、関係者に参加していただき、病院と病院、病院と診療所をつなぐ診療計画の作成などを通じて、医療機関の間での連携が深まり、さらに、この診療計画を実行していく中で資源の有効活用が図られ、お互いの協力体制が構築されますよう取り組んでまいります。  次に、2点目の具体的な取り組みについてでございますが、現在策定中の県保健医療計画では、基本的な方向といたしまして、総合的な保健医療サービスの充実、次世代育成型の保健医療体制の充実、生涯を通じた県民の主体的な健康づくりの促進、健康危機管理体制の充実、県民による医療資源の有効な活用等の5つを目指すことといたしております。  そして、保健医療体制を整備いたしますため、医療法に基づきます救急医療等の5事業、がん、脳卒中等の4疾病への対応に加えまして、本県の状況をもとに、在宅医療、精神保健医療福祉、高齢者保健医療福祉など11事業につきまして、県、市町、医療機関、関係団体がそれぞれの役割を果たすとともに、連携を図り取り組むことといたしております。  現在、県民の皆さんの意見募集を行っておりまして、意見の反映に努めまして、今年度中に策定し、計画の内容を県民の皆さん、関係機関、関係者が理解をいただき、それぞれの役割について、連携のもとに対応いただきますよう、各種の広報によって周知を図りますとともに、各種の会議の場を通じて全体的な推進を働きかけてまいりたいと考えております。  こうした中で、特に喫緊の課題でございます、がん医療体制、周産期医療体制、精神科救急体制の充実、さらには、感染症発生動向の把握、児童虐待防止を図るための医療機関との連携強化、医療機能情報のホームページでの公表、地域連携クリティカルパスを持っている医療機関の割合を30%以上とすることなど、緊急性を勘案しながら、早期の具体化を図ってまいります。  3点目の医療従事者、福祉従事者の確保につきましては、まず、医師の確保についてでございますが、今後も厳しい医師不足の状況が続くと予測されます。このため、短期的な視点と中長期的な視点をあわせ持ちながら、病院や医療関係団体などと連携を図りつつ、医師確保に向けまして、県職員としての医師の募集や女性医師の臨床復帰支援など、即効性のある取り組みを進めますとともに、病院を医師にとりまして魅力あるものにするための支援などに、総合的かつ多角的に取り組んでまいります。  次に、看護職員の確保についてでございますが、御質問にもございましたように、より手厚い看護体制の導入や在宅医療等の推進によりまして、看護職員の需要が高まると考えられ、その一方で、療養病床の再編などが進められることにより変化が出てくることも予測されるところでございます。こうした今後の状況を見きわめながら、養成力の確保のための看護師養成所の支援や、就学資金の貸与、離職防止を図るための病院内保育所の設置促進や、新人看護師へのカウンセラーによる相談、再就業を促進するためのナースセンターによる就職あっせんや復職支援のための研修の実施などに努めてまいります。  次に、福祉人材の確保についてでございますが、人材確保の拠点となっております福祉人材センターが、無料職業紹介や人材確保相談事業を実施してまいります。また、介護職につきましては、県指定の養成機関におけるホームヘルパーの養成、県内の短期大学等での介護福祉士の養成が積極的に行なわれますよう働きかけてまいりたいと考えております。県みずからも、介護福祉士等の資格をお持ちになっておりながら介護職に従事されていない潜在的有資格者の掘り起こしを行ってまいります。  最後に、4点目の保健医療計画を実行するに当たっての予算についてでございますが、保健医療計画の実行に当たりましては、国、県、市町、医療機関がそれぞれの役割を担いながら進めることとなります。県といたしましては、国における既存の支援制度の活用と、本県の実態をもとに新たな制度の創設を提案することにより財源の確保に努めますとともに、緊急性等を考慮しながら、県の取り組みを行い、限られた財源を生かしながら、この計画の実現に精いっぱい取り組んでまいりたいと考えております。 ◆45番(中沢啓子さん) (登壇)健康福祉部長に再質問させていただきたいと思います。  多くの課題がある中での計画だからこそ、確実に取り組んでいただきたいと思います。受け皿がなくて医療難民、介護難民が発生するということが起こらないよう、ぜひとも頑張っていただきたいと思いますし、財政構造改革プログラム中で十分な予算があるとは思えませんが、だからこそ、この5年間で責任を持って、だれが、いつまでに何をするのかということが大切だと思います。計画の進行管理は県が行い、評価するということで計画の方にも載っております。数値目標の有無、予算の有無にかかわらず、施策、事業の取り組みをだれが主体となって、この5年間でどのようなプロセスを踏むのかを明らかにする必要があると思います。その工程表など、達成に向けて、しっかりと具体的に取り組んでいただきたいと思っておりますし、再度お伺いいたしたいと思います。身近なところで適切な保健医療サービスを受けるということができるよう、一貫した保健医療サービス提供体制の確立に向けて、誠意あるお答えをよろしくお願いいたします。 ◎健康福祉部長(馬淵義博君) 再質問にお答えいたします。  計画の具体的な取り組みに当たりましては、医療とあわせまして、介護等の福祉と一体的な対応を図ることを考えておりまして、計画におきましても、保健医療計画とあわせまして、地域ケアのための計画、方針等につきましても検討を進めてきているところでございます。  今後、こうした計画に基づきまして、病院、診療所、また、訪問看護ステーション、介護施設など、それぞれの地域の資源の参加をいただくわけでございますが、市町、また、県の健康福祉センターも一体となりまして、地域の事情に合わせて協議を行い、その中で関係者の合意形成を図りながら、事業の促進を図ってまいりたいと考えております。  こうした中で、全体としての工程をつくることにつきましては、現時点では非常に難しいと考えておりますが、まずは、特に喫緊の課題でございます、先ほど申し上げましたような事業につきまして、共有する中で一定のまとめを行いまして、進行管理に努めてまいりたいと考えております。  協力体制につきましては、全体的に協議を行う中で、それぞれ皆さんの役割を果たしていただけるように関係者にお願いし、県としても主体的に取り組むという観点で今後とも進めさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。 ◆45番(中沢啓子さん) (登壇)よろしくお願いします。  では次に、生きる力について、以下、知事および教育長にお伺いいたします。  今、新聞を開くと、いじめや親子殺人など、子供が健やかに生きていきにくい時代になったなと感じます。ストレスにさらされ、うつ病になる子供のことまでがニュースになっていました。この滋賀県でも、いじめの認知件数が464件となっています。こんな時代だからこそ、生きる力が非常に大事であり、家庭教育や地域の力が低下しつつある現代社会の中で、社会教育を含め、教育の果たす役割が大きくなっています。  まず、教育長は、生きる力とはどのようなものとお考えかをお伺いいたします。  私は、あの感動の映画「三丁目の夕日」の時代、昭和30年代に生まれ育ってきました。今ほど物は豊かではなかったけれども、いじめもあったけれども、日々、がき大将がいて、近所のお兄ちゃんやお姉ちゃんがいて、遊びのなかでさまざまなことを学んできました。その中で友達ができ、今も心の支えとなっています。あのころは、もっとゆったりとした時間が流れていたような気がします。現代の子供たちは、いつも忙し過ぎたり、日常生活の中で、なかなか遊びや体験を通して学ぶということができにくい環境になってしまいました。今の子供たちは、日常生活の中で、さまざまな人と触れ合う機会が非常に少なくなり、コミュニケーションがうまくできない、また、学校と塾と家の三角地帯から抜け出せず、息抜きのできない生活を送っているのではないでしょうか。  現代の子供たちに足りないものは何だとお考えでしょうか。子供たちの生きる力をつけるために必要なことは何だとお考えでしょうか、教育長にお伺いいたします。  先日、脳の科学の先生の話を聞く機会がありました。非常に興味深いお話でしたが、その中で印象に残ったことが幾つかあります。その1つに、人は生命体だということを忘れている。例えば7歳から13歳にかけて言葉の部分の脳が発達する。今は、言葉を言葉で教えようとする。でも、言葉はシンボライズされたもの、象徴されたものであるからこそ、体験からの言葉をどれだけ持っているかが大切だ。子供たちに必要なのは3,000語ですと言われておりました。では、どのような3,000語を持てばいいのでしょう。答えは、次の時代をどのような社会にしたいかということです。  子供たちは体験から得た言葉で考え、判断し、次の時代をつくっていくこととなります。子供たちがどのような体験をし、体験からくるどのような言葉を持つかが非常に大切なことです。例えば、達成するという言葉には、ただ単に辞書にある、なし遂げるということを知っているだけの子供たちと、苦しいことも思うようにいかないこともあるけれども、覚悟を決めて一生懸命取り組むとかない、そこにはさまざまな人の支えがあり、感謝した経験と達成したときの感動を持っている子供や青少年の達成するという言葉では、全く意味が違います。
     ことし1月の文部科学省の発表の中でも、体験学習の重要性が述べられております。地域の連帯意識が希薄化し、家庭の孤立化が進み、家庭や地域の教育力が低下していると言われる現在、子供や青少年の健全育成を図るために、生きる力を身につける環境学習、体験学習など、学校外の活動が非常に大切と考えます。  現在は、教師も生きる力を持たないまま大人になっていたり、生徒に怒ることができない教師も多くなってきたとも言われております。今一番大切な触れ合いや人を受け入れること、そして、本気で怒ってくれるお兄ちゃんやお姉ちゃんという存在が大切になっていると思います。そこに子供たちや青少年の居場所があり、そこでボランティアとして子供たちにかかわることで自信を持ち、自分の存在価値を認められる、そんな場所が真に求められているのだと感じます。  社会への規範意識、他人を思いやる心など、豊かな人間性をはぐくむ環境学習、体験学習は、学校外の活動として、いじめや不登校など、教育課題の解決のためにも非常に大切な役割を果たしていると思います。学校教育の中でも位置づけていくべきです。環境学習、体験学習の目指す姿は、また、そこで果たすべき教育の役割はどのようなものとお考えでしょうか、教育長にお伺いいたします。  まさに共生の社会をつくるために、子供たちがどう育つのかは、教育だけでなく、部局を超えた連携をし、社会の宝である子供たちが育つ環境が必要です。非日常の場所で初めて違う自分に出会えたり、自然の中で一緒に体験をし、人と触れ合うことで、人として大きく成長します。そのような環境が大切と考えます。また、子供たちが自然の中の体験学習で楽しみながら気づき、この体験を次の子供にさせてあげたいと、今度は自分がボランティアをする。これこそが本当の学びであり、本当の協働であり、まさに滋賀県の誇るべき自然と人が輝ける姿であると思います。自然の豊かな滋賀県ならではの教育の現場で生まれた先輩ボランティアの残してきた真の環境学習、体験学習の文化であると考えます。  この環境をしっかりと支え、子供たちの気づきの場所、居場所となり、みずから育つ力を引き出せる環境を大切にすること、そして、だれでも、いつでも自由に学ぶことができる学習機会の提供により、学んだ成果を地域で生かすボランティア活動を促進する協働の人づくり、社会づくりが大切です。  中国の老子の言葉には、「聞いたことは忘れる。見たことは覚える。体験したことは残る」とあります。学校教育だけでは学べない、人の体に残る体験を提供していける学びの場は、将来、滋賀県を背負う子供たちの教育に欠かせないものと思います。滋賀県が本来持っている「もったい」の力と価値を未来に生かす次世代育成型の社会を目指される嘉田知事に、所見と、滋賀県の未来を支える次世代に対してのメッセージをお伺いいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)生きる力につきましての御質問の中で、子供たちのみずから育つ力を引き出せる環境を大切にし、学んだ成果を地域で生かす、そのような協働の人づくり社会の考え方についてでございます。  私は知事就任以来、「もったいない」を生かす次世代育成型の県政を実現するために取り組みを進めてまいりました。滋賀県の未来をつくる3つの「もったいない」の施策の一つとして、子供や若者たちが本来持っている育つ力を損なってはもったいないということを常々申し上げてきたところでございます。  そこで、基本構想にも、戦略1のところで、社会で子育てを支える政策を掲げており、また、同じく戦略1で、子供の多様な学びの場をつくると掲げております。さらに、戦略1の4のところでは、自然の力を憩いや学びに活用する政策を挙げております。ここに、わかりやすいストーリー性を持たせたものが、子によし、親によし、結果として世間によしの子育て三方よしという考え方でございます。  本来、子供はみずから育つ、すばらしい力を持っていると思っております。自然と出会い、人と出会い、さまざまな体験を通して、自分を見詰め、仲間をつくりながら、人として大きく成長していくものだと思います。議員が御指摘の、まさに昭和30年代の子供たちの社会は、そのような一つの側面であったと思います。  その中で、生きる力とは何か。さまざまな定義が可能だと思いますが、私自身は、総合的な問題解決能力であると考えております。この総合的な問題解決能力を養うには、学校教育、さまざまな職業教育などございますが、体験学習とのかかわりでいきますと、やはり自然の中での遊びは大変大事だろうと思っております。  例えば、日本でもかつて、遊びと学びと仕事の場は一体で、子供たちは日々の暮らしの中で、生きる力、ここで言います問題解決能力を身につけてまいりました。魚つかみ一つをとってみましても、その魚はどの季節、いつどのような種類がどこにいるのか、いわば生態的な知識を知りながら、そこでどのような技能と道具とを使うのか考えながら、子供たち自身がみずからのわざを高め、そして、とれたときの喜び、成就感、また、幸い大きな魚がとれたり食べられる魚がとれますと、それは家に持ち帰って、おかずになる。そのことによって、家族の暮らしの中での自分の役割、また、社会関係の中で喜ばれる自己成就感というものも、そのようなところで養われるものと思っております。魚つかみ一つが、自然の生態系への知識、そして仲間との、人と人とのかかわり、あるいは家族の中での自分の存在感というところに展開してくる可能性があります。  文部科学省の調査によりますと、自然体験や生活体験あるいはお手伝い体験をした子供たちは、道徳観や正義感を強く持つという、これは相関関係ですが、研究成果もあります。もちろんその場合の道徳観、正義感の定義には難しいところがありますが、やはり生活体験、自然体験、お手伝い体験というのは、今の子供たちにとっても大変大事であろうと考えているところでございます。特に少子化、核家族化、そして地域社会における人と人のつながりが希薄化する中で、意識してこのような子供たちの体験を深めることが大切だろうと思っております。  そう考えますと、この滋賀県というのは大変有利な、潜在的な地と知の力がございます。言うまでもなく、本県、身近なところに琵琶湖、山、田んぼなどの豊かな自然環境がありますし、また、各地のお祭り、年中行事なども盛んでございます。また、新しくNPOの皆さんがさまざまな活動、イベントを企画してくださっております。そうした好条件の中で、地域のさまざまな団体、協議会、皆さんとともに、子供たちへの積極的なかかわりが生まれてくるものと考えております。  県といたしましても、地域での自主的なかかわりを支援させていだたくために、例えば小学生に配布しております「しがこども体験学校」の冊子やインターネットホームページ「におねっと」等を活用することによりまして、子供や保護者の皆さんに向けて、地域の団体で実施されている体験活動などの情報をわかりやすく提供することで、これだったら私たちにもできるという、次への一歩を踏み歩んでいただけるような情報の交流を目指しているところでございます。  また、地域社会の中で体験活動を積み重ねながら育った子供たちは、若者や大人に成長したときに、次世代の体験活動を応援する主体的な組織あるいは主体的な母体に育っていきます。そのような、世代をつなぐという、よき伝統をはぐくむことも大切な視点であると認識しております。  財政的には大変厳しい中ですが、市町を初め、子供会、ボーイスカウト、ガールスカウトなどの社会教育団体、企業、NPOなど、さまざまな主体との協働を進めながら、今後とも滋賀県が持つ、さまざまな地域資源、地と知の力を活かした体験、学びの機会のすそ野が広がるよう努めていきたいと思っております。そして、滋賀県の未来を支える世代の皆さんに対して、次の時代を担う皆さんが、この滋賀県で生まれてよかった、幸せだと思えるような、「もったいない」を活かす次世代育成型の県政を推進していくとお伝えしたいと思っております。  少し長くなりましたが、生きる力についての総括的な答弁とさせていただきます。 ◎教育長(斎藤俊信君) (登壇)生きる力についての御質問にお答えいたします。  まず、生きる力とはどのようなものなのかについてでございますが、私は、子供たちが自立した人間として、たくましく生きていく上で、知徳体の調和がとれ、感動する心、他人に対する思いやり、規範意識など、人として備えなければならない力であると考えております。  次に、子供たちに足りないものと生きる力をつけるために必要なことをどう考えるのかということでありますが、子供たちにとって生きる力を身につけることは、学校教育の場だけでなく、生涯にわたって学び続けていくものであり、学んだ知識を活用し、みずから課題を解決できる力を身につけるようはぐくんでいくことが、教育活動のあるべき姿と考えております。  次に、環境学習、体験学習の目指すべき姿、そこで果たすべき教育の役割についてでございますが、先ほど申し上げましたように、生きる力をはぐくむためにも、子供たちの健康や体力は不可欠なものととらえており、そのためにも、県教育委員会といたしましては、学校教育におきまして、さまざまな体験活動を、子供の発達段階に応じて教育課程に位置づけるとともに、地域における野外キャンプや水生生物の調査など、さまざまな自然体験活動への取り組みを支援しているところでございます。  今後とも、家庭、学校、地域、企業などが一体となって子供の生きる力をはぐくむために、引き続き環境学習、体験学習の推進に努めてまいりたいと考えております。 ◆45番(中沢啓子さん) (登壇)ありがとうございました。ぜひとも頑張っていただきたいと思います。  これで質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(出原逸三君) 以上で、45番中沢啓子さんの質問を終了いたします。  以上で、発言通告のありました発言は終わりました。  この際、関連質問はありませんか。    (「なし」)  以上で、質疑ならびに質問を終結いたします。    ──────────────── △議第139号から議第169号まで(平成19年度滋賀県一般会計補正予算(第4号)ほか30件)ならびに請願(各常任委員会付託) ○議長(出原逸三君) 議第139号から議第169号までの各議案ならびに請願は、お手元に配付いたしておきました文書のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。            ──────────────────────────────                 平成19年12月滋賀県議会定例会議案付託表                                        平成19年12月13日(木) 〇総務・政策常任委員会  議第140号 滋賀県職員の自己啓発等休業に関する条例案  議第142号 滋賀県知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例の一部を改正する条例案  議第143号 滋賀県職員の育児休業等に関する条例等の一部を改正する条例案  議第144号 滋賀県税条例の一部を改正する条例案  議第160号 平成20年度において発売する当せん金付証票の発売総額につき議決を求めることについて  議第161号 滋賀県基本構想の策定につき議決を求めることについて  議第162号 滋賀県中期計画の廃止につき議決を求めることについて  議第163号 知事の退職手当の特例に関する条例案  議第164号 平成20年度から平成22年度までにおける職員の給与の特例に関する条例案  議第165号 知事等の給与の特例に関する条例の一部を改正する条例案  議第166号 滋賀県職員等の給与に関する条例の一部を改正する条例案  議第167号 滋賀県一般職の任期付職員の採用等に関する条例の一部を改正する条例案  議第168号 滋賀県一般職の任期付研究員の採用等に関する条例の一部を改正する条例案 〇生活文化・土木交通常任委員会  議第139号 平成19年度滋賀県一般会計補正予算(第4号)   第1条 債務負担行為の補正のうち    追加 127 滋賀県営都市公園(奥びわスポーツの森に限る。)管理運営委託  議第145号 滋賀会館の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案  議第150号 契約の締結につき議決を求めることについて(山東一色線一色跨線橋改築工事)  議第151号 契約の締結につき議決を求めることについて(野洲中主線跨線橋新設工事)  議第152号 契約の締結につき議決を求めることについて(大津湖南幹線緊急地方道路整備工事)  議第153号 行政代執行費用等に係る損害賠償請求訴訟の提起につき議決を求めることについて  議第158号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県営都市公園(奥びわスポーツの森に限る。)) 〇環境・農水常任委員会  議第139号 平成19年度滋賀県一般会計補正予算(第4号)   第1条 債務負担行為の補正のうち    追加 123 滋賀県立きゃんせの森管理運営委託       124 滋賀県立朽木いきものふれあいの里センター管理運営委託       125 滋賀県立野鳥の森ビジターセンター管理運営委託       126 滋賀県立三島池ビジターセンター管理運営委託  議第154号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立きゃんせの森)  議第155号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立朽木いきものふれあいの里センター)  議第156号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立野鳥の森ビジターセンター)  議第157号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立三島池ビジターセンター) 〇文教警察・企業常任委員会  議第139号 平成19年度滋賀県一般会計補正予算(第4号)   第1条 債務負担行為の補正のうち    追加 128 滋賀県立長浜ドーム(宿泊研修館に限る。)管理運営委託  議第141号 学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例案  議第146号 滋賀県水道用水供給条例の一部を改正する条例案  議第147号 滋賀県立学校の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案  議第148号 滋賀県立比良山岳センターの設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案  議第149号 滋賀県立伊吹運動場の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案  議第159号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立長浜ドーム(宿泊研修館に限る。))  議第169号 滋賀県公立学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案            ──────────────────────────────                    請  願  文  書  表 △請願第26号 しが社会保険センターの存続に関する請願について 請 願 番 号 第26号 受 理 年 月 日 平成19年12月3日 件     名 しが社会保険センターの存続に関する請願について 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 西川  仁 付 託 委 員 会 厚生・産業常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  しが社会保険センターは、大津市や草津市などを初めとした滋賀県南部地域住民のための健康や生きがいづくりの場として、昭和62年に国によって開設され、以来22年にわたり、多くの利用者が心と体の健康づくりに励んできたが、平成17年6月に年金福祉施設を廃止、売却する法案が国会で可決、成立し、平成19年10月3日に年金・健康保険福祉施設整理機構によって、一般競争入札に出された。  しが社会保険センターは、伝統文化や歴史の伝達を意識した講座を設け、多くの文化人や専門家を講師陣に抱え、全国にも誇るべき充実した内容であり、毎月の受講者数も3,000人弱を維持し続け、近年は国からの補助金が打ち切られても黒字経営が続いている。これは、講座内容と講師の充実度の高さ、営業本意ではなく、利用しやすい料金であるためと考えられる。  当施設を利用することで、健康で長生きをする長寿にもつながり、予防保健の観点からも、医療保険、介護保験の財政負担を軽減する方向のものである。  ついては、滋賀県議会におかれては、現在、大勢の利用者および地域住民が存続を願っていること、高齢化社会においても現在の機能を維持することにより、大勢の市民が生きがいを持ち、健康な生活を営むことができることから、下記の事項を速やかに実現されたい。
               記 1.しが社会保険センターは、国の施策により廃止、売却が決定されたが、地域住民および市民の健康長寿のために、地域にとって、これからますます必要となる施設であり、ぜひとも、滋賀県での購入と事業継続を検討すること。 2.しが社会保健センターが一般競争入札で売却されるに当たり、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法の附帯決議に「機構は、各種施設の売却に当たっては、地元自治体とも相談すること」と盛り込まれていることから、現在の機能を維持する等の条件を付した上で売却されるよう、政府(厚生労働大臣)に働きかけること。            ──────────────────────────────                    請  願  文  書  表 △請願第27号 イオンモールの住民説明会について 請 願 番 号 第27号 受 理 年 月 日 平成19年12月10日 件     名 イオンモールの住民説明会について 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 節木三千代 西川  仁 付 託 委 員 会 厚生・産業常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  11月30日から施行された新まちづくり3法をめぐり、湖南地域では大型商業施設の駆け込み出店が相次ぎ、既に工事も始まり、大店立地法に基づく住民説明会も始まっているが、地域住民に十分な説明がされていない。そのため、工事が進むにつれ、地域住民の中に、既存の市街地の衰退や交通渋滞、治安や青少年の環境問題など、多くの不安が広がっている。  大型店の出店から地域住民の住環境を守るために、出店者が地域住民に出店の内容を早く伝えることや出店者が地域住民の実態や声をつかみ、対応することが求められている。  大店立地法に基づく住民説明会の範囲は、県の指導では半径1キロメートルとなっており、草津市へ出店するイオンモールの説明会も半径1キロメートルとされているが、西半分は琵琶湖であることから、住民はおらず、イオンモールの出店で一番大きな影響を受ける大津市膳所地域は対象外になっている。これでは周辺地域住民への説明会にはならない。  ついては、イオンに対し住民説明会の1キロメートルの範囲を西側については、近江大橋西詰からにするよう指導されたい。            ──────────────────────────────                    請  願  文  書  表 △請願第28号 フォレオ大津一里山店の住民説明会を求めることについて 請 願 番 号 第28号 受 理 年 月 日 平成19年12月10日 件     名 フォレオ大津一里山店の住民説明会を求めることについて 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 節木三千代 西川  仁 付 託 委 員 会 厚生・産業常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  11月30日から施行された新まちづくり3法をめぐり、湖南地域では大型商業施設の駆け込み出店が相次ぎ、既に工事も始まり、大店立地法に基づく住民説明会も始まっているが、地域住民に十分な説明がされていない。そのため、工事が進むにつれ、地域住民の中に、既存の市街地の衰退や交通渋滞、治安や青少年の環境問題など、多くの不安が広がっている。  大型店の出店から地域住民の住環境を守るために、出店者が地域住民に出店の内容を早く伝えることや出店者が地域住民の実態や声をつかみ、対応することが求められている。  11月17日に行われたフォレオ大津一里山店の大店立地法に基づく住民説明会では、参加住民から交通渋滞など多くの疑問点や不安、要望が出された。その中で、現在でも渋滞している箇所の交通量調査が抜けていること、開店後の交通量予測には西日本最大規模のイオンモールの影響が抜けていることなどが明らかになり、開発者の大和ハウス工業株式会社は調査を約束した。  しかし、大店立地法の説明会は1回となっており、地域住民は、調査結果を聞くことができない。地域住民に住環境への影響をしっかりと知らせることが大切である。  ついては、大和ハウス工業株式会社に再度、住民説明会を開くよう指導されたい。            ──────────────────────────────                    請  願  文  書  表 △請願第29号 小口簡易資金の充実を求めることについて 請 願 番 号 第29号 受 理 年 月 日 平成19年12月10日 件     名 小口簡易資金の充実を求めることについて 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 節木三千代 西川  仁 付 託 委 員 会 厚生・産業常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  中小業者や地域経済は、依然厳しい状況にあり、中小業者の廃業率が開業率を上回り、中小業者数も減少を続けている。  中小業者は、日本経済のすそ野を支えるだけでなく、地域経済の中心的な担い手であり、地域社会や文化の担い手でもある。中小業者の活性化なくして、地域における経済社会の活性化はない。中央と地方の格差拡大や地域経済、社会の落ち込みが言われる中、今ほど中小業者を応援する地方自治体の施策の充実が求められている時はない。  その中で、地方自治体の制度融資が大きな役割を果たしており、とりわけ多くの中小業者が活用している小口簡易資金について、下記のとおり充実を求める。            記 1.今年10月より、中小業者の期待にこたえて小口簡易資金の限度額が従来の750万円から1,250万円に引き上げられたが、返済期間は従来の7年のままになっており、他県でも実施しているように、返済期間を10年に延長し、中小業者がより活用しやすい制度にされたい。 2.地域経済活性化のために、地方自治体で新事業創出、新規開業支援が精力的に取り組まれており、県の制度融資でも今年4月から営業年数の条件が従来の1年以上から6カ月以上に改善されたが、小口簡易資金は従来のままである。   小口簡易資金についても、当面、他県の制度融資と同じように、営業条件を6カ月以上とするよう改善されたい。            ──────────────────────────────                    請  願  文  書  表 △請願第30号 県の開業資金の充実を求めることについて 請 願 番 号 第30号 受 理 年 月 日 平成19年12月10日 件     名 県の開業資金の充実を求めることについて 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 節木三千代 西川  仁 付 託 委 員 会 厚生・産業常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  滋賀県が全国に先駆けて実施した開業後の自己資金は不要とする施策は、新規開業者、中でも資本力の弱い業者青年に大好評で、多くの開業を支援し、また、全国でも注目の的であったが、今年4月から自己資金を不要とする条件が、20%必要とする条件に変更され、その理由は、利用者の多くが20%の自己資金を持っていることとされている。  新事業創出、新規開業を応援して地域経済を活性化するのは、県の大方針である。自己資金が20%以下の人の事故率が高いなど明確な理由がないのであれば、新規開業者のハードルを高くすることのないようにされたい。  新規開業者の中で多くを占める業者青年は、今日の厳しい経済条件下でも、地域社会、経済の発展とものづくり技術の継承に寄与し、経済の活性化、雇用の創出に大きな役割を果たしている。多くの業者青年が商売、経営を通じて能力を発揮したい、人に喜ばれる仕事がしたいなど、高い向上心を持ち、事業の拡大、継承を望んでいる。そして、技術や専門知識の向上などのさまざまな努力を重ねながら、地域経済振興に大きな役割を果たしている。  このような業者青年に希望を与え、支援、育成していくためにも、開業資金融資の開業後20%の自己資金を必要とする条件を、従来の自己資金を不要とする条件に戻されたい。            ──────────────────────────────                    請  願  文  書  表 △請願第31号 消費税の増税に反対することについて 請 願 番 号 第31号 受 理 年 月 日 平成19年12月10日 件     名 消費税の増税に反対することについて 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 節木三千代 西川  仁 付 託 委 員 会 総務・政策常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  景気は回復基調にあると言われているが、私たちの暮らしは、収入が落ち込み、医療、年金、介護などの負担がふえ、苦しくなるばかりである。  消費税は、社会保障や国の財政などが増税の理由にされているが、医療や年金などの社会保障制度は改悪され、財政赤字は膨らみ続けている。また、2007年までの消費税の税収合計が188兆円である一方、この間の法人3税の減収分は159兆円にも上るなど、消費税は大企業の減税に消えているのが実態である。  社会保障財源を確保するには、大規模開発や軍事費などのむだ遣いをやめ、税金の使い道を福祉と国民の暮らし優先に変えるべきである。税金の取り方も、大企業などへの行き過ぎた減税をやめるべきである。  消費税が増税されると国民の消費が落ち込み、地域経済は一層悪化してしまう。消費税は大金持ちには負担が軽く、所得の低い人ほど重くなる、逆累進的な税金であり、貧困と格差を一層ひどくすることは明らかである。  国民の暮らしや家計を守るため、消費税増税に強く反対し、下記の事項について請願する。            記 1.消費税の増税はやめること  上記について地方自治法第99条の規定に基づき、関係省庁に意見書を提出されたい。            ──────────────────────────────                    請  願  文  書  表 △請願第32号 乳幼児の医療費自己負担引き上げ撤廃、拡充を求めることについて 請 願 番 号 第32号 受 理 年 月 日 平成19年12月10日 件     名 乳幼児の医療費自己負担引き上げ撤廃、拡充を求めることについて 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 節木三千代
    付 託 委 員 会 厚生・産業常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  少子化対策の重要な施策として、全国各地でも乳幼児医療費助成制度の拡充が進んでいる。滋賀県でも一部自己負担を含む就学前までの医療費無料化が実現したが、その一層の拡充が望まれている。特に、一部自己負担の撤廃は、若い保護者にとっては切実な願いである。  子供を持つ若い保護者の生活実態は、今までにない厳しい状況にある。乳幼児期の子供は、病気にかかりやすく、長期の療養を要する病気も増加しており、病気の早期発見と早期治療、治療の継続を確保する上で、医療費助成制度は極めて重要な役割を担っている。  県下の地方自治体では、こうした声を受け、自己負担分を市町が肩がわりして、完全無料化を実現したり、無料化の年齢を引き上げるなど、拡充に努力している。  平成17年の滋賀県の乳児死亡率は、全国47位で最も高いと報道された。こうしたもとで、県が自己負担額を引き上げることは、市町の負担をふやし、制度拡充を困難にするなど、深刻な問題の解決に逆行するものであり、県民の望むところとは大きくかけ離れており、認められない。安心して子供を育てることができるよう下記について請願する。            記 1.財政構造改革プログラムの乳幼児医療費の自己負担引き上げを撤廃すること。 2.県の制度として一層の拡充を検討すること。 3.国に対して、乳幼児の医療費無料化制度を求めること。            ──────────────────────────────                    請  願  文  書  表 △請願第33号 平成20年度保育関係予算に関する要望について 請 願 番 号 第33号 受 理 年 月 日 平成19年12月10日 件     名 平成20年度保育関係予算に関する要望について 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 世古  正 上野 幸夫 付 託 委 員 会 厚生・産業常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  少子化対策、次世代育成支援施策は、国の最重要課題となっており、従来以上に子供に対する投資が望まれるが、国、県の財政事情の悪化などから毎年のように保育所制度の改正、各補助金の改廃が行われている。これ以上の補助金の減額が行われれば、今の保育水準を維持できない。  ついては、子供たちの心身の健やかな発達と県民ニーズにこたえる保育を実施するため、次世代育成のための補助金制度を充実されたい。  また、平成10年の児童福祉法改正時に、利用者選択制は既に導入されている。保育の公の責任と利用者の選択を両立させている現在の保育制度は、すぐれたシステムである。市町の責任をあいまいにする利用者との直接契約、利用者への直接補助方式については、社会的な弱者が排除される可能性もあり、格差が拡大するなど多くのデメリットがあり、無理に導入すれば、保育の質の低下を招くことは明らかである。直接契約、直接補助の考え方は、限られた保育関係予算のばらまきである。保育所保育は福祉的営みであり、保育を一つの商品と考える競争の原理にはなじまない。入所児童獲得のため、保育施設間で保育料の低価格競争が起き、多くの施設で運営費の収入減を招き、保育士などの人件費削減につながり、保育の質の低下が進むことになる。  ついては、子供の発達に悪影響を与える直接契約、直接補助の考え方には慎重に対応されたい。            ──────────────────────────────                    請  願  文  書  表 △請願第34号 医療費財源の確保について 請 願 番 号 第34号 受 理 年 月 日 平成19年12月10日 件     名 医療費財源の確保について 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 家森 茂樹 大井  豊 付 託 委 員 会 厚生・産業常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  今、我が国の医療は音を立てて崩壊しつつある。これは、急速な高齢社会の進行にもかかわらず、政府が財政主導の政策を断行し、医療費の削減を強行し続けてきたことに起因している。本県はもとより、全国の医療機関は疲弊し、人的にも機能的にも極限状態での地域医療提供が強いられている。  医師・看護職不足等による過重労働は、病院閉鎖や診療科縮小を招き、産科、小児科や救急医療を初めとする地域の医療に深刻な影響を及ぼしている。また、高齢者のための長期入院施設の削減は、大量の医療難民や介護難民を生み、孤独死も急増することになる。さらには、患者一部負担の引き上げは、国民から医療を受ける機会を奪うものである。  我が国の医療は、世界保健機関から高い評価を受けているが、国内総生産に対する総医療費支出は、世界の先進国が加盟する経済協力開発機構30カ国中22位と低く、1位の米国の約半分にしかすぎない。  医療関係者は、国民が安全で安心な医療を受けられる充実した医療提供体制を確保していく責務がある。国民の生命と健康を守るため、我が国の経済力に見合った医療費の確保を求める。  本件について、地方自治法第99条による意見書を国会ならびに関係行政庁へ提出されるよう請願する。            ──────────────────────────────                    請  願  文  書  表 △請願第35号 健全に運営する自主共済に対し、新保険業法の適用除外を求めることについて 請 願 番 号 第35号 受 理 年 月 日 平成19年12月10日 件     名 健全に運営する自主共済に対し、新保険業法の適用除外を求めることについて 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 中谷 哲夫 清水 鉄次 節木三千代 家森 茂樹 大井  豊 付 託 委 員 会 総務・政策常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  平成18年4月から改正保険業法が施行され、各団体の構成員のための自主的な共済制度が保険業とみなされ、さまざまな規制を受け、存続の危機に追い込まれている。保険業法の改定の趣旨は、不特定多数を相手に詐欺商法を行っている詐欺組織を規制することであるが、実際は、一般の保険会社が扱わない自主共済を規制する内容になった。  このため、滋賀県下においても保険業法が一方的に改定されたため困惑が広がり、今後の対応に苦心しているところが数多くある。みずからの共済を解散せざるを得なくなった団体なども相次ぎ、多くの団体が苦渋の決断を余儀なくされている。今回の改定では、根拠法に基づくことにより、適用を除外された団体でも、4年後の見直しでは保険業法の適用が決められるのではないかと大きな不安を抱いている。  共済は、団体構成員の相互扶助に基づくものであり、利潤や利益が目的の保険とは、全く異なるものである。今回の改定は、届け出や登録をしない場合の行政罰が明記され、自主共済を強制的に保険業の規制対象としている。規制の内容は、莫大な資金を要する会社設立などの義務づけに加え、収支の是正命令など組織と財政のあり方を根底から否定し、団体構成員間の助け合い制度を破壊する権力乱用の余地がある。  政府、金融庁が自主共済に規制や干渉をすることは、その団体と構成員に多大な不安と損失を招き、およそ6,000万人とも言われる共済加入者が、権利の侵害を受けるおそれがある。  ついては、下記事項について地方自治法第99条に基づき、国に対し、意見書を提出されるよう請願する。            記 健全に運営する自主的な共済を新保険業法の適用除外にすること。            ──────────────────────────────                    請  願  文  書  表 △請願第36号 後期高齢者医療制度の4月実施中止、見直しを求める意見書の提出について 請 願 番 号 第36号 受 理 年 月 日 平成19年12月10日 件     名 後期高齢者医療制度の4月実施中止、見直しを求める意見書の提出について 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 節木三千代 西川  仁 付 託 委 員 会 厚生・産業常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  後期高齢者医療制度は、2008年4月から75歳以上のすべての高齢者と65〜74歳で一定の障害がある人を加入者としてスタートする。現在、中央社会保険医療審議会(中医協)で、後期高齢者医療の診療報酬は、74歳までの診療報酬と全く別のものとすることや、主治医を軸とした包括報酬とすることなどが議論されているが、こうした包括診療報酬では、多くの疾患を抱える高齢者に十分な医療を保障することは到底できない。  後期高齢者医療保険料は加入者全員に課せられ、年金から天引きされることになり、さらに、約2割の高齢者は普通徴収となり、膨大な数の滞納者が生まれることは、介護保険料の滞納状況を見れば明らかである。1年間の滞納で資格証明書発行、1年半の滞納で給付差しとめというペナルティーは高齢者にとって余りに過酷である。  後期高齢者医療制度の財政は、5割が公費、1割が後期高齢者の保険料、4割が支援金となっており、これによって市町村国保料の値上げは必至となる。  こうした多くの問題を抱える後期高齢者医療制度につき、既に全国の約300の議会が意見書を採択しており、現在もふえ続けている。  ついては、後期高齢者医療制度の問題点を検討され、地方自治法第99条に基づき、国に対して下記の事項を内容とする意見書を提出されたい。            記 1.年齢によって治療内容が制限されず、これまでどおりの必要な医療が受けられるようにすること。 2.高齢者の生活実態に即した保険料とし、資格証明書発行や給付差しとめを行わないこと。 3.高齢者や国民、地方自治体の意見をよく聞き、来年4月から制度を拙速にスタートさせるのではなく、延期も含め検討を行うこと。            ──────────────────────────────                    請  願  文  書  表 △請願第37号 私学助成を大幅に増額し、行き届いた私学教育を進めることについて 請 願 番 号 第37号 受 理 年 月 日 平成19年12月10日 件     名 私学助成を大幅に増額し、行き届いた私学教育を進めることについて 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 中谷 哲夫 佐橋 武司 今江 政彦 家森 茂樹 付 託 委 員 会 総務・政策常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  滋賀県の高校で6,500人ほどの生徒が私立学校に通っており、本年度、国庫助成額が増額されたにもかかわらず、県下の私立の高校生1人当たりの経常費助成は33万3,000円のままで、私立の高校生の授業料直接助成支給対象者も年々減らされ、現在は県内の私立高校生総数の約5分の1にすぎない。  滋賀県の私立の高校生の2006年度における初年度納付金は平均で65万7,625円(全日制)と県立の高校生の12万850円に比べ、5.44倍となっており、所得格差が拡大する中、年々過重になる教育費負担は、多くの父母にとって深刻な問題である。  私学助成は単なる補助金ではなく、私立学校に通う子供たちの教育費を公費で負担する制度である。「私学教育も公教育。公教育は公費で。」という理念に基づき、下記の事項が速やかに実施されるよう請願する。            記
    1.学費の公私格差を減らし、教育の機会均等を図るため、当面、公立学校の子供1人当たりに使われている教育費の半分を、私立学校の子供たちへの教育費として公費で負担すること。 2.父母負担を軽減するため、授業料軽減直接助成を抜本的に拡充して、多くの家庭に授業料軽減直接助成が行き渡るようにすること。 3.私学の教育条件の向上に向け、専任教員の比率向上や学級定員の削減に対応した特別助成を創設すること。また、施設整備助成の凍結を解除して、施設整備助成制度を充実させること。            ────────────────────────────── △陳情についての報告 ○議長(出原逸三君) なお、陳情については、お手元に配付いたしておきました一覧表のとおりであります。            ──────────────────────────────                    陳  情  一  覧  表 △陳情第7号 公的保育制度の堅持、拡充と保育・学童保育・子育て支援予算の大幅増額を求める意見書の提出について 陳 情 番 号 7 受 理 年 月 日 平成19年12月5日 件     名 公的保育制度の堅持、拡充と保育・学童保育・子育て支援予算の大幅増額を求める意見書の提出について 提  出  者  (略) 要     旨  少子化の進行のもとで、安心して子供を生み育てることのできる環境、子供たちが健やかに育つことができる環境の整備が緊急の課題になっている。保育・学童保育・子育て支援施策の整備は、国の将来を左右する重要課題であり、施策の拡充に対する国民の期待が高まっている。さきの国会で保育・学童保育・子育て支援施策の拡充と予算の大幅増額を求める請願書が衆参両院において全会派一致で採択されたことは、こうした国民の声の反映にほかならない。  こうした状況を受け、国は、次世代育成支援対策や少子化対策を掲げているが、一方で公立保育所運営費等の一般財源化を進め、自治体に大きな負担を強いている。さらに、公立保育所の廃止、民営化の推進や保育所や幼稚園の現行基準を大幅に切り下げ、認可外施設も認定の対象とする認定こども園の創設を予算措置なしに進めるなど、保育の公的責任と国の基準を大きく後退させようとしている。加えて、政府の関係機関が直接契約の導入、最低基準の見直しなど現行保育制度の見直しを求める議論を進めようとしていることは、国会で採択された請願内容と大きく矛盾する。こうした見直しが実施された場合、保育の地域格差が大きく広がるだけでなく、家庭の経済状況により、子供が受ける保育のレベルにも格差が広がる危険性がある。  すべての自治体で旺盛な施策の前進を図り、国全体として保育所の維持向上を実現するためにも、国と地方自治体の責任を明記した現行保育制度の堅持、拡充と国家的な基準(最低基準)の底上げおよび財政の後押しが必要不可欠である。真に少子化対策を進めるのであれば、国としてこの分野における予算枠を大幅に改善することが急務である。  ついては、国に対して、公的保育制度の堅持、拡充と保育・学童保育・子育て支援予算の大幅増額を求める意見書を提出されたい。 送 付 委 員 会  厚生・産業常任委員会            ────────────────────────────── △休会の議決 ○議長(出原逸三君) お諮りいたします。  明14日から20日までは、委員会審査等のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。    ──────────────── ○議長(出原逸三君) 来る21日は、定刻より本会議を開き、付託案件に対する各委員長の報告を求めます。  本日はこれをもって散会いたします。   午後5時8分 散会    ────────────────...